英作文のお供といえば『新編英和活用大辞典』(研究社)などを用いてきたが,中田 (125) で紹介されているオンラインツールの Just The Word なども素晴らしい使い勝手だ.適当な語を入力欄に入れて "combinations" のボタンを押すと,構文パターン別に頻度の高い collocation が表示されるという代物だ.さらに,適当な collocation をクリックすると,その例文が KWIC でいくつか示されるというから,至れり尽くせりだ.
Just The Word のもう1つの便利な使い途は,適切な英語表現を見つけようとする際のやり方である.「冗談を言う」に対応する英語表現を知りたいときに,半信半疑ながらも,まずは "say joke" と入力した上で "alternatives from thesaurus" をクリックしてみる.すると "say joke" は悪いコロケーションとして赤で表示されるが,その下に "tell joke" が良いコロケーションとして緑で表示されるのだ.そこをクリックすれば,やはり KWIC で "tell a joke" や "tell jokes" などの例文が多く得られる.
こちらの説明書きによれば,背後に控えているのは BNC のようだ.そして,コロケーションの「良さ」は T-score の数値に依存しているという(「#1283. 共起性の計算法」 ([2012-10-31-1])).
コーパスを用いた研究や技術の成果が,ここまで応用されているのかと驚くばかりである.
・ 中田 達也 『英単語学習の科学』 研究社,2019年.
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