先日発売された『英語教育』9月号に,英語史の近著『英語史を学び英語を学ぶ --- 英語の現在と過去の対話』(高橋 英光(著),開拓社)に関する拙論書評が掲載されました.
書評内で本書を「読む英語史演習」と表現しましたが,実際,読んでみると大学の英語史演習の授粟に参加しているかのような錯覚に陥ります.前半の第I部は英語史通史の入門というべき趣旨で,ざっと読むことができます.その補章としてOED入門の解説が施されており,初めてOEDに触るという学習者には有用です.
後半の第II部は,現代英語の諸問題を歴史的にみるという趣旨の内容で,とりわけ17,18章は著者が強調する認知言語学の視点からの記述で,文法変化と意味変化の話題が取り上げられています.
各章末には要領よくまとめられた「要約」が付されているのもポイントです.この「要約」のみを横に読んでいくという学習法もありだと思います.
全体的に,易しい英語史入門書という位置づけの書です.巻末の参考文献にはよく選ばれた論著が並んでいるので,芋づる式に読書していくとよいと思います.
・ 高橋 英光 『英語史を学び英語を学ぶ --- 英語の現在と過去の対話』 開拓社,2020年.
・ 堀田 隆一 「書評:高橋 英光 『英語史を学び英語を学ぶ --- 英語の現在と過去の対話』(開拓社)」 『英語教育』(大修館) 2020年9月号,2020年.93--94頁.
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