hellog〜英語史ブログ

#4167. なぜ英語では lr が区別されるのですか? --- hellog ラジオ版[hellog-radio][sobokunagimon][hel_education][pronunciation][consonant][l][r][dissimilation]

2020-09-23

 今回の hellog ラジオ版の話題は,日本語母語話者が苦手とされる英語の lr の区別についてです.同じラ行音として r ひとつで済ませれば楽なはずなのに,なぜ英語ではわざわざ lr と2つの音に分けるのか.そのような面倒は,ぜひやめてほしい! という訴えももっともなことです.I eat rice. (私は米を食べます)と I eat lice. (私はしらみを食べます),I love you. (あなたを愛しています)と I rub you. (あなたをこすります)など,日本語母語話者が lr の区別が下手であることをダシにした,ちょっと頭に来るジョークもあります.これは何とかお返しをしなければ.
 ということで,以下の解説をお聴きください.異化 (dissimilation) の解説でもあります.



 英語では現在のみならず歴史的にもずっと lr が異なる音素として区別されてきました.しかし,音声学的にいって両音が似ていることは確かですし,両音が取っ替え引っ替えされてきたことは pilgrim, marble, colonel 等の英単語のたどってきた歴史のなかに確認されるのです.lr は英語でもやっぱり似てたんじゃん!
 今回の話題に関心をもった方は,ぜひ##72,1618,1817,3684,3016,3904,3940の記事セットをどうぞ.

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