近年,語用論 (pragmatics) の研究で盛んになってきている分野の1つに,談話標識 (discourse_marker) がある.「#2041. 談話標識,間投詞,挿入詞」 ([2014-11-28-1]),「#3267. 談話標識とその形成経路」 ([2018-04-07-1]),「#3268. 談話標識のライフサイクルは短い」 ([2018-04-08-1]) を始めとするいくつかの記事で取り上げてきた.
英語の談話標識の事始めに,松尾 文子・廣瀬 浩三・西川 眞由美(編著)『英語談話標識用法辞典 43の基本ディスコース・マーカー』(研究社,2015年)を紹介しておきたい.
副題にある通り,43の具体的な談話標識が取り上げられ,各々の用法が詳述されています.本書の補遺には,談話標識についての充実した解説も含まれています(「談話標識研究の歩み」「談話標識についての基本的な考え方」「談話標識の機能的分類」).
43種の談話標識は以下の5つのカテゴリーに分かれています.いずれも談話において独特な用いられ方をする表現であることが感じられると思いますが,これこそが「談話標識」です.
[ 副詞的表現 ]
actually
anyway
besides
first(ly) [last(ly)]
however [nevertheless, nonetheless, still]
kind [sort] of
like
now
please
then
though
whatever
[ 前置詞句表現 ]
according to
after all
at last
at least
by the way
in fact
in other words
of course
on the other hand [on [to] the contrary]
[ 接続詞的表現 ]
and
but [yet]
plus
so
[ 間投詞的表現 ]
ah
huh
look
oh
okay
say
uh
well
why
yes/no
[ レキシカルフレイズ ]
I mean
if anything
if you don't mind
if you like
mind (you)
you know
you know what?
you see
・ 松尾 文子・廣瀬 浩三・西川 眞由美(編著) 『英語談話標識用法辞典 43の基本ディスコース・マーカー』 研究社,2015年.
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