hellog〜英語史ブログ

#4367. 「英語の人名」の記事セット[personal_name][onomastics][christianity][hellog_entry_set][khelf_hel_intro_2021]

2021-04-11

 英語の人名に関するテーマは幅広く関心をもたれる.英語史の授業などで自由レポート課題を出すと,必ず複数の学生が人名に関するトピックを選ぶ.身近で具体的な名前だし,たいてい何らかの歴史的・語源的背景が隠されているので調査する甲斐がある,ということだろう.
 本ブログでも(英語の)人名について様々な記事で書いてきた.個別の具体的な名前に関する記事もあれば,もう少し抽象的に人名学や人名史の観点から書いた記事もある.以下の記事セットで少々整理してみた.

 ・ 「英語の人名」の記事セット

 記事セットのなかに「#2557. 英語のキラキラネーム,あるいはキラキラスペリング」 ([2016-04-27-1]) という記事があるが,これと関連して,「英語史導入企画2021」の一環として昨日学部生よりアップされた「キラキラネームのパイオニア?」のコンテンツもぜひ読まれたい.
 人名学 (anthroponymy) は地名学 (toponymy) とともに固有名詞学 (onomastics) を構成する分野である.人名について研究したいと思えば固有名詞そのものの特徴を理解する必要がある.一般名詞と比べて何が同じで何が異なるのか,という視点が重要だろう.本質的な差異の1つは,一般名詞は言語体系の内側にあるが,固有名詞はむしろ外側にある(あるいは外側を指向する)という点にあるといってよい.すると,固有名詞の特徴は,言語体系(内部)の特徴に照らして,浮き彫りにされるべき対象ということになる.つまり,人名学に深く分け入るに当たっては,同時に言語体系の何たるかをよく理解しておくこと(=まさに言語学の目標)が肝心である.
 英語の人名というテーマは,一見楽しく研究できそうに思われるかもしれないが,本格的に分け入ろうとするとなかなかの難物である.

Referrer (Inside): [2021-07-05-1]

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