Keio Senior Highschool English
SSH研究の概要
研究のねらい
ハイスクールミュージアム
地球科学のスーパーサイエンス
天気の科学のスーパーサイエンス
宇宙天文のスーパーサイエンス
生徒の課題研究成果
韓国のサイエンスハイスクール
大学・研究機関との共同研究
トップページ
・ 概要
・ 授業計画
・ 校外学習(ぐんま天文台など)
・ 講演会
・ インターネット天文台を利用した研究
・ 生徒の学会発表
・ 結果と検証

【概要】
 天文学を、理論に偏らず、画像処理を利用した探求活動を行う。その中で実際体験と解析体験、更には論文化・発表の体験を行い、科学に対する態度を身につける。

Topに戻る

【授業計画】
 天文学を題材とした「知的好奇心を利用して創造性や独創性を育てる教育支援の方法」の研究においては、選択地学V(天文)を対象とした。この科目は文系3年を対象とした選択科目である。平成15年度の履修者は12人であった。目的は、「天文学を、理論に偏らず、画像処理を利用した探求活動を行う。その中で実際体験と解析体験、更には論文化・発表の体験を行い、科学に対する態度を身につける。」ことにある。SSH指定される以前から設置されていた選択科目で、トップの生徒をより高次のレベルに引き上げるというよりは、理科の好きな文系の生徒にいろいろな活動を通して、座学では味わえない科学の面白さを体験させることに目標を置いてきた。しかし、本年度においてはSSH指定を受けたこともあり、文系対象の選択科目ながら、科学に対する興味関心をより引き出すための研究対象として、この科目に取り組んだ。
 留意したことは、体験的学習の機会を増やすこと、自ら考え問題点を解決する姿勢を身につけさせることである。この科目の年間指導計画を以下に示す。
●選択地学V(天文)の年間指導計画

前期 さまざまな体験的学習を通して科学研究の基礎を身につける。

Hands on Universeカリキュラムの利用(アメリカで開発された天文を題材にした科学教育プログラム) 大きさの測定・CCDの原理・輝度の測定・クレーターの実直径の測定など
観測体験  太陽黒点の観察、スケッチ、撮影・水星の日面通過の観察、火星の観察・インターネット天文台を使った遠隔観測
観測画像からの解析体験  木星と衛星の画像から木星の質量を求める・水星の日面通過を利用して1天文単位を求める・水星の公転周期を求める
取り扱う内容の知識補充のための講義  太陽について・太陽系シミュレータを用いた太陽系の姿・宇宙探査の歴史・ケプラーの法則・回転天体より中心天体の質量を求める
発表体験  国立天文台企画「君が天文学者になる4日間」の応募作文の作成・日本天文学会ジュニアセッションへのポスター発表での参加(有志)

後期  自らが考え観測・解析するプロジェクトベースの学習

校外学習への予備調査(事前レポート作成)
校外学習(10月22~23日 ぐんま天文台・群馬県立自然史博物館)
本格的な観測体験・研究の最前線の現場を体験・多種の本物から宇宙と人間との関係を理解する
事後レポート作成→研究テーマへの発展
学園祭(日吉祭)でポスター発表(ポスター作成・相互評価)
観測計画→観測→解析→論文化→発表資料作成→発表
最終授業にてクラス内発表会
日本天文学会ジュニアセッションに参加(有志)


●仮説
 生徒の創造性や独創性を育てるために、まず体験的学習が重要であると考えた。従来から行ってきたアクティビティに加え、天文学研究の最先端である天文台を見学し、そこで実際に観測することで、天文学に対する興味を引き出そうと試みた(宿泊研修)。また、興味関心を持続させるために、天文学のプロである天文学者との交流機会を常に持つことを試みた。これは先の宿泊研修に加え、日頃から交流のある天文学者からのメールを生徒に転送したり、天文学者による講演会を行うなどした。以上は、生徒の興味関心を引き出すための手法としてはある程度、生徒にとっては受動的な方法である。
科学研究とは端的に考えると、自然から何らかのデータを取りだし、論理的に考察することで未知なるものを知ることといえる。この科目の目標は最終的に生徒自らの手で科学研究を行い問題解決を行うことにある。つまり能動的に生徒が興味関心をのばすための方法を考えた。データを得るということは天文学の場合、多くは天体望遠鏡による観測をすることになる。しかし、時間的な問題、観測環境の統一など、観測を続けることは様々な問題を含んでいる。そのため、継続観測を容易にする環境の構築をすることが急務と考え、インターネット天文台を利用した継続観測を行える環境整備を行った。次に研究内容を発表する場を提供することで、科学研究の自己化が促進されより能動的になると考え、極力生徒の行っている内容の発表機会を提供した。さらに、その場はなるべくレベルの高い方がよいと考え、全国的な発表会を目標として研究を行わせた。
Topに戻る

【校外学習(ぐんま天文台など)】
●宿泊研修の目的
 天文台・自然史博物館の展示・施設を利用し、天体(宇宙)の理解と宇宙の中に地球があることを体験的に理解する。また現在知られている宇宙像、地球像がとのように把握されるようになったのか、観測体験を通して理解する。
 要するに、学校では体験できない高精度望遠鏡による観測体験、手で触れる標本を使っての地球歴史の理解、さらには最先端で活躍する専門家の講演を通して、ホンモノを体直接体験し、宇宙と地球の理解を深めるのが目的である。

●日程など
日程 10/12(日)〜10/13(月) 1泊2日
対象 選択地学V(天文)履修者生徒数12人(実際に参加は11人)
研修場所 群馬県立ぐんま天文台・群馬県立自然史博物館

●事前学習
 見学や講演していただく内容がより深く理解できるように、班別に研修に関することがらについてレポートを作成し、研修の冊子としてまとめた。調べた内容は以下の通りである。
「ストーンヘンジの科学」「ジャンタルマンタルについて」「冷却CCDカメラの特徴と使い方」「系外惑星探査」「彗星の分光観測について」「地球の誕生」
 観測・撮像を行うに際し、画像処理の基礎知識が必要となるが、アメリカで開発されたHands-On Universeカリキュラムを利用して、画像処理の方法とその意味するところを学習した。

●10/12の研修
 群馬へ向かうバスの車中で、各班の調べた内容が全員へ定着するように冊子を輪読した。調べた生徒が発表し、その後質疑応答をして、調べた内容の補足をしたり、わかりにくい部分の解説を行った。
 ぐんま天文台には昼過ぎに到着し、天文学者でもある観測普及研究員の浜根寿彦氏に案内していただき、館内の展示を利用した以下の内容の研修を行っていただいた。

・太陽望遠鏡画像と分光について
・赤道儀と経緯台の違いとその動き
・65cm望遠鏡と1.5m望遠鏡の観測装置について
・望遠鏡の組み立ての講習
・一般観察用望遠鏡の操作と撮像の講習

 これで午後の研修を終え、夜間の研修に備えていったん宿舎へと戻った。
 19時より、再びぐんま天文台で研修を行った。ここでは実際に一般観察用望遠鏡で観測を行う予定であったが、悪天候のため観測を行うことはできなかった。晴天であれば、系外惑星探査のための画像取得をするはずだった。高校生自ら最先端科学に参加できる機会になるはずであったが行うことができず非常に残念であった。1泊2日の短い日程ではこのような危険度も高まるので、もっと余裕を持った日程設定をすべきだと感じた。
 夜間の研修では、天文学者が実際にどのように研究を進めているかを知るために講演をしていただいた。浜根氏がぐんま天文台の施設を利用して行っている最先端研究の実例とし「彗星の分光サーベイ観測」について述べていただいた。
 国際的な最先端研究をするために、どのようなことをしなくてはならないか。研究に使われるデータがいかに苦労して研がれたものなのか、更に研究を進めることで何がわかるのかといった研究活動の苦労と魅力を存分に伝えていただいた。講演が終わった後、データ解析の様子を実際に見せていただいた。その手際の良さに高校生からは感嘆の声が漏れた。そして浜根氏のデータを眺める目が「我が子を見るような優しい眼差しですね。」と、生徒が感想を述べたのが印象的だった。

●10/13の研修
 2日目の午前中は、ぐんま天文台の屋外施設を利用した研修を行った。ここでも浜根氏に案内いただいた。ぐんま天文台には、ジャンタル・マンタルというインドの天体観測のための13基の巨大建造物が設置されている。その中の最大のものはサムラート・ヤントラといい、日時計の役割を果たしている。日時計の形状から地球の運動、公転面に対する地軸の傾き、公転速度の不均一による均時差など地球と太陽のさまざまな関係を知ることができた。他のものは黄道上の惑星の位置を観測するためのもので、赤道座標と黄道座標の違いを視覚的に実感することができた。さらに、隣に設置されたストーンサークルでは日周運動と年周運動を併せて考察することができた。
 昼前に、ぐんま天文台を辞してバスにて群馬県立自然史博物館へ向かった。館の内外に設置されたさまざまな標本や展示を利用して、地球の歴史と宇宙との関わりについて学んだ。そして、古生物学者でもある学芸員の高桑祐司氏に講演いただき「生命進化と宇宙」との関係について学んだ。
 群馬県立自然史博物館では隕石標本から、原始太陽系から地球がどう形成されたのか。そして、ストロマトライトや縞状鉄鉱層などの標本から原始地球がいかに現在のような姿になったのか。ミラーの実験標本や宇宙線を感知する桐箱の展示から生命の発生と発達について学習した。群馬県立自然史博物館は化石標本が非常に充実しており、生命の爆発的な発展と多様性について実感することができた。講演では、これらの内容に加え、繰り返す大量絶滅について述べられた。
 その後、館内自由見学をして、バスで帰途についた。

●事後学習
 研修で学習した内容を事後レポートとしてまとめた。レポートのタイトルは以下の通りである。「ジャンタルマンタル、ストーンヘンジについて」「ぐんま天文台の展示について」「ぐんま天文台の観測装置について」「講演"彗星の分光サーベイ"について」「群馬県立自然史博物館の展示について」「講演"生命進化と宇宙"について」

●反省点
 内容を欲張りすぎて設定した感があった。せっかくの宿泊研修だからと、訪問先の良いところをできるだけ体験できるようにと考えた結果なのだが、短い日程で内容を詰め込みすぎてしまいひとつひとつの研修が未消化になってしまった感は否めない。今後は日程に余裕を持たせることと、内容をもっと焦点を絞って設定する必要性を感じた。

Topに戻る

【講演会】
●講演会「インターネット天文台を利用した天文教育の最前線」

 天文分野の講演会は、運営指導委員でもある熊本大学教育学部理科教育課程の佐藤毅彦助教授においでいただき、2月2日の夕刻に行われた。「インターネット天文台を利用した天文教育の最前線」と題して、インターネット天文台の構築の経緯、教育実践の様子、そして初の海外拠点となるガーナのインターネット天文台について話していただいた。
 対象の生徒は、選択地学V(天文)履修者である。他に、インターネットによる遠隔操作望遠鏡の開発を行っている慶應義塾大学商学部物理学教室、株式会社五藤光学研究所からも参加があった。
 なお、選択地学V履修者のうちのひとりは、彼の研究のため既に佐藤先生の指導を受けながらガーナのインターネット天文台を操作して画像取得した経験がある。
講演では、まずどのような経緯でインターネット天文台を作ろうと思うに至ったかという経緯が説明された。以下、講演の要約を記す。
●インターネット天文台の構築
 このプロジェクトは1998年に始まり、慶應高校に1号機、東京理科大学野田キャンパスに2号機を作った。研究開発費を確保するために、さまざまな助成金の申請を行った。2002年には佐藤先生が熊本大学に移られたのでそこでも研究費を確保して、3号機を設置した。1号機と2号機は数十qしか離れていないが、3号機は1000kmくらい離れているので、熊本が曇りでも1号機や2号機を使えば観測できる。インターネット天文台の密度が高まることで観測ができない確率が低くなる利点がある。

●インターネット天文台の特徴
 このプロジェクトにおけるインターネット天文台の特徴は利用する人が全ての操作権をもつということである。天文台の屋根をあけるところから、望遠鏡を天体に向ける。そして、カメラの明るさを合わせるなどを、全てを利用する人が行う。大変ではあるが望遠鏡の操作や画像取得が学習の場であることを考えると、自分で行うということが非常に大切である。
 こうして国内3台のインターネット天文台を活用してさまざまな教育実践を行ってきた。授業時間の関係上、太陽が題材であることが多い。ここでも複数台である利点を活かして、1台は可視光で観測し、他のものではHαで観測する。そうすると同じリアルタイムの太陽ではあるけれど違う姿が見えてくる。同じ場所にいながら可視光とHαの像を比較しながら授業を展開することができる。

●インターネット天文台の海外進出
 以上のように国内のインターネット天文台も活躍してきたわけだが、このプロジェクトの究極の目標は昼間の授業にリアルタイムの夜空を持ち込むことである。そのためには海外にインターネット天文台を設置しなくてはならない。さまざまな候補地が考えられたが、グリニッジ子午線と赤道の交点、いうなれば「地球のへそ」に最も近く、日本からもアメリカからも昼に夜になりうるアフリカのガーナに設置することとした。ただし、さまざまな基盤の未発達な国なので設置には困難を極めた。
 現地、教育省や設置場所であるテマ高校との交渉。工事業者、インターネットプロバイダとの折衝などなど、さまざまな困難を乗り越えて、2003年12月には日本からコンテナが届き、設置の運びとなった。しかし、のんびりした国なので通関に時間がかかり、テマ高校に到着したのは帰国間際となった。そのため望遠鏡や制御コンピュータ関係の調整は、マラリア蚊に脅えながらの徹夜作業となった。なんとか帰国前に調整を済ませることができ、帰国後にガーナのインターネット天文台を使って小学校や高等専門学校、大学などで授業実践や講演会を行った。
 小学校での実践では、子供たちの食い入るような真剣な眼差しが印象的だった。授業をしていて日本からガーナの天文台を動かして感じたのは、「本当に、これ地球の裏側から星空がきているんだろうか?」ということであった。そんな実感が全くわかなかった。しかし、子供たちが授業後に書いてくれた感想には、「初めて月や土星を見られて嬉しかった。」というようにガーナからの実況を見た感想というより、純粋に月や星が見れたという喜びのほうが大きいようだった。

●ガーナのインターネット天文台を動かす
 次に、実際にガーナのインターネット天文台にアクセスし、リアルタイムで望遠鏡を動かしていただいた。ユーザーインターフェースでもあるWebページの紹介したあと、ガーナの気象状況の確認をし、望遠鏡を格納するルーフを開いて望遠鏡を操作した。しかし、あいにくの曇天で天体を観測することはできなかった。とはいえ、実際に観測に伴う一連の操作を見ることができたのでWebページにアクセスし、認証を受け、望遠鏡を起動する。そして目標の天体を選び望遠鏡をそちらに向けるという手順を確認することができた。

●質疑応答
生徒A「すごいすごい、というので一杯になって質問がすぐには思いつきません。」
生徒B「自分を普通の高校生と思っていたので、こんな天文台が身近にあるとは不思議な感じがします。もっと普及して欲しいと思います。」
生徒C「先生のパソコンにはNASAのシールが張っているんですが、NASAで修行されたんですか?」
佐藤先生「そうです。私は今から12年前、1992年の春に博士論文を書き上げて学位をもらったんですが、そのあと5年間、アメリカで天文学武者修行をしました。最初の1年間はハワイ大学に、そこで知り合いになった研究者が、次にこっちへ来いというので、3年半、NASAで仕事をしました。」
生徒C「言葉は不自由しませんでしたか?」
佐藤先生「最初は天文学の話から出来るようになるんですね。ホームパーティーに呼ばれていろんなよもやま話が出来るようになったのは、後半の4年めくらいかな。それまでは、大分てこずってました。」
生徒D「ガーナ以外に天文台を作る予定はあったんですか?」
佐藤先生「漠然とアメリカかなと思ってたんですが、(信州大学の)榊原先生がいい方向へ振ってくれたので、考えて直してみた。今後、日本と、ガーナともう1台アメリカ西海岸につくれたら地球の真上から見たときに3等分したことになって、いつもどこかが夜の、眠らない天文台ができるんじゃないかなと思います。次のステップとしては、もう1つくらいあってもいいかなと思います。」

●講演会後の生徒の感想
・語り口がとても落ち着いていて、聞き取りやすかった。発表の姿勢が聴衆に向かっていて、メモなどは見ず行っていて感心した。自分たちもこれから天文学会ジュニアセッションで発表するので、あのように上手くやりたいと思った。
・ジョークを交えながらの発表で楽しかった。
・インターネット天文台の構築を通じてモノづくりの情熱を感じた。

●おわりに
 佐藤先生の万難を排して研究を進める姿勢に生徒は感銘を受けていたようである。参加した生徒の何人かは天文学会ジュニアセッションで発表することが決定しており、その生徒はプレゼンテーションとしての講演と位置づけながら聴講していたようである。その視点からも、しっかりと聴衆を見て反応を感じながら話す佐藤先生の語り口は大いに参考になったようである。

Topに戻る

【インターネット天文台を利用した研究】
●インターネット天文台を利用した継続観測

●インターネット天文台とは
 インターネット天文台とは、望遠鏡を収めるルーフを開くことから天体の導入、ピント合わせや撮像、そして観測終了後をルーフを閉じるに至るまで現地の人手を介することなく、完全にインターネットによる遠隔操作可能な天文台をいう。この開発は1998年に東京理科大と慶應高校の共同研究で開発が始まった。1999年に慶應高校の屋上に設置された1号機が稼働を始め、さまざまなシステムの改良を重ねながら現在に至る。
 インターネット天文台の利点として挙げられるのは、地球上のどこからでもインターネットが利用可能であれば、観測が可能であるということである。例えば、天気が悪く星が見えていなくとも、天気の良いところにあるインターネット天文台を利用すれば観測が可能だ。更に地球の裏側のインターネット天文台を利用すれば、昼間に夜の天体を観測することさえできる。もう少しスケールを小さくして考えてみると、望遠鏡まで行かなくても観測ができることが挙げられる。インターネットに接続されたコンピュータがあれば、不便な山中や、たくさんの階段を登った先にある望遠鏡まで赴かなくても観測ができるのである。これは、観測のバリアフリーと時間の効率化、両方の意味を持つ。時間の効率化ということで利点を挙げれば、インターネット天文台は完全無人運用が前提となっているため、基本的に観測装置の取り外しをしない。そのため観測環境の違いによる視野角の変化を気にする必要がなく、またほとんどの場合でピント合わせの必要が無いためそれらの調整のための時間を必要としない。

●継続観測に利用
 望遠鏡を利用した天体観測には、準備、観測装置の設置調整、後かたづけなど、細々とした作業が多くあり簡単に行うというわけにはなかなかいかない。殊に高校生が、研究活動として観測をする場合、正課の授業、クラブ活動など時間的な制約が多く手間と時間のかかる継続観測は敬遠することが多い。しかし、天文学の探究活動のテーマには、継続観測をすることで研究の価値が生じるものが少なくない。  そこで、上記のような利点を持つインターネット天文台を継続観測に利用した。対象は、3年文系選択地学V(天文)履修者である。この選択科目では生徒が二人程度からなるいくつかの班に分かれ、それぞれが自らテーマを設定して研究を進める。
 テーマ設定の遅れていた一つの班が、インターネット天文台を利用した継続観測を申し出た。研究テーマは「太陽黒点の移動から太陽の自転周期を求める」というものである。あらかじめ述べておくが、彼らは天文がマニア的に好きという訳ではなく、履修以前に望遠鏡もさわったこともない。数ある選択科目の中の一つとして選択地学Vを履修したに過ぎない。放課後は一人はクラブ活動で汗を流し、もう一人はアルバイトに精を出す、言ってみれば極めて普通の高校生である。

●太陽黒点から求める太陽の自転周期
 太陽黒点の継続観測は12月2日から始まった。インターネット天文台の操作は、すべてInternet Explorer などのWebブラウザで行う。選択地学Vの履修者たちは、実際の望遠鏡を操作した経験もあるが、インターネット天文台の操作にはまた違った手順が必要なため、簡単な、10分程度のインストラクションを行った。具体的には望遠鏡を操作するための認証確認、気象条件の確認、ルーフの解放指示、観測映像の表示方法、目的の天体の指定法、観測画像の保存方法などである。望遠鏡を操作した経験があればこの程度の説明でインターネット天文台を操作できるようになる。
 12月2日は、12時20分に4時限目が終了したとともに、生徒達が地学教員室を訪れ、前述のインストラクションを行った。その後、自らが操作をして太陽黒点の画像を取得した。その際に取得した画像からは太陽の光球面上にいくつかの黒点を見ることができる。この日の観測は初めてだったせいもあり、微動をして太陽を画面の中心に持ってくるのに苦労した。そのため5時限目の始まる13時の直前まで時間を要した。生徒が実際に観測を開始して、画像を得てルーフを閉じるなどの終了処理を終えるのに30分ほどかかったことになる。
 翌日から、年内の授業終了日の20日まで毎日、生徒達は昼休みに地学教員室に現れ、観測を続けた。曇天のため観測できない日もあったが、19日間の観測で11日分のデータを得ることができた。初日は時間がかかって昼食が摂れなかった彼らだが、日を経るごとに上達し、一週間もすると10分程度で観測を終えることができるようになった。
 得られた画像を見ると、黒点が光球面上を日ごとに移動していく様子が観察できる。生徒は、黒点の光球面上における位置をプリントアウトした画像を用いて計測し、その値を光球面の中心をそれぞれ0°とする緯度・経度に換算した。そして、移動する黒点をいくつかの同一と思われるものに分類し、その1日当たりの移動角度を求めた。その移動角度は地球の公転によって実際より小さい値になっているので、それを加味し太陽黒点の光球面上の移動速度、つまり太陽の自転速度を15.2°/日と求めた。この数値より得られる太陽の自転周期は、23.7日となる(詳細は論文集を参照)。

●インターネット天文台の利用による効果
 実際の自転周期は約25〜30日である。求められた値はやや小さいものではあるが、太陽の継続観測から自転周期を求めることに成功した。そのことは少なからず彼らを喜ばせた。自分たちの力で教科書に載っているような物理量を得ることができたのである。インターネット天文台を利用しない一般的な環境、つまり屋上に望遠鏡を設置し、カメラを取り付け、ピントなどを調整するなどしなくてはならないのなら、時間の限られた彼らには継続観測は不可能だったろう。このように連日、短時間で観測できる環境は継続観測を行う上で、その取りかかりを良くし、モチベーションを高めるのに有効だと考える。
 以下に、この研究を行った生徒の感想を記しておく。「インターネット天文台は、パソコンさえあればどこからでもアクセスでき、観たい星や惑星などが観測でき、今回の太陽黒点の観測には非常に役立った。黒点の様子もしっかり写し出されていて、一日一日の変化がよくわかった。その黒点の動きによって今回僕等は自転周期を求めることができた。」「画像の写り方を調整したり、画像同士を比較するのを考えると、インターネット天文台じゃなかったら継続観測は難しかったと思う。」

●反省点
 この研究では冬期休業に入る12月20日まで観測を行った。その後も自宅からインターネット天文台にアクセスして追加データが得られるように、利用許可を出しておいたのだが、生徒の自宅のコンピュータ環境が不安定なため自宅からの操作ができなかった。冬期休業に入る前から、自宅からのアクセスに関してアドバイスをしていればより長い連続データを得ることができたのだが、叶わず残念である。
 この研究で利用した当時、慶應高校のインターネット天文台で利用しているカメラの画質はあまり良くないものだった。更に静止画撮影機能が無く、解析用画像を得るにはディスプレイ画像のキャプチャをするしかなかった。しかし、15年度SSH事業で動画と静止画の撮れるSTVカメラを導入した。これによって、動画による臨場感ある観測と、高画質の静止画撮影が両立できることとなった。つまり継続観測の観測対象がより広がったといえる。この利点を来年度の研究に反映させていきたい。

Topに戻る


【生徒の学会発表】
●研究における発表の重要性
 15年度の3年文系選択地学V(天文)では、観測とそれによって得られたデータを解析し結論を得る研究体験を積極的に行うことを心がけた。それに加え、プレゼンテーションすること、つまり研究内容を論文化する、わかりやすく伝わるよう発表資料を作成する、そして実際に発表するということについても重視した。研究は、発表や論文化してはじめて意味を持ったものになると考えるからである。
天文学分野では、日本天文学会に高校生の研究発表の場である「ジュニアセッション」が2000年の春季年会から設けられた。全国的な研究発表の場が定常的に設けられているので、目標を持って準備をすることができるのも、この試みを行いやすくする要因であった。

●自分の考えを表現する
 研究した内容を、自分の言葉で書き表し、聴衆が理解できるよう楽しめるように話す、ということは並易しいことではない。まずは、自分の考えていることがらを、自分の言葉で表現する練習から始めた。この題材として国立天文台広報普及室が募集している「君が天文学者になる4日間」への一次審査に使われる応募作文を利用させていただいた。
このプログラムでは夏休みに高校生が三鷹の国立天文台に泊まり込み、観測計画立案から、望遠鏡使用のプロポーザル作成、観測結果のデータ処理、そして発表まで行う。このプログラムに参加するには、「私が知りたい宇宙の謎」という題で、800字程度の作文を作成し応募する。全国でわずか16名しか参加できないので、この作文によって審査をされる。
 選択地学Vの履修者に対して、このプログラムに参加する、しないに関わらず同様のテーマと文量で応募作文の作成を課した。この程度の文量で自分の持っている疑問を、その動機や背景を交えて述べるのはなかなか難しい。対象の天体や現象についての、ある程度科学的知識の裏付けがないとレベルの低いものになってしまうし、その説明を冗長に行ってしまうとそれだけで紙面が尽きてしまう。
 生徒は、ワープロソフトの「ワード」で作文を作成し、提出はメールにファイル添付で行うこととした。このことで、提出をしたらすぐにコメントをつけて再提出を促すことができるようになった。当初、提出された作文の添削を行っていると、「自分の考えを表現する」能力が極めて低いと感じさせられた。中には文章の多くの部分がインターネットからの引用で、ですますの統一もされておらず論旨がはっきりしないものさえあった。「何を言いたいのか」が不明確なまま単に文字を埋めているような印象を受けた。
 メールを使って(学校で用意した各自のアドレスの他に、自宅のアドレスにも返信をした)、コメントを返し、科学的な言及の誤りなどを指摘したり、論旨を明確にするようアドバイスを重ねた。生徒によってはほんの数時間で再提出してくるものもおり、一晩に3往復のメールのやりとりをしたこともあった。
 こうして、作文の基礎の学習を行い、それぞれの生徒がそれなりに読める作文を書き上げるに至ったが、指導する側にはかなりの時間を必要とした。慶應高校の生徒達は普段から多くのレポートを課されており、作文能力はかなりあるだろうと踏んでいたのだが、設問に対し答えるという形式ではないこのような自由記述ではかなりの国語力が要求され、対応できていないということがわかった。そして今後の研究内容の論文作成に同様にきめ細かい指導の重要性を感じさせた。
 12名の履修者のうち2名の生徒が、書き上げた作文で「君が天文学者になる4日間」に実際に応募をした。そのうちの1人が選考を通過し、夏休みに国立天文台の充実した観測装置を使い、天文学を学ぶ大学院生達の厳しい指導を受けながらの貴重な体験をすることができた。

●ジュニアセッション(愛媛大学)への参加
 平成15年5月7日に水星が太陽面を通過するという現象が起こった。この現象を利用して、地球の離れた2地点から同時観測を行い、太陽面上の水星の位置のズレから水星までの距離を求め、その値を用いて太陽までの距離(1天文単位)を求める試みを行った。この測定をするには、地球規模の遠隔地に共同観測者がいなくてはならない。そのため日本ハンズオンユニバース協会主催の共同観測会「Coming Mercury 2003」に参加をし、日本各地の中高校生や世界の研究者たちとの共同観測を計画した。また、指導教員の面識のある海外研究者にも生徒に英文でメールを書かせ、協力を要請した。
 当日は、曇っていたが現象の始まる直前に雲の切れ間から太陽が顔を見せ、水星太陽面通過の様子を撮影することができた。但し、1時間ほどで再び曇ってしまった。「Coming Mercury 2003」に参加した海外の協力者の一人からウィーンで撮影された画像の提供を受けた。ヨーロッパでは早朝の現象であったため、日本と同時刻に観測されたものがあるか心配だったが、慶應高校で撮影した最後の画像と、ウィーンの最初の画像の1組のみ同時刻のものを得られた。ともあれ、この2枚の画像を利用して解析をすることができた(詳細は論文集を参照)。その結果、1.38×108(km)という値を得ることができた。実際の値は1.50×108(km)であるので、かなり確からしい値が得られた。
 この観測と解析の様子を、日本天文学会秋季大会で行われたポスター発表のみのジュニアセッションで発表することとした。この発表のため生徒たちは夏休み中に数回、学校に集まり、ポスター製作を行った。生徒たちは自主的に構成を話し合い、分担を決めて製作に取りかかった。体裁もそんなに凝ったものではないので比較的短時間でポスターを完成させた。教員が行った指導も、提示する情報量を必要最低限にし、一見してわかるような構成を心がけることと、おかしな日本語表現を指摘した程度である。日程の関係上、学会会場へは行くことができず、ポスターを郵送して実行委員の方に貼っていただいた。ポスターは9月25〜27日の間、天文学会の会場に掲示された。

 本来のポスター発表であれば、その場にいて説明をしたり、さまざまなコメントを直接いただくことができ、「発表した」という実感を得ることができるのだが、その場に行かせられなかったのが残念である。ただし、メモ書きで研究者のコメントをいただくことができた。以下そのコメントのいくつかを挙げる。
 「実際に、この精度で値が得られるとはすごいです。来年の金星でもぜひ挑戦してください。」「理論値に近い値ですごいと思いますが、小さな値になった原因は何でしょうか。」「金星の時も観測してみてください。結果が楽しみです。」
 これらのコメントは、生徒にコピーをして渡した。彼らは天文学者からのメッセージに喜んでいた。

●日吉祭ポスター発表
 後期からは、2人ずつのいくつかの班に分かれて、研究計画を自ら立てて観測や解析を進める。その研究の中間発表の場として、慶應高校の学園祭である日吉祭を利用してポスター展示を行った。水星太陽面通過のポスターは既に授業で行ったことをまとめたため、比較的容易に作れたが、今回は自分で下調べから展開構成を考えねばならず、実際の製作に取りかかるまでは苦労した。生徒たちはグラフィカルな構成力については優れており、一旦構成が決まってしまえば、いろいろと工夫をしながら手際よくポスターの製作に当たった。中には発表の内容がよく伝わるように発泡スチロールでモデルを作って展示している班もあった。ポスターを作ることで聴衆を意識することができ、さらに自分たちが行っていることを整理する効果があった。

●研究の論文化、発表体験
 各班の研究課題は、ジュニアセッション春季大会への参加を念頭に行われた。観測・解析をしながら、論文化を進めていった。この作業の中で、データの数が少ないことで説得力に欠けると判断した班は追加観測を行い、データの補充を行った。年が明けた頃から、パワーポイントを使ったプレゼンテーションとその資料の作成の指導を始めた。特に強調したのは内容よりは、@聴衆を見ること Aはっきり喋ること B時間を守ること、の3点である。最終授業では各班の研究の発表会を行った。限られた時間に半期を費やして進めた研究についてまとめねばならず、情報量の絞り込みに苦労をしていた。それぞれの発表について、他の生徒はコメントシートに感想やプレゼンテーションの技術についての評価や改善点を書き込み、後でそのコメントシートを発表者に渡るようにし、ジュニアセッションでの発表の改善材料とした。論文作成は、授業終了後も引き続き行った。これもメールに添付ファイルで提出され、可能な限りコメントをした。しかしこの時期、生徒は学部推薦のかかった期末試験を控えており、論文作成に没頭できない状況であったため、生徒からの反応は活発ではなかった。

●ジュニアセッション(名古屋大学)への参加
 履修者の中から、3チーム4人の生徒が、3月22日から名古屋大学で行われる日本天文学会春季大会ジュニアセッションに応募をした。今回は、口頭発表のセッションが設定されている。ジュニアセッションとしては過去最高の26件の発表が申し込まれており、件数が多いため1件6分という短い発表時間だが、これまでの成果を示す場として口頭発表を選択した。それぞれの研究テーマは以下の通りである。
01 火星の公転半径と公転周期
14 月のクレーターの深さの求め方、及びその深さと直径の関係
15 水星の日面通過より1天文単位を求める
 生徒たちは春休み中に登校し、作成した論文をジュニアセッションの要項用に書き直した。プレゼンテーション資料も最終授業用のものからかなり手をかけて作り直した。プレゼンテーション技術について調べるなど、良い発表を行うための努力を自発的に行った。そして、実際に発表の練習を何度か行い、ジュニアセッションに臨んだ。
 ジュニアセッションの前日は宿泊先で最終発表練習を行った。その場でも、生徒どうしが改善点を指摘しあい、発表資料の改良を夜遅くまで行った。話す内容を資料にまとめることはさせたが、手元の資料を発表中に見ることはせずに、投影された映像か聴衆を見ながら発表するよう指導した。

 当日は会場の大教室が一杯になるほどの大盛況であった。おそらく天文学会の会場でもっとも聴衆の多いセッションであったろう。生徒達はその雰囲気に飲み込まれることなくしっかりと聴衆を見ながら発表することができた。
 ジュニアセッションに参加する生徒の一人から以下のような感想が得られた。「ジュニアセッションでは全国から集まった高校生や専門家の前で発表するので、やりがいと責任の両方を感じて研究することができた。」
 このように「発表を意識すること」、「発表の場が与えられること」で、研究の質を高めようとする動機付けとなり、より良い発表にすべく努力する様子が観察された。

Topに戻る

【結果と検証】

●興味度調査
 15年度4月の授業開始時と、1月の最終授業時にアンケート調査を行い、興味度の変化を調査した。天体観測、天体写真撮影、望遠鏡の操作、コンピュータ操作、宇宙論、宇宙開発、宇宙人探し、ブラックホール、ロケット、星座、星占い、プラネタリウムの12項目について、興味度を5段階(5点が高い興味度を示す)で調査した。
 この得点の平均値の推移を図3.27に示す。サンプル数が11(履修者12名に対し、最初の時間に1名欠席したため)と少ないので粗い調査になってしまったが、比較的大きな変化を示したのが、天体観測・宇宙論・宇宙人探しの3項目である。天体観測自体の興味を増すことはできたが、それに伴う写真撮影や望遠鏡操作、コンピュータ操作については変化がないか微減している。それに対し、宇宙論や宇宙人探しといった科学を利用した発展的な内容については、興味を増している。自ら研究を行うことで、道具としての天体望遠鏡や撮像自体の興味より、科学の内容自体に対する興味を増すことができたのではないだろうか。
 ただ、先に述べたとおりサンプル数が少ないため、t-検定を行ったところ、α<0.05の確率で有意差があると判定される項目は「宇宙人探し」についてのみであった。項目には非科学の代表として設定した「星占い」は事前事後とも低い興味度だった。もともと非科学に対する興味度の低い対象だったといえる。「宇宙人探し」に関しては、ぐんま天文台での系外惑星に関する学習する中で、地球以外の知的生命体探査が非科学ではなく十分に科学的な内容であるとの認識が浸透したためではないだろうか。
 研究体験や発表体験などの選択地学Vの目的と十分合致した項目を調査できなかったものの、発展的な内容について選択地学Vの取り組みによって興味を増すことができることを示せたのではないだろうか。

●生徒の感想から
 最終授業のアンケート調査の際に、授業全般の感想を書いてもらった。以下にそのいくつかを挙げる。
・とにかくいろいろな体験ができてよかった。天文学にふれることによって物事を考えるスケールが広くなった。
・得るものがたくさんあった。興味の幅が深く広くなった。ありがとう天文。
・色々な事を体験できて良かった!!(ぐんま天文台、インターネット天文台などなど)。コンピュータを使った授業はつらかったが観測など楽しいものだった。
・難しいことだらけで大変だったけど楽しかったです。
・面白かったです。かなり高度な内容をうまく吸収できたと思う。
・普通できない事ができないことができてよかったです!

 生徒の感想に頻出する「さまざまな体験」に対する評価がこの科目の取り組みを良く物語っている。高校3年生ながら文系の、言ってみれば科学から一歩足を引いた生徒を対象としても、体験的学習や発表体験、プロの研究者との交流などによって、興味関心を維持しながら科学を嫌いにさせずに、科学研究の面白さを感じてもらうことができたと言えるのではないだろうか。生徒に体験をさせるのには、指導者側にもそれなりの負荷がかかる。そのために使う時間もかなりなものとなる。しかしながら生徒を叱咤激励しながら、時には生徒に尻を叩かれながらああでもないこうでもないと試行錯誤しながら研究を進めた経験は貴重なものであった。創造性や独創性を育てる教育支援、言い換えれば本塾々長の提唱する「感動教育」と同義と認識しているが、それを行うには時間を惜しんでいては不可能であると強く感じた。
今年度の取り組みで創造性や独創性を育てる教育支援をするための基盤づくりはできたのだと感じる。来年度には、2年生のスーパーサイエンスTコースが新設され、理系に進むだろう生徒に対しても体験的学習を提供することができる。観測装置もより幅広い対象を扱えるように整備される予定なので、生徒の興味に即した対象を題材とした研究が可能になる。より高度な内容で、生徒達を鼓舞させることができるよう努力したい。

Topに戻る

お問い合わせ・サイトマップ (c)2005 Keio Senior High School. All Rights Reserved
Keio Senior Highschool お問い合わせ サイトマップ