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hendiadys - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2024-12-04 15:55

2020-10-03 Sat

#4177. SDGs を始めます [sdgs][binomial][hendiadys][synonym]

 そろそろ SDGs (= sustainable development goals) で英語を勉強しようと思います.いや,英語で SDGs を勉強しようと思います,の間違いでした.まずは用語のマスターから.

SDGs

 以下のようにまとめてみました.公式のロゴ集 (PDF) については,英語版あるいは日本語版をどうぞ.

Goal 1No Povertyあらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
Goal 2Zero Hunger飢餓を終わらせ,食料安全保障及び栄養改善を実現し,持続可能な農業を促進する
Goal 3Good Health and Well-Beingあらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し,福祉を促進する
Goal 4Quality Educationすべての人々への,包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し,生涯学習の機会を促進する
Goal 5Gender Equalityジェンダー平等を達成し,すべての女性及び女児の能力強化を行う
Goal 6Clean Water and Sanitationすべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
Goal 7Affordable and Clean Energyすべての人々の,安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
Goal 8Decent Work and Economic Growth包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
Goal 9Industry, Innovation, and Infrastructure強靱(レジリエント)なインフラ構築,包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
Goal 10Reduced Inequalities各国内及び各国間の不平等を是正する
Goal 11Sustainable Cities and Communities包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
Goal 12Responsible Consumption and Production持続可能な生産消費形態を確保する
Goal 13Climate Action気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
Goal 14Life Below Water持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し,持続可能な形で利用する
Goal 15Life on Land陸域生態系の保護,回復,持続可能な利用の推進,持続可能な森林の経営,砂漠化への対処,ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
Goal 16Peace, Justice and Strong Institutions持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し,すべての人々に司法へのアクセスを提供し,あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
Goal 17Partnerships持続可能な開発のための実施手段を強化し,グローバル・パートナーシップを活性化する


 ロゴも大事ですが,キャッチフレーズとしてはゴロ(語呂)も大事ですね.SDGs の文句は,よく考えられていると思います.たとえば "Good Health and Well-Being" のような binomial あるいは二詞一意 (hendiadys) には注目です.

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2012-01-15 Sun

#993. flat adverb についてあれこれ [flat_adverb][adverb][adjective][swearword][intensifier][metanalysis][hendiadys][cleft_sentence]

 年が明けて以来,flat_adverb についていくつか記事を書いてきた.調べているうちに諸々の話題が集まってきたので,雑記として書き残しておきたい.

 (1) 「主にくだけた口語で用いられ,本来の副詞より端的で力強い表現」(小西,p. 507);「単純形副詞がよく用いられるのは,文が比較的短く,幾分感情的色彩がある場合で,口語体ではより力強い表現として好まれる傾向がある: It hurts bad. / Take it easy. / Go slow.」(荒木, p. 522)
 (2) 米の口語・俗語で多用されることは既述だが,さらに例を挙げる(荒木,pp. 86, 91).ex. act brave, dance graceful, land safe, work regular, sit tight, mighty dangerous, reasonable busy, moderate good luck, everlasting cold, get ugly drunk, hustlingest busy; I see things different than I used to.; You are plain lucky.
 (3) 歌曲の題名などで臨時的に用いられる.ex. "Love Me Tender", "Treat me nice".
 (4) 副詞としての very の起源が示すとおり ([2012-01-12-1], [2012-01-13-1]) ,名詞を修飾する類義の形容詞の連続において,前の形容詞が後の形容詞を修飾する副詞として異分析される例がみられる (ex. an icy cold drink, a blazing hot fire) .さらに,名詞がなくとも独立して burning hot, soaking wet, dazzling white なども見られる(大塚,p. 589).
 (5) 形容詞と副詞が同形のペアには5種類あり,以下の iii, iv 辺りが典型的に flat adverb と呼ばれるものだろう (Huddleston and Pullum 568) .

i daily, hourly, weekly, deadly, kindly, likely
ii downright, freelance, full-time, non-stop, off-hand, outright, overall, part-time, three-fold, wholesale, worldwide
iii bleeding, bloody, damn(ed), fucking
iv clean, clear, dear, deep, direct, fine, first, flat, free, full, high, last, light, loud, low, mighty, plain, right, scarce, sharp, slow, sure, tight, wrong
v alike, alone, early, extra, fast, hard, how(ever), late, long, next, okay, solo

 (6) flat adverb と -ly adverb では,分裂文 (cleft sentence) で焦点化された場合の容認可能性が異なる.flat adverb は,動詞句と分断されることにより形態だけでは副詞とわかりにくくなるために,容認度が低くなるのではないか(荒木,p. 522).

 *It was slow that he drove the car into the garage. vs It was slowly that he drove the car into the garage.
 *It was loud that they argued. vs It was loudly that they argued.

 ただし,flat adverb が等位接続されたり別の語で修飾されると,副詞であることが明確になり,容認されやすい.ex. It was loud and clear that he spoke.; It was extremely loud that they argued.
 (7) A and B と形容詞を等位接続すると,A-ly B ほどの意となる二詞一意 (hendiadys) の例も,形容詞の副詞化という現象の一種としてとらえることができそうだ(大塚,pp. 531, 589).ex. nice and cool (= "nicely cool"), good and tired (="well tired"), rare and hungry (="quite hungry").

 ・ 小西 友七 編 『現代英語語法辞典』 三省堂,2006年.
 ・ 荒木 一雄,安井 稔 編 『現代英文法辞典』 三省堂,1992年.
 ・ Huddleston, Rodney and Geoffrey K. Pullum. The Cambridge Grammar of the English Language. Cambridge: CUP, 2002.
 ・ 石橋 幸太郎 編 『現代英語学辞典』 成美堂,1973年.
 ・ 大塚 高信,中島 文雄 監修 『新英語学辞典』 研究社,1987年.

Referrer (Inside): [2016-08-19-1]

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