有志ヘルメイトによる月刊ウェブマガジン Helvillian 9月号が,8月28日に公開されました.通算第23号となります.
今号は,Galois さんによる秋の涼しさを感じさせる見出し画像とともに,早速本編の寄稿ラインナップが始まります.
今号も圧倒的な記事量を誇る ari さんからスタートです.犬に絡めたシリウスの話題に始まり,ベルギーの街ブリュッヘと結びつけた英語史のネタ,チーズフォンデュをめぐる一件(タイトルからは何のトピックか分かりませんが,そこは読んでのお楽しみ)など,いつもの通り縦横無尽です.拙著『なぜさんたんげん』と関連付けた記事や,heldio や Helvillian に注目したファンサイト「Helvillain Heal」を公開されたとの報告までなされ,まさに八面六臂のhel活振りです.
mozhi_gengo さんは今号でも多作です,迂言的な do の文法化から,turnstile と urchin の語源,ヴェルネルの法則とグリムの法則を絡めたヒンディー語探訪まで,比較言語学的な視点が冴えわたっています.「青椒肉絲の美味しい店」と関連づけたトピックも要注目です.
辞書通読勢も健在です.lacolaco さんの「英語語源辞典通読ノート」は D ゾーンの dice, dictionary, die まで到達しています.あまねちゃんはこの1ヶ月で通読ノートを第6弾から第9弾まで一気に4本更新し,ひそかに同辞典の「読み解き」にまで手を広げています.August の語源を遡る回や古英語 guma に迫る回も見逃せません.
教育現場からは,sorami さんの中学生向け語源クイズが第14弾,第15弾を数え,和製英語や不定冠詞 a/an,interested と interesting の使い分けといった実践的なテーマを取り上げています.みーさんの「小学生と学ぶ英語史」も引き続き絶好調で,kendama_player さんも英語史におけるヴァイキングの位置づけに関する仮説の紹介や,服部義弘先生への heldio オープンマイク企画の予告など,教育と研究の橋渡し役を果たしてくれています.
ドイツ語と英語史の定点観測を続ける ykagata さんは,rain と salad の語源記事に加え,連載「『英語語源ハンドブック』にこじつけて学ぶドイツ語」が開始から1年を迎えたことを報告しています.ドイツ語 gleich 「同じ,すぐに」と英語 alike が同語源であること,そして Zum Wohl 「乾杯」の Wohl と古英語 Wes hal 「乾杯」の hal が実は別語源だという指摘と考察は刺激的でした.川上さんは「英語と歴史」シリーズを続けられ,「英語のなぜ」やってます通信も積み重ね,地道な連載の強みを見せつけています.
Grace さんは festival という語の成り立ちと「花子」の記号論を論じ,Lilimi さんは仏検準1級の2次試験を振り返り,しーさんは「1000年前にタイムトラベルするなら何を持っていくか」というユニークな視点から「たべっ子どうぶつ」を語り,佐久間さんは梅毒がかつて「フランス病」と呼ばれた歴史を紹介するなど,語学と歴史のはざまを行き来する寄稿が並びます.こじこじ先生の3篇のオリジナル曲も,今号に彩りを添えています.
umisio さんは今号も多く寄稿しています.学校教育での英語史導入の可能性を論じた記事に始まり,「伏線(未)回収」論シリーズも展開しています.酷暑のなかで頻発する「ボケ」への対処法を熱く語る一篇も,umisio さんらしい肩の力の抜けた味わいです.巻末は,Grace さんによる「あゆみ(2026年9月)」と,umisio さんによる「編集後記(2026年9月)」で締めくくられています.
今号もまた,寄稿者それぞれの視点から英語史の奥深さを味わえる充実の号に仕上がっています.ぜひ Helvillian 9月号をじっくりとお楽しみください.そして,この hel活の輪に加わりたいと思われた方は,ぜひ Voicy プレミアムリスナー限定配信チャンネル 「英語史の輪 (helwa)」へお越しください.
(以下,後記:2026/09/02(Wed))
今回紹介した Helvilian 9月号については,heldio 配信回「#1921. Helvillian 9月号公開 --- Helvillian 校了後の編集室からで,編集委員のお2人が直々に紹介していますので,ぜひそちらもお聴きください.

昨今,hel活の熱気が各所で高まりを見せているが,また1つ,まことにありがたく貴重なウェブサイトが誕生した.8月14日,heldio/helwa のコアリスナーでhel活界隈でも精力的に活動されている ari さん さんが,heldio/helwa のファンサイト「Helvillain Heal」を開設してくださった.ari さん,ありがとうございます!
このサイトは,私の Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」,およびプレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪 (helwa)」を応援する有志(= ari さん)によって編集・公開されているポータルサイトである.サイトトップの案内にもある通り,リスナーコミュニティ「Helvillian の中でも,こっそりと行動する Helvillain の館」というコンセプトだそうだ.Helvillian ではなく Helvillain であるところに注目である(ダジャレなのだが,一応これを述べておかないと,微妙すぎて読者が混乱する恐れがある).
サイトを覗いてみると,現時点で大きく分けて2つの主要コンテンツが整理されている
・ Voicy heldio での古英語・中英語音読回へのリンク集:heldio で配信してきた古英語・中英語のテキストを読み上げる「音読回」が,学びやすいように整理されている.素朴に古英語や中英語の音声に触れてみたい学習者にとって,絶好のガイドとなる.
・ 月刊ウェブマガジン Helvillian 各号へのリンク集:有志ヘルメイトの皆さんが制作してくださっている英語史とhel活に関する月刊ウェブマガジン Helvillian について,創刊号から最新号に至るまでの表紙画像および各記事へのリンクがずらりと並んでいる.
過去の記事でも触れてきた通り,Helvillian の毎号の充実ぶりには目を見張るものがある.このようにバックナンバーも含めて一覧・アクセスできる環境を整えていただき,hel活コミュニティ全体にとっても大きな財産となる.まさに「英語史をお茶の間に」広めるhel活の真骨頂だ.
有志ヘルメイトの ari さんによ自発的な広報・アーカイブ活動が,こうして素晴らしい形を取って立ち上がったことに,身近な者として深い感謝と敬意を表したい.このような仲間の情熱に支えられながら英語史の輪が広がっていくのを実感するのは,本当に嬉しい.
このサイトの今後の更なる展開やコンテンツの拡充も,大変楽しみにしている.hellog 読者の皆さんも,ぜひ「Helvillain Heal」を訪問し,ブックマークの上,日々の英語史の学びに活用していただければ.
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