hellog〜英語史ブログ

#96. 英語とフランス語の素材を活かした 混種語 ( hybrid )[hybrid][suffix][french]

2009-08-01

 歴史上,多くの言語接触を経てきた英語には,語幹と接辞の語種の異なる派生語が多数存在する.このような語を混種語 ( hybrid ) というが,典型的なのは, (1) 語幹はフランス語だが接辞は本来語,(2) 語幹は本来語だが接辞はフランス語,の二通りのタイプである.以下の例では,フランス語部文を赤のイタリックにしてある.

 (1) colourless, commonly, courtship, dukedom, faintness, faithful, noblest, peacefully, preaching
 (2) enlightenment, fishery, goddess, hindrance, loveable, mileage, murderous, oddity

 (1) のタイプは14世紀ころから,(2) のタイプは14世紀後半ころから見られるようになった.特に (2) のタイプは,大量のフランス借用語に慣れてこその習慣と考えられるから,フランス語との接触が本格的に始まった12世紀以降,かなりの時間を経たのちに出現してきたということはうなずける.
 日本語の接尾辞にも,漢語由来の「〜的」や英語由来の「〜チック」などが和語の語幹に付加される例があるが,それは日本語が両言語と接触して久しいからといっていいだろう.

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