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#1441. JACET 8000 等のベース辞書による語彙レベル分析ツール[lexicology][web_service][link][elt]

2013-04-07

 日本の英語教育の世界では,「JACET 8000」という語彙集がよく用いられる.各語に1--8の語彙レベルが付されており,英文テキストの難易度判定や教材研究・開発などに使われる.ほかにも,類似した目的で SVL12000 や WLC などの語彙集が存在するが,それぞれの特徴については,染谷泰正氏のベース辞書についてに,次のようにある.

JACET8000 は大学英語教育学会基本語改訂委員会が編纂した学習語彙リストで、「British National Corpus と日本人英語学習者の環境を踏まえて独自に作成されたサブコーパスに準拠し、かつ中高の教育現場の状況にも配慮」して作成されたもので、「日本人英語学習者のための科学的教育語彙表」として評価を得ています。詳しくは『大学英語教育学会基本語リストJACET List of 8000 Basic Words』(大学英語教育学会基本語改訂委員会/2003年)を参照してください。

SVL12000(「標準語彙水準12000」)は株式会社アルクが独自に開発した語彙リストで、「ネイティブスピーカーの「使用頻度」をベースにしながら、日本人学習者にとっての「有用性」「重要性」を考慮して編集」したもので、既存の学習語彙表ではカバーされていない上級?最上級レベルの語彙(Level 8 ? Level 12)が含まれているのが特徴です。

WLC ベース辞書 は「AWK による語彙レベル分布計測プログラム」(染谷 1998) において作成されたもので、ビジネス英語の分析用に特化した約35,000語の見出し語からなる語彙リストです。詳しくは ここを参照してください。なお、WLC ベース辞書で使用されている品詞タグの種類についてはここを参照してください。


 染谷氏の提供するオンライン版 Word Level Checker(英文語彙難易度解析プログラム)では,テキストボックスに英文を投げ込むと,語彙レベルごとのテキストカバー率を返してくれる.ベース辞書としては,JACET8000, SVL12000, WLC (Ver.02) のいずれかを選択することができる.
 特に JACEL 8000 をベースとした類似ツールとしては,JACET 8000 TOOLS からいくつかのものにアクセスできる.

 ・ JACET 8000 LEVEL ANALYZER: 英文を投げ込むと,単語を見出し語化したうえで語彙レベルごとのテキストカバー率を返してくれる.プログラムの仕様や使用例については,清水伸一氏による JACET 8000 付属CD-ROM のプログラムデータ使用法が参考になる.
 ・ JACET 8000 LEVEL MARKER: 英文を投げ込むと,各単語にレベルを表わすタグ (1--8) をつけてカラー表示してくれる.
 ・ JACET 8000 Measuring Vocabulary: 語彙力診断テスト.「#833. 語彙力診断テスト」 ([2011-08-08-1]) で紹介した Test Your Vocab も参照.

 関連して,その他の英語語彙頻度表については「#308. 現代英語の最頻英単語リスト」 ([2010-03-01-1]) を参照.

Referrer (Inside): [2013-08-11-1]

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