教皇のアレ
2013年3月
旅人:Profesor Hamada
2013年3月、ローマ・カトリック教会において史上初となるラテンアメリカ出身の教皇が選出された。その人ホルヘ・マリオ・ベルゴグリオ(Jorge Mario Bergoglio)枢機卿が同時に、初のイエズス会出身教皇、初の「フランシスコ」を名乗る教皇、そして初のアルゼンチン人教皇であることはよく知られている。そんな歴史的瞬間に沸くアルゼンチンに、一人の教員がうっかり居合わせた。
活気あふれるブエノスアイレスの中心地区も、この日は特に喧しかった。なのに待てども待てどもタクシーが来ない。ようやく捕まえた一台に「今日はタクシーの運行はないよ」と言われ、理由を尋ねると「教皇のアレでさ("Por lo del papa")」。迂闊にも、ここに至ってようやく思い出した。数日前にウルグアイで、「アルゼンチン人の教皇が誕生しました!」というニュースに接していたのだった。
さらに悪いことに、大通りの一つが祝賀のために閉鎖されていて、自分の予約した宿泊先はまさにその大通り沿い。困っていたらそれを見透かされ、たったの数ブロックだというのに法外な値段をふっかけられた。とはいえ背に腹は代えられぬと乗り込んだのがこの図。封鎖された大通り方面へ向かう車列が全然進まない。結構同じ境遇の人がいるのか、タクシーの姿もちらほら。
どうにかこうにか宿に辿り着き(タクシーは、運転手と談笑していたら多少まけてくれた)、何はともあれ近くのレストランでアサード。教皇が出ようとこの味は変わらない。
街場の食堂ならほぼ必ずテレビが設置されているのは、サッカー大国ならでは。とはいえ本日の画面は新教皇一色。
もちろんご当人はバチカン。
ブエノスアイレスを離れ、北東部リトラル地方のサンタフェ市へと向かう。これはその途中、ロサリオ市近郊の風景。
サンタフェ市、カード印刷店の店頭。仕事が早い。
新教皇の選出を祝うのは、王道感漂うアルビセレステ(空色と白)の装飾。
おまけ1:国立リトラル大学の建物内。
おまけ2:パラナ川を臨む河岸通り。