hellog〜英語史ブログ

#933. 近代英語期の英語話者人口の増加[statistics][demography]

2011-11-16

 英語話者人口については共時的,通時的な側面から demography のいくつかの記事で取り上げてきた.特に以下を参照.

 ・ [2009-10-17-1]: #173. ENL, ESL, EFL の話者人口
 ・ [2010-03-12-1]: #319. 英語話者人口の銀杏の葉モデル
 ・ [2010-05-07-1]: #375. 主要 ENL,ESL 国の人口増加率
 ・ [2010-06-15-1]: #414. language shift を考慮に入れた英語話者モデル
 ・ [2010-06-28-1]: #427. 英語話者の泡ぶくモデル

 通時的な英語話者人口の推移については,諸文献で様々な推測値が概数として挙げられている.[2010-03-12-1]の「銀杏の葉モデル」の図中に示されている数値もその一つである.値は大きく異ならないが,『英語史総合年表』に記されている概数をもとに,人口の推移グラフを作成してみた.1500年から1900年までの100年刻みでの人口統計である.

Growth of English Speaking Population from 1500 to 1900
YearEnglish-Speaking Population
1500about 5 million
1600about 6--7 million
1700about 8 million (including about 2 million that had emigrated to the New World)
180020--40 million
1900about 123 million


 19世紀の爆発的増加が視覚的に表わされている.そして,20世紀のさらなる爆発により,2000年の段階で,上のグラフの高さを10倍にしても足りないほどの話者数を示すことになる.現在,第2言語話者,外国語話者を合わせて,英語を話す人口は15--20億と推定されている.

 ・ 寺澤 芳雄,川崎 潔 編 『英語史総合年表?英語史・英語学史・英米文学史・外面史?』 研究社,1993年.

Referrer (Inside): [2013-09-04-1]

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