2020年12月13日

ここでは，論文を提出する際に，チェックするポイントを解説します．なお，論文を書き始める前の企画書にあたるもの(論文プロポーザル)の書き方については，こちらを参照して下さい．また，論文を書く上でのコツについては，こちらを参照して下さい．

論文の体裁
話し言葉では困りますが，小難しい表現を使う必要はありません．簡潔な表現と必要最低限の図表で論文をまとめるようにして下さい．
1. 論文の構成はきちんと整っていますか？なお，論文は本ではないので「第×章」ではなく「第×節」という表現を用いて下さい．
2. 白黒印刷でしか受け付けられていない場合，白黒印刷でもきちんと読める状態になっていますか？（図に色を使いすぎていませんか？）
3. フォントや字の大きさは揃っていますか？（読みやすく見せると言うことも，論文を書くテクニックのひとつです．）英語の場合はスペル・チェックを終えましたか？
4. まず，論文のタイトル，要旨，節のタイトル，図表のタイトルをチェックしてみて下さい．論文の内容がつかめるようになっていますか？ページ番号はきちんと記されていますか？

はじめに(イントロダクション)
問題意識はきちんと書かれていますか？以下の4点がきちんと書かれているか再度確認して下さい．
5. どのような問題に注目していますか？
6. なぜその問題に取り組むのですか？
7. どうしてその問題が重要なのですか？
8. あなたの論文の新しいところは何ですか？オリジナリティは強調されていますか？

結論
次の二点が書かれているかを確認してみましょう．
9. 何を分析し，その結果，何が明らかになったのですか？
10. そこから導かれるメッセージ（論文を通じたあなたの主張）は何ですか？

本文の各段落
削ったからと言ってどこにも影響しそうにない部分は，削ってしまいましょう．削っても議論に全く影響しない部分は，論理の展開に関係ないか，あるいは重複した表現ということになります．いずれにしても，論文に含める意味はありません．
11. 段落の初めに（できる限り）その段落の主張が述べられていますか？言い換えれば，段落の最初を読み飛ばすだけで大まかな流れがわかるようにまとまっていますか？
12. ひとつの段落に複数の主張（メッセージ）が組み込まれていないでしょうか？また，同じ段落に重複した表現はありませんか？
13. 「しかし」，「だが」は非常に強い言葉であり，この言葉の直後に重要な発見や筆者の主張（メッセージ）が来ることが多いです．ひとつの段落で，何度も用いられていませんか？
14. 「私は...」という一人称で書かれている部分はありませんか？「...思う」，「...思われる」と言った主観的な表現が使われていませんか？

参考文献・図表
16. 本文で引用した参考文献はきちんとリストアップされていますか？同様に，参考文献リストにあるもののうち，本文で引用されていないものはありませんか？
17. 表記の仕方は問題ないですか？（→参考論文の書き方参照）
18. 英語の文献は著者の苗字（family name）でアルファベット順になっていますか？
19. 図表は必要最低限に押さえられていますか？もう削ることはできませんか？

最後のチェック
20. 名前・学部（研究科）・学年・学籍番号は書かれていますか？

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