私の大学の授業で多少時間が余ったりするとたまにやることを Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」でやってみました.学生に英語に関する素朴な疑問を出してもらい,その場で答えていく(というよりも,英語史の観点からコメントしていく)というものです.
今回,10分程度の時間で取り上げることはできたのは5問ほどでしたが,これは1ヶ月ほど前の「英語史」の初回授業のときに学生から募った質問リストの先頭の5問です(その初回授業については「#4728. 2022年度「英語史」講義の初回 --- 慶應義塾大学文学部英米文学専攻の必修科目「英語史」が始まります」 ([2022-04-07-1]) を参照).slido というウェブ上のQ&Aサービスを用いて,文字通りにライヴで募ったものです.素朴な疑問を応募した際の文句は,以下の通りです.
ライヴでどしどし「英語・言語に関する素朴な疑問」を寄せてください.子供ぽい「素朴すぎる」疑問のほうが,英語史的にはおもしろいことが多いです.
もちろん答える側としては,どんな質問が飛んでくるか分からないのでハラハラドキドキではあります.学会発表のときの質疑応答のほうが,まだ心の準備ができているのではないかと.しかし,良問であれ悪問であれ,すべての学びは発問から始まるという点で,「問い」は非常に重要な営みだと考えています.
今回 Voicy で取り上げた5問の原文は,以下の通りです.
・ なぜ water は不可算名詞なのに涙を意味する tear が可算名詞なのか
・ なぜ日本語には私,俺,僕などの一人称が多くあるのに,英語では I だけなのか
・ なぜ三単現の s は他のアルファベットではなく s なのか
・ なぜ英語には日本語の3%しかオノマトペがないのですか
・ walk と work の綴りと発音が逆なのは何故か
いずれも一筋縄ではいかない問題で,すぐには解決に至らないものが多いですが,英語史・英語学の観点から「何か」言えることがある,というのがポイントです.ぜひお聴きください.
Voicy ラジオはウェブ上でも聴取できますが,以下からダウンロードできるアプリ(無料)を使うともっと快適です.合わせてフォローしていただければと思います.
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