英語では,前置詞の後には名詞相当語句が来るというのが原則である.しかし,少数の例外があり,歴史的に説明されなければならない.例外の1つが標題の「for + (分詞を含め)形容詞」というつながりである.以下に例を挙げる.
- She seemed to take it for granted that I would go with her to New York.
- The soldier was given up for dead.
- I really want to go and see the film, but I don't think I'd pass for 18.
これは for の資格・特性の用法と呼べるものだが,機能としては as に近い.as が現在分詞を含め形容詞を目的語としてとる例は珍しくないので,for を理解するのに参考になる.
- I accepted the report as trustworthy.
- We regarded the document as belonging to her brother.
上に挙げた for に後続する形容詞は,[2011-05-07-1]の記事「熟語における形容詞の名詞用法」で触れたような形容詞の名詞用法ではなく,独立した確固たる形容詞と考えるべきであり,区別を要する.
Mustanoja が "equivalence" (379--80) と呼んだこの for の用法は,中英語にも見られ,現代の for certain, for sure, forsooth, for real などの慣用表現にもつながっている.
・ Mustanoja, T. F. A Middle English Syntax. Helsinki: Société Néophilologique, 1960.
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