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研究


原著論文

  1. Quantum Elliptic Calogero-Moser Systems from Gauge Origami
    • H.-Y. Chen, T. Kimura, and N. Lee
    • Preprint [arXiv:1908.04928]
    • ゲージ折り紙と呼ばれる高次元配位から楕円 2 重 Calogero-Moser 系を導いています.特に欠陥演算子を用いて構成した可換保存量が Dunkl 演算子の楕円 2 重拡張による構成と一致することを見ています.

  2. Web Construction of ABCDEFG and Affine Quiver Gauge Theories
    • T. Kimura and R.-D. Zhu
    • JHEP, to appear [arXiv:1907.02382]
    • ABCDEFG 型と (ひねり版を含む) アフィン型箙ゲージ理論を DIM (Ding-Iohara-Miki; 丁-庵原-三木)代数に基づいた web 図の手法で構成しました. それに伴って,異なる変形パラメータを繋ぐ様な繋絡作用素を導入しており,これは新種の位相的頂点を示唆しています.

  3. Twisted reduction of quiver W-algebras
    • T. Kimura and V. Pestun
    • Preprint [arXiv:1905.03865]
    • 5 次元・6 次元ゲージ理論の分配関数には 2 つの Ω 背景パラメータ q1,2 = eε1,2 が入りますが,その内の 1 つを 1 の冪根 exp(2πi/k) にする極限 ("ひねった" Nekrasov-Shatashvili 極限; NSk 極限) を調べました. これは q 変形 W 代数の古典極限に相当し,無限個の可換な保存量が生成されますが,通常の場合 (k = 1) で可換であったものが k > 1 にすると可換でなくなったりします.

  4. Super instanton counting and localization
    • T. Kimura and V. Pestun
    • Preprint [arXiv:1905.01513]
    • 超群ゲージ理論における反自己双対 Yang-Mills 接続としての超インスタントンと,それに伴う ADHM 構成,モジュライ空間,同変局所化,Seiberg-Witten 幾何と量子化,Bethe/ゲージ対応,ブレーン構成,などを議論しました.令和最初の連休中に投稿しました.

  5. Partition Functions of N = 1 Gauge Theories on S2 × R2ε and Duality
    • T. Kimura, J. Nian, and P. Zhao
    • Preprint [arXiv:1812.11188]
    • これまで 4 次元 N = 1 超対称ゲージ理論では超共形指数などの計算例がありましたが,今回は S2 × R2 上で N = 1 理論の分配関数を求めました.またそれに基づいて Seiberg 双対性のチェックや N = 2 理論の分配関数との関係を議論しました.

  6. Quantum mirror curve of periodic chain geometry
    • T. Kimura and Y. Sugimoto
    • JHEP 1904 (2019) 147 [link] [arXiv:1810.01885]
    • P1鎖幾何と呼ばれるクラスの Calabi-Yau 多様体とその楕円類似における位相的開弦振幅を求めました.また超幾何関数の q 類似・楕円類似で与えられる開弦振幅の満たす差分方程式として対応する B 模型ミラー曲線の量子化を議論しました.

  7. Conformal field theory analysis for QCD Kondo effect
    • T. Kimura and S. Ozaki
    • Phys. Rev. D99 (2019) 014040 [link] [arXiv:1806.06486]
    • QCD に起因する近藤効果の 1 次元有効模型を境界共形場理論 (BCFT) を用いて解析しました.有限密度系で磁場の有無によって Fermi 液体・非 Fermi 液体的な性質を示すことを議論しています.

  8. Quantum integrability from non-simply laced quiver gauge theory
    • H.-Y. Chen and T. Kimura
    • JHEP 1806 (2018) 165 [link] [arXiv:1805.01308]
    • 2 つの Ω 背景パラメータが非等価な non-simply-laced 型の箙ゲージ理論では,いわゆる Nekrasov-Shatashvili 極限が 2 通り考えられます.このそれぞれの極限下での量子可積分系との対応を議論しました.

  9. Fractional quiver W-algebras
    • T. Kimura and V. Pestun
    • Lett. Math. Phys. 108 (2018) 2425-2451 [link] [arXiv:1705.04410]
    • さらに前回の続きで, Ω 背景を使って non-simply-laced の箙ゲージ理論を定め,かつ対応するW代数を構成する話です.今回は GW 明けに投稿しました.

  10. Refined geometric transition and qq-characters
    • T. Kimura, H. Mori, and Y. Sugimoto
    • JHEP 1801 (2018) 025 [link] [arXiv:1705.03467]
    • ゲージ理論との比較から精緻化した場合の位相的弦理論 (refined topological string) における幾何転移において,精緻化版に特有の変数のシフトが必要であることを指摘しました.またその応用として qq 指標の位相的弦理論による構成を行いました.

  11. Edge-of-edge states
    • K. Hashimoto, T. Kimura, and X. Wu
    • Phys. Rev. B95 (2017) 165443 [link] [arXiv:1702.00624]
    • トポロジカル系において複数の境界条件を課したときに,境界条件の境界に局在する端々状態について議論しました.例として 3 次元の class AIII 系での実現可能性を示しています.

  12. Fermi/non-Fermi mixing in SU(N) Kondo effect
    • T. Kimura and S. Ozaki
    • J. Phys. Soc. Jpn. 86 (2017) 084703 [link] [arXiv:1611.07284]
    • 共形場理論の方法で近藤効果の解析をしています.多チャンネル SU(N) 系で特定の領域では基底状態(固定点)が非フェルミ液体で有限温度の励起がフェルミ液体的になることを示しました.それに伴ってウィルソン比がこの場合に普遍定数でなくなることも示しています.

  13. Quantum Monte Carlo simulation of topological phase transitions
    • A. Yamamoto and T. Kimura
    • Phys. Rev. B94 (2016) 245112 [link] [arXiv:1610.02154]
    • 量子モンテカルロ法で相互作用のある 2 次元・3 次元クラスA模型のトポロジカル相転移を調べました.特にクーロン型の長距離相互作用で,またトポロジカル数の振る舞いを直接見ています.

  14. Boundary Conditions of Weyl Semimetals
    • K. Hashimoto, T. Kimura, and X. Wu
    • PTEP (2017) 053I01 [link] [arXiv:1609.00884]
    • フェルミオン場の境界条件についての議論を 3 次元ワイル半金属に適用し,表面状態として現れるフェルミ弧の境界条件依存性を調べました.また 2 次元への次元縮約によってトポロジカル絶縁体の端状態についても境界条件の影響を見ています.あと境界条件を指定するパラメターを断熱的に動かすことによって得られるベリー位相から新しいトポロジー的構造についても提案しています.

  15. Quiver elliptic W-algebras
    • T. Kimura and V. Pestun
    • Lett. Math. Phys. 108 (2018) 1383-1405 [link] [arXiv:1608.04651]
    • 前の話の拡張版で,今度は 6 次元理論を使って W 代数の楕円変形を定めました.前回は大晦日,今回はお盆に公開です.

  16. Topological Number of Edge States
    • K. Hashimoto and T. Kimura
    • Phys. Rev. B93 (2016) 195166 [link] [arXiv:1602.05577]
    • 前の話に引き続いてNahm/ADHM構成を用いて,今度はトポロジカル系の端状態にトポロジカル数を定めようという話.フェルミオン場の境界条件の取り扱いがひとつポイントです.あとは非可換モノポールに付随したトポロジカル数を導入したりしました.

  17. Quiver W-algebras
    • T. Kimura and V. Pestun
    • Lett. Math. Phys. 108 (2018) 1351-1381 [link] [arXiv:1512.08533]
    • 箙ゲージ理論を使ってW代数を構成する話です.某年越し研究会での講演に間に合わせるべく年の瀬にがんばりました.

  18. 2d partition function in Ω-background and vortex/instanton correspondence
    • T. Fujimori, T. Kimura, M. Nitta, and K. Ohashi
    • JHEP 1512 (2015) 110 [link] [arXiv:1509.08630]
    • 2次元での Ω 背景における局所化の議論を再検討し,分配関数が組み合わせ論的な離散和による表示,および積分表示を持つこと,また有限の背景場を持つ場合に分配関数が満たす微分方程式が古典的な幾何の量子化として与えられること,などを示しました.さらに応用例として,2次元渦の世界面理論と4次元理論の分配関数が一致することを見ています.

  19. Band spectrum is D-brane
    • K. Hashimoto and T. Kimura
    • PTEP (2016) 013B04 [link] [arXiv:1509.04676]
    • トポロジカル絶縁体などのバンド構造がD-braneの形と同定出来ることをいくつかの例で示しました.特に非自明なトポロジカル数を持つBerry接続の構成法がソリトン構成法であるNahm/ADHM構成と同じ形をしているというところからの帰結です.また対称性を課すことでorientifoldを導入し,non-BPS状態にすることが出来ます.

  20. Transport Process in Multi-Junctions of Quantum Systems
    • T. Kimura and M. Murata
    • JHEP 1507 (2015) 072 [link] [arXiv:1505.05275]
    • 1次元量子系を複数個つなげたジャンクションにおける反射・透過の輸送係数を BCFT に基づいて導入し,いくつかの境界状態の例に対して反射・透過率を計算しました.ジャンクションの数に応じて,スピン反転現象が見られることを指摘しました.新しい境界状態の構成や,境界エントロピーへの応用も議論しています.

  21. Linking loops in ABJM and refined theory
    • T. Kimura
    • JHEP 1507 (2015) 030 [link] [arXiv:1503.01462]
    • 前回の論文の結果を拡張して,ABJM 理論においてループ演算子が複数個絡んでいる場合を考えました.特にループが2個・3個の場合にはそれぞれ対応する共形場理論における S 行列や演算子積係数としての解釈が可能で,ループ演算子が特定の表現を取る場合には位相的理論として満たすべき条件をこなしていることを示しました.また ABJM 理論の精密化 (refinement) についても議論し,同様にループ演算子をいくつか調べました.

  22. Duality and integrability of a supermatrix model with an external source
    • T. Kimura
    • PTEP (2014) 123A01 [link] [arXiv:1410.0680]
    • 外場のある超行列模型 (ランダム行列) について調べました.特に分配関数や特性多項式の期待値に対する行列式公式を導き,それに基づいて任意のポテンシャル関数を伴う場合に対して外場・特性多項式の双対性が成り立つことを示しています.また超行列積分が戸田格子方程式に対する τ 関数になっていることも示しました.

  23. Towards U(N|M) knot invariant from ABJM theory
    • B. Eynard and T. Kimura
    • Lett. Math. Phys. 107 (2017) 1027-1063 [link] [arXiv:1408.0010]
    • Jones 多項式などの結び目不変量は Chern-Simons 理論の Wilson loop 期待値として与えられますが,その超行列版である ABJM 理論に置き換えることで "超対称" な結び目不変量を定義しようという試みです.論文では自明な結び目とトーラス結び目の不変量に相当するものが超行列積分で与えられることに着目し,特定の表現に対しては超群 U(1|1) の行列式やその組み合せで表されることを示しました.

  24. Bulk Angular Momentum and Hall Viscosity in Chiral Superconductors
    • A. Shitade and T. Kimura
    • Phys. Rev. B90 (2014) 134510 [link] [arXiv:1407.1877]
    • 本論文では多脚場のゲージ構造に着目することで角運動量の Berry 位相公式を導出し,カイラル超伝導体への応用を議論しています.また同様に対応する輸送係数であるホール粘性についても2次元・3次元,零温度・有限温度で調べています.

  25. Current reflection and transmission at conformal defects: applying BCFT to transport process
    • T. Kimura and M. Murata
    • Nucl. Phys. B885 (2014) 266–279 [link] [arXiv:1402.6705]
    • 共形不変性を保つ欠陥 (Conformal Defect) におけるカレントの反射率・透過率を BCFT の立場から提案し,いくつかの簡単な例で具体的に計算しました.境界での張り合わせ条件を Virasoro でなく,保存カレントで考えるという話.また境界状態を使って境界 (不純物) エントロピーも出しています.

  26. Note on a duality of topological branes
    • T. Kimura
    • PTEP (2014) 103B04 [link] [arXiv:1401.0956]
    • 位相的弦理論のB模型には非コンパクトなブレーンの入れ方が2種類ありますが,それらがフーリエ変換で結びついていることを行列模型の特性多項式と外場の一般的な双対性に基づいて示しました.またこの2種類のブレーンを伴う場合の分配関数が1次元と2次元の戸田格子方程式を同時に満たす τ 関数になっていることも示しました.お誕生日に投稿しました.

  27. Towards holographic spintronics
    • K. Hashimoto, N. Iizuka, and T. Kimura
    • Phys. Rev. D91 (2015) 086003 [link] [arXiv:1304.3126]
    • ゲージ・重力対応 (AdS/CFT 対応) を用いたスピン輸送の解析を行いました.相対論的な場の理論において,スピン接続を用いることで角運動量についての保存流の導入が可能であることを示し,それを基に簡単な AdS 時空の模型で熱スピンホール伝導度の計算をしています.

  28. Phase structure of two-dimensional topological insulators by lattice strong coupling expansion
    • Y. Araki and T. Kimura
    • Phys. Rev. B87 (2013) 205440 [link] [arXiv:1303.1255]
    • Kane-Mele 模型における電子間相互作用の効果を格子ゲージ理論の強結合極限で調べました.スピン軌道相互作用項が格子フェルミオンで言うところの Wilson 項の働きをするので,Aoki 相に相当する相が現れます.この相はトポロジカルに自明な絶縁体相とトポロジカル相の間に現れ,また強磁性秩序の「傾き」のために NG モードの存在が示唆されます.

  29. Hofstadter problem in higher dimensions
    • T. Kimura
    • PTEP (2014) 103B05 [link] [arXiv:1210.6355]
    • 高次元での Hofstadter 問題について議論しました.その過程で,一般次元の π-flux 状態が格子フェルミオンの一種であるスタッガードフェルミオンと等価であることに着目し,その分散が gapless であることを示しました.また,非可換ゲージ場を用いると,4次元からでもスペクトルにフラクタル構造が現れることを見ています.

  30. Euler products beyond the boundary
    • T. Kimura, S. Koyama, and N. Kurokawa
    • Lett. Math. Phys. 104 (2014) 1–19 [link] [arXiv:1210.1216]
    • リーマン予想を含むより一般の枠組みである「深リーマン予想」について議論しています.従来は実部が 1 より小さい領域でのオイラー積はあまり考えられていませんでしたが,実部 1/2 の臨界線上でも意味の値を出すことが予想されます.沖縄での会議が発端でこの仕事に混ぜてもらいました.

  31. QCD phase diagram with two-flavor lattice fermion formulations
    • T. Misumi, T. Kimura, and A. Ohnishi
    • Phys. Rev. D86 (2012) 094505 [link] [arXiv:1206.1977]
    • Karsten-Wilczek 型の格子フェルミオンを用いた有限温度・密度 QCD の解析法についての提案を行いました.この格子フェルミオンは最小ダブリングという長所がある一方で,対称性が低いという難点がありましたが,有限密度では最も効率がよく,いわばジョーカー殺し的な役割が期待されます.

  32. Viscoelastic-electromagnetism and Hall viscosity
    • Y. Hidaka, Y. Hirono, T. Kimura, and Y. Minami
    • PTEP (2013) 013A02 [link] [arXiv:1206.0734]
    • 重力理論に基づいた粘弾性理論を提唱しました.いわば「重力で流体」の粘弾性版とも言えます.特に重力でもあまりスポットライトの当たらない捩率に注目することで,統一的な記述が可能になっています.またその応用としてホール粘性に対する Středa 公式を導出しました.

  33. Strong-coupling analysis of parity phase structure in staggered-Wilson fermions
    • T. Misumi, T. Z. Nakano, T. Kimura, and A. Ohnishi
    • Phys. Rev. D86 (2012) 034501 [link] [arXiv:1205.6545]
    • スタッガード・ウィルソンフェルミオンと呼ばれる新しいタイプの格子フェルミオンの強結合極限での解析を行って,その数値計算などへの応用可能性について論じました.単純にウィルソンフェルミオンを使うならば,こっちを使う方がお得だと思われます.

  34. Vortex counting from field theory
    • T. Fujimori, T. Kimura, M. Nitta, and K. Ohashi
    • JHEP 1206 (2012) 028 [link] [arXiv:1204.1968]
    • 非可換渦の分配関数を,場の理論の手法のみから数え上げを行うことで導出しました.特にモジュライ行列の各成分がモジュライ空間の座標として解釈出来ることに伴って,簡単に指標を読み取ることが出来ることを示しています.

  35. Spinless basis for spin-singlet FQH states
    • T. Kimura
    • Prog. Theor. Phys. 128 (2012) 829–843 [link] [arXiv:1201.1903]
    • 内部(スピン)自由度を持つ分数量子ホール系における一重項状態を,内部自由度なしで記述する方法について考察しています.スピン自由度のある Calogero-Sutherland 模型において議論されている Yangian Gelfand-Zetlin 基底の量子ホール系への応用になっています.

  36. Revisiting symmetries of lattice fermions via spin-flavor representation
    • T. Kimura, S. Komatsu, T. Misumi, T. Noumi, S. Torii, and S. Aoki
    • JHEP 1201 (2012) 048 [link] [arXiv:1111.0402]
    • spin-flavor 表示と呼ばれる格子フェルミオンの表示法に基づいて,格子フェルミオンの対称性について議論しました.また強結合極限で NG モードを解析し,その自発的な破れについても調べました.駒場での講義が発端となった論文.

  37. The chiral heat effect
    • T. Kimura and T. Nishioka
    • Prog. Theor. Phys. 127 (2012) 1009–1017 [link] [arXiv:1109.6331]
    • カイラル磁気効果(chiral magnetic effect)に対する有効作用として θ 項が得られますが,それを拡張して重力 θ 項を元にした場合を考えました.計量の時間成分のゆらぎが温度ゆらぎとして取り扱えることに対応して,熱流が垂直面内の温度ゆらぎから導かれる,という帰結を得ました.また捩率を含む場合のトポロジカル項についても考察しています.

  38. β-ensemble for toric orbifold partition function
    • T. Kimura
    • Prog. Theor. Phys. 127 (2012) 271–285 [link] [arXiv:1109.0004]
    • 前の論文の拡張として,一般の4次元オービフォルドの場合のインスタントン数え上げと,それに伴う行列模型を導出しています.β についても一般的な値を取ることが出来ます.キリ番を目指すもあえなく敗退.

  39. Vortices on orbifolds
    • T. Kimura and M. Nitta
    • JHEP 1109 (2011) 118 [link] [arXiv:1108.3563]
    • 2次元オービフォルド上の(非)可換量子渦について解析しました.BPS 方程式を取り扱うモジュライ行列の方法を用いて,モジュライ空間や量子渦の衝突などについて議論しています.また ALE 空間上の ADHM 法に類似の構造が見られることについても指摘しています.

  40. Matrix model from N = 2 orbifold partition function
    • T. Kimura
    • JHEP 1109 (2011) 015 [link] [arXiv:1105.6091]
    • オービフォルド(あるいは ALE 空間) 上の N = 2 超対称ゲージ理論について,分配関数の組合せ論的な表示から行列模型を導出しました.行列模型からスペクトル曲線として対応するゲージ理論の Seiberg-Witten 曲線を導出しています.その際に変形パラメータの 1 のべき根極限がオービフォルド射影に有効であることを示しました.また弦 / M 理論的な立場から2次元側に現れる CFT についても考察し,一般化された W 代数との関係についても議論しています.

  41. Aoki phases in the lattice Gross-Neveu model with flavored mass terms
    • M. Creutz, T. Kimura, and T. Misumi
    • Phys. Rev. D83 (2011) 094506 [link] [arXiv:1101.4239]
    • ダブラーを含む格子フェルミオンを用いた Gross-Neveu 模型の解析をしました.ウィルソンフェルミオンを用いた場合には Aoki 相と呼ばれるパリティの破れた相が現れますが,我々の場合もフレバー依存質量項を導入すると同様の現象が生じることを示しました.4次元 QCD でも同様の現象が生じることが期待され,ダブラーのある格子フェルミオンから始めて,自由度を1つにまで減らすことが出来ます.

  42. Index theorem and overlap formalism with naive and minimally doubled fermions
    • M. Creutz, T. Kimura, and T. Misumi
    • JHEP 1012 (2010) 041 [link] [arXiv:1011.0761]
    • ダブラーがある格子フェルミオンの指数を適切に拾う方法を提案しました.普通はダブラー間で指数が打ち消し合ってしまうのですが,ツイストした質量項を導入すると打ち消し合うことなく指数が現れます.またこれに関連したオーバーラップフェルミオンについても提案しています.

  43. Hall and spin Hall viscosity ratio in topological insulators
    • T. Kimura
    • Preprint [arXiv:1004.2688]
    • 非散逸な運動量輸送に対応する輸送係数であるホール粘性をディラックフェルミオンに対して調べました.またその結果をグラフェン系,トポロジカル絶縁体へ適用しています.特に後者においては状態密度が消えてしまい,素朴なホール粘性は well-defined でなくなってしまうので,1粒子状態に対応するホール粘性率を導入しました.また時間反転対称性のある系においてはスピンホール粘性という新しい物理量についても議論しています.

  44. Lattice fermions based on higher-dimensional hyperdiamond lattices
    • T. Kimura and T. Misumi
    • Prog. Theor. Phys. 123 (2010) 63–78 [link] [arXiv:0907.1371]
    • Creutz fermion などの,超ダイヤモンド格子上の格子フェルミオンの偶数次元一般化をしました.格子のベクトルの定め方が高次元だと少しやっかいという技術的な問題点はありますが,基本的な性質は4次元の場合と一緒だということを示しました.

  45. Character of lattice fermions based on the hyperdiamond lattice
    • T. Kimura and T. Misumi
    • Prog. Theor. Phys. 124 (2010) 415–432 [link] [arXiv:0907.3774]
    • 超ダイヤモンド格子上の格子フェルミオンについて調べました.格子の構造上,素朴に構成しようとすると非物理的なモードが現れてしまったりするので,いつくか条件が必要だということを主張しています.あとは新しい最小ダブリング作用も構成しました.修正版では議論が拡張されており,ある意味での Nielsen-Ninomiya の定理の反例が存在することを示しました.

  46. Vortex description of quantum Hall ferromagnets
    • T. Kimura
    • Int. J. Mod. Phys. A25 (2010) 993–1008 [link] [arXiv:0906.1764]
    • 非圧縮性流体(量子ホール状態)の有効理論である Chern-Simons matrix model の phase space と vortex の moduli space の対応に着目して,vortex 側から量子ホール状態,特に内部自由度のある場合の粒子状態を見るという話し.vortex 側は vortex world-sheet 上の場の理論を使っていて,その topological soliton (BPS state) が複合粒子状態などとして解釈出来ます.いわゆる wall-crossing になっています.

会議録

  1. Double quantization of Seiberg-Witten geometry and W-algebras
  2. Domain-wall, overlap, and topological insulators
  3. Phase structure of topological insulators by lattice strong-coupling expansion
    • Y. Araki, T. Kimura, A. Sekine, K. Nomura, and T. Z. Nakano
    • PoS: Lattice 2013 (2013) 050 [link] [arXiv:1311.3973]

  4. QCD Phase Diagram with two-flavor Lattice Fermion Formulations
  5. Strong coupling analysis of Aoki phase in Staggered-Wilson fermions
    • T. Z. Nakano, T. Misumi, T. Kimura, and A. Ohnishi
    • PoS: Lattice 2012 (2012) 203 [link] [arXiv:1210.6357]

  6. Index theorem and overlap formalism with naive and minimally doubled fermions
  7. Aoki phases in staggered-Wilson fermions
    • T. Misumi, M. Creutz, T. Kimua, T. Z. Nakano, and A. Ohnishi
    • PoS: Lattice 2011 (2011) 108 [link] [arXiv:1110.1231]]

  8. Classification and generalization of minimal-doubling actions

解説論文


書籍


競争的資金


講演発表