hellog ラジオ版の第7弾.当たり前すぎて,むしろほとんど誰も問わないのではないかという素朴な疑問ですが,よく考えると眠れなくなるほど不思議です.
日本語は伝統的に縦書きなので,私たちは,まずもってなぜ英語は横書きなのかという疑問を抱いてしかるべきです.百歩譲って横書きを容認するにせよ,次になぜ右から左ではなく左から右なのかという疑問が浮かんできます.というのは,過去にも現在にも,右から左に書く習慣をもつ書記体系がいくらでも存在するからです.
上記は取りとめもない疑問のように思いますが,これが実に奥深いのです.ということで,手軽な音声コンテンツを心がけると宣言しながら,10分を超える録音になってしまいました.ですが,ぜひ聴いてください.なんと最古の英文は右から左に書かれていたという,驚くべき事実があるのですから!
いかがでしたか.縦書きか横書きか,横書きだとしたら右から左なのか,左から右なのか.これは相当におもしろい問題です.
音声の後半で触れましたが,日本語にも戦前から戦中にかけて右から左への書字方向があり得ました.ここには興味深い社会言語学的な背景があったのですね.
種々の論点を含めて,関連する記事を挙げておきましょう.関心のある方は##572,2448,2449,2482,2483,2688の記事セットをご一読ください.英語史や言語学では,当たり前のことを掘り下げていくのが最もおもしろい,ということが分かったかと思います.
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