hellog〜英語史ブログ

#245. 西暦2000年紀の英語流行語大賞[lexicology][loan_word][ads][she]

2009-12-28

 10年遅れの話題だが,年末ということで思い出したのでメモ.American Dialect Society では毎年,協会誌 American Speech にて英語の流行語大賞が発表されている.2000年には豪華なことに "1999 words of the year", "words of the decade", "words of the century", "words of the millennium" が一気に公表された.
 その年の流行語大賞がその一年の社会の変化を振り返るのにうってつけであるのと同様に,10年,100年,1000年というスパンでの「流行語」を顧みることは,社会の歴史を振り返るのにうってつけである.以下は,大賞にノミネートされた語句である.受賞語句には * を付してある.

・Words of the Decade

 e-
 ethnic cleansing
 * Web
 Franken --- Genetically modified, as in Frankenfood
 senior moment
 way --- very

・Words of the Century

 teenager
 * jazz
 T-shirt
 modern
 DNA
 media
 acronym
 teddy bear
 World War
 cool
 melting pot

・Words of the Millennium

 science
 freedom
 news
 justice
 truth
 nature
 history
 human
 book
 language
 go
 the
 government
 OK
 * she

 millennium の単位になると,ノミネートの基準も分かるような分からないような,である.語彙史的には,特に go, the, そして受賞した she が気になるところである.いずれもゲルマン系の超基本語であり,この形態・機能に落ち着くまでにある程度の時間のかかった語である.確かに歴史を背負った語といってよい.
 ちなみに "Words of the Millennium" にノミネートされた15語のうち,間違いなく英語の本来語といえるものは freedom, truth, book, go, the の5語のみであり,他は借用語である.このことは,1500年余の英語の語彙史を象徴しているように思える.

 ・American Speech 75.3 (2000): 323--24 (in "Among the New Words").

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