昨日の記事「#2534. 記号 (sign) の種類 --- 目的による分類」 ([2016-04-04-1]) に続き,今日は村越 (15) より記号(サイン)の「伝える手段による分類」の図を示そう.
情報の受け手視覚に訴えかけるサインの種類の多いことがわかるが,実にサインの86パーセントを占めるという.村越 (16--17) によると,
その理由は,視覚が光を媒体にしていることから第三者に届く情報が,他の感覚器官より格段に早い,ということなのです(光速は秒速約30万キロ)。/この早い「視覚で」に「聴覚で」という(秒速約300メートル)声とか音を加えると,情報のほとんどすべてが「受け手」に伝えられることになります。音の伝わる早さが光に次ぐことから,ある意図したことを第三者に伝えようとする「情報の送り手」は,その手段として「受け手」の視聴覚に訴えることになるのです。
なお「視覚で」の「形」の「画像」を目的によってさらに下位分類すると,「美的表示」(抽象絵画,具象絵画,芸術写真,書)と「実用的表示」に分けられる.後者はさらに「対照即応的」なもの(写真,描写,地図,製図),「象徴的」なもの(シンボル,マーク,ピクトグラム,シグナル),「定性定量的」なもの(グラフ,ダイヤグラム,表)に区分されるという(村越,pp. 17--19).
関連して,ヒトの感覚器官とコミュニケーション手段の関係についての考察は「#1063. 人間の言語はなぜ音声に依存しているのか (1)」 ([2012-03-25-1]),「#1064. 人間の言語はなぜ音声に依存しているのか (2)」 ([2012-03-26-1]) の記事も要参照.
・ 村越 愛策 『絵で表す言葉の世界』 交通新聞社,2014年.
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