hellog〜英語史ブログ

#5797. 言語年代学は後世の言語学に何を残したか? --- いのほた最新回[glottochronology][history_of_linguistics][statistics][inohota][youtube][voicy][heldio][helwa][linguistics][link]

2025-03-11



 YouTube 「いのほた言語学チャンネル」の最新回が公開されています.お題は「#317. 言語年代学は後世の言語学に何を残したか?」です.
 本ブログでも言語年代学 (glottochronology) について様々な記事を書いてきました.いくつかピックアップしてみます.

 ・ 「#1128. glottochronology」 ([2012-05-29-1])
 ・ 「#1729. glottochronology 再訪」 ([2014-01-20-1])
 ・ 「#2659. glottochronology と lexicostatistics」 ([2016-08-07-1])
 ・ 「#2660. glottochronology と基本語彙」 ([2016-08-08-1])
 ・ 「#4685. Campbell による glottochronology 批判」 ([2022-02-23-1])

 音声配信 heldio/helwa でも,以下の回で言語年代学についてお話ししています.

 ・ helwa 「【英語史の輪 #91】否定された「言語年代学」」 (2024/02/08)
 ・ heldio 「#1339. 言語年代学 --- 言語学史の一幕」 (2025/01/28)
 ・ heldio 「#1340. 言語年代学への批判から学べること」 (2025/01/29)

 この言語学の分野は,今では言語学史の一コマとして見られることが多いですが,アイディア自体は斬新だったと私は考えています.批判の多い学説でしたが,その鋭い批判のなかから数々のインスピレーションが飛び出し,言語学の一角に若い種が蒔かれたのでした.印欧語比較言語学が新たな刺激を獲得し,語彙統計学 (lexicostatistics) が発展し,基本語彙とは何かという問いが生じ,意味素に関する議論も見直されました.批判される学説にも中長期的にはポジティヴな意義があることを教えてくれる好例です.
 歴史的な学説の掘り起こし,ポジティヴな再解釈,現代的応用は,有益な試みですね.

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