研究プロジェクト

進行中のプロジェクトと主な成果

(本ページの更新を中止しています。

成果および著作全体については「著作リスト」ページをご覧ください。)










情報組織化、情報資源組織化を捉えるためのフレームワーク

メタデータにかかわる研究のフレームワーク
a. メタデータの概念モデル設計・検討
b. メタデータの記述規則、ガイドラインの設計・検討・評価
c. メタデータスキーマの設計・検討・評価
d. メタデータ作成処理とその支援システムの試作・評価
e. メタデータ作成体制の検討・評価
f. メタデータの活用(公開・提供システム、検索システムなど)の提案・試作・評価

分類・統制語彙・オントロジーにかかわる研究のフレームワーク
a. 分類・統制語彙・オントロジーの概念モデル検討
b. 分類・統制語彙・オントロジーの構築・評価とその支援
c. 分類・統制語彙・オントロジーの適用とその支援システムの試作・評価
d. 分類・統制語彙・オントロジー適用データ(メタデータ)の活用法の提案・試作・評価

これらは、あくまでも便宜的な区分です。
以下の個々の研究プロジェクトは、上記のフレームワーク内の単一項目、または複数項目に位置づけられます。


FRBR、FRAD、RDA、IFLA LRM、BIBFRAME等の再検討

 概念モデルであるFRBR(「書誌レコードの機能要件」)、IFLA LRM、そして記述規則であるRDA(Resource Description and Access)等を対象に、新たな観点からの捉え直し(分析)や提案を試みている。具体的には、FRBR/FRADへのイベント概念の導入は有効か、RDAに直接対応する概念モデルとはどのようなものか、テキストレベル実体(表現形;Expression)を基盤としたモデルとはどのようなものか、複数のモデルのマッピングやマージはどのようなものとなるか、それらの提案はどのように有効かなどを検討している。
 併せて、BIBFRAMEは図書館目録のメタデータモデルそしてスキーマとして適切かなどを検討している。

Shoichi Taniguchi. Mapping and Merging of IFLA Library Reference Model and BIBFRAME 2.0. Cataloging & Classification Quarterly. Vol.56, No.5-6, 2018, p.427-454.
Shoichi Taniguchi.
Is BIBFRAME 2.0 a suitable schema for exchanging and sharing diverse descriptive metadata about bibliographic resources? Cataloging & Classification Quarterly. Vol.56, No.1, 2018, p.40-61.
Shoichi Taniguchi. What does giving primacy to a certain entity cause in a conceptual model for cataloging?: An Expression-entity dominant model revisited. Library Resources and Technical Services. Vol.61, No.4, 2017, p.212-225.
Shoichi Taniguchi.
Examining BIBFRAME 2.0 from the viewpoint of RDA Metadata Schema. Cataloging & Classification Quarterly. Vol.55, No.6, 2017, p.387-412.
Shoichi Taniguchi. Modeling Resource Description Tasks in RDA. Cataloging & Classification Quarterly. Vol.53, No.1, 2015, p.88-111.
Shoichi Taniguchi. User tasks in RDA-based model. Cataloging & Classification Quarterly. Vol.51, No.7, 2013, p.788-815.
Shoichi Taniguchi. Understanding RDA as a DC Application Profile. Cataloging & Classification Quarterly. Vol.51, No.6, 2013, p.601-623.
Shoichi Taniguchi. Event-aware FRBR and FRAD models: Are they useful? Journal of Documentation.Vol.69, No.3, 2013, p.452-472.
谷口祥一. RDAをモデルと記述に分けて捉える: RDA理解のための枠組み. 図書館界. Vol.64, No.6, 2013, p.378-390.
Shoichi Taniguchi.
Aggregate and Component Entities in RDA: Model and Description. Cataloging & Classification Quarterly. Vol.51, No.5, 2013, p.580-599.
Shoichi Taniguchi.
Viewing RDA from FRBR and FRAD: Does RDA represent a different conceptual model? Cataloging & Classification Quarterly. Vol.50, No.8, 2012, p.929-943.

FRBR OPACの構築(概念モデルに依拠した検索システムの構築)

 現行のOPAC(図書館目録検索システム)からの機能向上を目指して、FRBR(「書誌レコードの機能要件」)に依拠した著作に基づく集中化とナビゲート機能の実現が試みられている。本研究は、こうしたOPACのFRBR化に向けて、わが国で作成されている書誌レコードであるJAPAN/MARC書誌レコードなど(および一部の典拠レコード)を対象として、著作の機械的同定法について提案を行い、その有効性の検証を試みている。著作に関する情報の記録が少ないわが国のレコードを用いて、どの程度著作の機械的同定が可能であるのか、あるいはどのような方式が有効であるのかを明らかにする。ここには機械学習の適用をも含めている。
 なお、これらの成果はメタデータ作成時の支援機能にも転用できる。

併せて、FRBR研究会を組織し人手による著作同定結果の蓄積と公開、機械的同定との組み合わせ活用等を試みている。
関連サイト: 著作ページ

Takuya Tokita, Maiko Kimura, Yosuke Miyata, Yukio Yokoyama, Shoichi Taniguchi, and Shuichi Ueda. Identifying Works of Japanese Classics for Construction of FRBRized OPACs. Cataloging & Classification Quarterly. Vol.50, No.5-7, 2012, p.670-687.

谷口祥一. 総合目録データに対する機械的書誌同定と著作同定の試み:ゆにかねっとレコードによる実験. 日本図書館情報学会誌. Vol.57, No.4, 2011, p.124-140.
谷口祥一. FRBR OPAC構築に向けた著作の機械的同定法の検証:JAPAN/MARC書誌レコードによる実験. Library and Information Science. No.61, 2009, p.119-151.

図書館目録のメタデータのLinked Data化、セマンティックWeb化

 図書館目録のメタデータ(書誌データ、典拠データ)は、どのようなLinked Dataとすべきか、あるいはいかにしてセマンティックWebのメタデータとなりうるのか、そのためには何を変えなければならないのか等を検討し、それに沿ったメタデータ作成や変換等を試みている。

Shoichi Taniguchi. Understanding and reviewing RDA Vocabularies in RDF: A multi-layer framework approach. Journal of Library Metadata. Vol.20, No.4, 2021, p.237-260.
谷口祥一. 日本目録規則2018年版の語彙をRDFによって定義する:フレームワークアプローチ. 日本図書館情報学会誌. Vol.67, No.2, 2021, p.104-115.
Shoichi Taniguchi.
Mapping and Merging of IFLA Library Reference Model and BIBFRAME 2.0. Cataloging & Classification Quarterly. Vol.56, No.5-6, 2018, p.427-454.
Shoichi Taniguchi. Is BIBFRAME 2.0 a suitable schema for exchanging and sharing diverse descriptive metadata about bibliographic resources? Cataloging & Classification Quarterly. Vol.56, No.1, 2018, p.40-61.
Shoichi Taniguchi.
Examining BIBFRAME 2.0 from the viewpoint of RDA Metadata Schema. Cataloging & Classification Quarterly. Vol.55, No.6, 2017, p.387-412.

オントロジーの再構築と展開

 図書館等がこれまで育んできた既存の分類法や統制語彙(件名、シソーラスなど)を、同種のオントロジーあるいは異種のオントロジーと組み合わせて最大限の有効活用を図る方策を検討している。
 加えて、ソーシャルタギング(ユーザタギング)データの構造化、具体的には対象資源に対するソーシャルタギングをメタデータ付与の一種と捉え、多数のユーザによる多様なタグ付与結果に対して、タグの階層構造化、同義・類義タグの同定・抽出を機械的に実行することなどを試みている。

谷口祥一, 木村麻衣子. 機械学習によってNDLSH細目付き件名標目に対するNDC代表分類記号を同定する試み. 日本図書館情報学会誌. Vol.64, No.2, 2018, p.59-76.
谷口祥一, 尾形沙由美. NDLSHにおけるNDC代表分類記号と書誌レコードの分類記号はどの程度一致するのか. Library and Information Science. No.75, 2016, p.37-66.

谷口祥一. BSH/NDLSHとNDCにおける階層構造はどの程度一致するのか. 日本図書館情報学会誌. Vol.60, No.1, 2014, p.1-17.

根拠の記録を伴うメタデータ(書誌記述法)

 書誌レコードや記述メタデータを構成する個々のデータ項目の値の記述処理に際して、使用された処理ルールやタスク、あるいは値の採取箇所など記述処理の入出力データを、値の根拠として値そのものに加えて記録することを提案している。併せて、提案した根拠の記録作業を支援するシステムを試作し、その評価実験を行っている。さらには、記録された根拠の有効活用を図るシステムの試作に着手している。 [少し展開した説明

Shoichi Taniguchi. A system for supporting evidence recording in bibliographic records. Part II: What is valuable evidence for catalogers? Journal of the American Society for Information Science and Technology. Vol.58, No.6, 2007, p.823-841.
Shoichi Taniguchi. A system for supporting evidence recording in bibliographic records. Journal of the American Society for Information Science and Technology. Vol.57, No.9, 2006, p.1249-1262.
Shoichi Taniguchi. Recording evidence in bibliographic records and descriptive metadata. Journal of the American Society for Information Science and Technology. Vol.56, No.8, 2005, p.872-882.

テキストレベル実体を基盤にした概念モデルと書誌レコード作成

 現行の目録作成方式およびFRBRモデルの両者が「体現形(manifestation)」(テキストが特定の形式で記録媒体に固定された段階を指す実体)を基盤としているのに対し、テキストレベル実体(表現形:expression)を基盤とした概念モデルを新たに提案している。併せて、提案モデルに依拠した書誌レコード作成法の実現可能性、作成されたレコードの有効性等の検証を進めている。 [少し展開した説明

Shoichi Taniguchi. What Does Giving Primacy to a Certain Entity Cause in a Conceptual Model for Cataloging?: An Expression-Entity Dominant Model Revisited. Library Resources and Technical Services. Vol.61, No.4, 2017, p.212-225.
Shoichi Taniguchi. Expression-level bibliographic entity records: a trial on creation from pre-existing MARC records. Cataloging & Classification Quarterly. Vol.38, No.2, 2004, p.33-59.
Shoichi Taniguchi. Conceptual modeling of component parts of bibliographic resources in cataloging. Journal of Documentation. Vol.59, No.6, 2003, p.692-708.
Shoichi Taniguchi. A conceptual model giving primacy to expression-level bibliographic entity in cataloging. Journal of Documentation. Vol.58, No.4, 2002, p.363-382.

記述処理ルールセット設計への概念モデリングアプローチ

 書誌レコードや記述メタデータの作成に用いる記述処理用ルールセット(個別データ項目の値の取得法や記録形式などを詳細に規定するもの)の概念設計において、個々の処理行為に含まれる指向性(orientedness:私自身が以前に提案した概念)の分析と処理プロセスのモデリングとを組み合わせて適用した方式を提案している。併せて、提案した方式による設計を支援するシステムの試作を試みている。 [少し展開した説明

Shoichi Taniguchi. Design of cataloging rules using conceptual modeling of cataloging process. Journal of the American Society for Information Science and Technology. Vol.55, No.6, 2004, p.498-512.