Keio Senior Highschool English
SSH研究の概要
研究のねらい
ハイスクールミュージアム
地球科学のスーパーサイエンス
天気の科学のスーパーサイエンス
宇宙天文のスーパーサイエンス
生徒の課題研究成果
韓国のサイエンスハイスクール
大学・研究機関との共同研究
トップページ
・ 概要
・ 授業計画
・ 校外学習(北海道教育大学大雪山自然教育研究施設など)
・ 講演会
・ 授業外で行う課題研究

【概要】
はじめに
 天気は毎日の生活に影響を与えるので、多くの人が関心を持っている。例えば、山崎ら(2004*注意書1) の調査によれば、小学生から大学生まで平均して二日に一度は天気予報を利用している。そして、天気予報には様々な科学と最速のコンピュータが利用されている。例えば、天気を予報するために流体力学、熱力学、計算機科学などが応用されている。本校では3年自由選択科目の理科に選択物理、選択化学、選択地学I(地質)、選択地学II(気象)、選択地学III(天文)、実験理科が用意されているが、10名以上の履修希望者いなければ開講されない。旧学習指導要領が施行されてから10年間、毎年開講できたのは、選択地学II(気象)だけであり、気象に関する生徒の関心の高さが伺える。
  {注意書1:山崎良雄・坪田幸政・垣内信子,2004,児童・生徒・学生を対象とした気象に対する意識・知識に関する実態調査,千葉大学教育学部研究紀要,第52巻,1-11.}

スーパーサイエンスI(気象)の仮説
 ここでは次のような仮説を立てて研究を進めた。
 ・身近な対象である天気は、生徒の興味・関心を維持することができる。
 ・天気の科学を学習することで、「科学」に対する理解を深めることことができる。
 ・生活と関係の深い天気の科学を学習することは、社会における科学の役割に気づかせることができる。
 ・専門家から直接の話を聞くことで、生徒は科学の本質に気づく。
 ・自然体験が生徒の好奇心を掻き立てる。
 ・直接体験は生徒の理解を深化させる。
 指導方法および教育支援の方法としては、次のことに関してその有効性を調べることとした。
 ・視聴覚教材の利用
 ・講演会
 ・校外研修
 ・実験
 ・課題研究


Topに戻る

【授業計画】
本校のSSH指定を受けて、この選択科目(スーパーサイエンスT(気象))を通して「好奇心を活用した創造性や独創性を養う教育支援の方法に関する研究」を行うことになった。前期は実験や演習、視聴覚教材を利用して気象学の基礎を学習し、後期は実験・観測、講演会、校外研修、課題研究を行うこととした。

Topに戻る

【校外学習(北海道教育大学大雪山自然教育研究施設など)】
 天気の科学の中で高気圧や低気圧と前線といった大規模な気象システムの理解も重要であるが、雲や雨、雪などの降水の科学の理解も重要である。そこで、北海道教育大学附属教育実践総合センター助教授の高橋庸哉先生と連携して、野外において気象と雪結晶を観測し、気象条件と雪結晶の形態の関係を学習する校外研修プログラムを開発した。  雪結晶の観測には、結晶が融解しないように気温の低い観測所が適している。また、海岸に近い所では雲粒が多いので、霰になる傾向があり、内陸部の方が良い。北海道教育大学大雪山自然教育研究施設は、中谷宇吉郎博士が雪結晶の研究を行った十勝岳に近く、雪結晶観察に最適な場所であり、宿泊研修先に選んだ。  北海道教育大学附属教育実践総合センターには、浮遊した状態で人工的に雪結晶の成長を観察できる世界で唯一の鉛直過冷却雲風洞があり、自然に近い環境で条件を制御して、雪結晶の成長実験ができる世界で唯一の施設であり、ここも研修先とした。

校外研修の日程
1月5日:降雪の観察、雪の結晶のレプリカ作成、気象観測
1月6日:前日のまとめの講義、積雪の観測、酸性雪の観測など
1月7日:説明の後、3グループに分かれて、低温実験室における雪の結晶成長実験

この校外研修の成果をまとめると次のようになる。
・雪の結晶の形についての理解を深めた。
・雪の断熱効果を積雪の観測や実験から体験的に理解できた。
・雪の結晶過程において、不純物を取り込まないこと関して理解を深めた。
・降雪と積雪、降水量と降雪量の違いなどに関して、それぞれの密度を求める実験から理解を深めた。
・晴天日と曇天日の放射冷却による冷え込みの違いを体感できた。


Topに戻る

【講演会】
01. 「最先端科学と気象 オゾンホール科学の深化から学ぶ」・・・北海道大学 長谷部文雄 教授
02. 「『Cloud Microphysics 入門』特に、雲結晶の成長について」・・・北海道教育大学 高橋康哉 助教授
03. 「気象の数値モデルとメソ気象」・・・東京大学海洋研究所 新野宏 教授
04. 「台風の科学-熱帯の大気-」・・・気象研究所 中澤哲夫 第2台風研究室長
05. 「気候システム科学への招待」・・・東京大学気候システム研究センター 住明正 教授
06. 「航空機の運航管理と気象」・・・日本航空(株) 藤堂憲幸氏
07. 「風力発電」・・・ものつくり大学 堀聡 助教授
08. 「気象と気象予報士」・・・ウェザーマップ 真壁京子氏(天気キャスター)

Topに戻る

【授業外で行う課題研究】
 後期には個人またはグループによる課題研究を課した。課題研究の指導は予備調査結果の提出、日吉祭におけるポスター発表、授業中の中間発表、中間レポート、最終レポートの提出により行われた。(この評価詳細については、「SSH研究開発実施報告書第一年次」をご参照ください)
 

Topに戻る

お問い合わせ・サイトマップ (c)2005 Keio Senior High School. All Rights Reserved
Keio Senior Highschool お問い合わせ サイトマップ