本年度前期,東京言語研究所の理論言語学講座の「史的言語学」部門を担当することになりました.講座概要 (PDF) で「英語史の概説を通じて,歴史的・通時的な言語の見方を身につける」と銘打っている通り,英語史と歴史言語学の入門講座です.5月14日(火)から毎週火曜日19:00?20:40の枠で10回の講義を予定しています.
また,5月からの講座開始に先立ち,英語史分野の導入という意味合いも込めて,来たる4月21日(日)の10:00?11:20に,単発の春期講座として,標題の通り「英語史の視点から英語を眺める」と題する話しをします.概要はこちら (PDF) に掲載されていますが,以下に再現します.
何年か英語を学んでいると,学び始めの頃に抱いていたような素朴な疑問が忘れ去られてしまうことが多いものです.なぜ A は「ア」ではなく「エイ」と読むのか,なぜ go の過去形は went なのか,なぜ動詞の3単現には -s がつくのか,英語とフランス語・ドイツ語はどのような関係にあるのか,なぜ英語は世界語となりえたのか等々.このような素朴な疑問を改めて思い起こし,あえて引っかかってゆき,まじめに考察するのが,歴史言語学の観点からみる英語学 --- 英語史 --- という分野です.
狙いとしては,4点を掲げます.(1) 現代英語の疑問点に歴史的な視点からアプローチする,(2) 英語史の概略を知る,(3) 英語学・言語学の考え方を学ぶ,(4) 歴史を通じて幅広い柔軟な英語観を形成する.
本講義では,素朴な疑問と英語史の相性の良さについて考察した後,英語史を概観します.続けて,綴字,発音,文法,語彙,英語方言やその他に関する素朴な疑問を取り上げながら,英語史的なものの見方・考え方を紹介します.
年度初めですし,まずは英語史という分野の楽しさを伝えることを最大の目標にします.
春期講座自体は4月20日(土),21日(日)の両日の開講で,2日間で全体として16の講座が用意されています.受講の申込締切日も迫ってきていますので,参加希望の方は東京言語研究所の HPよりお申込みください.
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