英語学(社会言語学)のオンライン授業に向けた準備の副産物として,今回は言語におけるタブー (taboo) に関する hellog 記事セットを紹介する.
・ 「言語におけるタブー」の記事セット
本ブログではタブーについても様々な記事を書いてきた.今回の講義で主に注目したのは,以下の点である.
(1) 言語におけるタブー表現は古今東西に例がみられ普遍的であること
(2) タブー化しやすい指示対象や領域が偏っていること
(3) すぐれて(社会)言語学的なトピックであること
(4) タブー表現に代わる婉曲表現の生み出し方にパターンがあること
(5) タブー表現には驚くべき負のパワーが宿っていること
(6) その負のパワーは,話者個人の集合からなる言語共同体がタブー表現に宿らせているものであること
タブー表現は,定義上使ってはいけない言葉ということだが,ではなぜ使われないにもかかわらず失われていかないのだろうか.そもそもなぜ存在するのだろうか.暗号 (cryptology) ,隠語 (slang),記号論 (semiotics),ポリティカル・コレクトネス (political_correctness) など言語学全域からのトピックと接点をもつ点に置いても,最も興味深い(社会)言語学のトピックの1つといって間違いない.
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