今年度もゼミ生から卒業論文が提出された.今年度は以下の9本である.緩く分野別に並べてみた.
(1) 中英語期のフランス借用語の傾向について --- 宗教運動の盛衰という観点から ---
(2) フランス語における英語の借用とイギリスの時代背景
(3) 「神」を意味する言葉とその使い分け
(4) The Backgrounds of "Swear" --- Why It Has Double Meanings
(5) 意味の分解によるベーシック・イングリッシュの動詞表現の考察
(6) with にもたらされた多義性 --- コーパスを用いて fight with の意味分化を調査する ---
(7) 習慣・非習慣用法における黒人英語とアイルランド英語の関係性
(8) 英語商品名の総称化プロセスにおける Majuscule Loss について --- 社会背景を含めた考察 ---
(9) イギリスの階級と言葉 -- 日本の士農工商社会と比較して ---
社会言語学的な視点を含めた英語史の話題が比較的多かったように思う.ゼミの授業ではとりわけこのような視点に注目した内容を扱ったわけではなかったのだが,学生が関心を抱きやすいテーマなのだろう.語彙,意味,語法は例年人気のある分野で今年度も多かったが,音声や形態の研究はなかった.一方,私が綴字にこだわった年度だったためか,その関連で1本が提出された.○○英語を扱う World Englishes への関心は毎年続いており,今年もあった.近年の潮流となってきている歴史語用論の観点からの研究も1本出された.
2009年度以来の歴代卒論題目リスト集もどうぞ (##2065,1745,1379,973,608,266) .来年度もバリエーション豊かな話題に期待します!
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