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statistics - hellog〜英語史ブログ

最終更新時間: 2026-05-30 05:46

2009-08-19 Wed

#114. 初期近代英語の借用語の起源と割合 [loan_word][lexicology][statistics][emode][renaissance]

 [2009-08-15-1]で現代英語の借用語彙の起源と割合をみたが,今回はその初期近代英語版を.といっても,もととなった数値データ(このページのHTMLソースを参照)はひ孫引き.ここまで他力本願だとせめて提示の仕方を工夫しなければと,Flash にしてみた.このグラフは,Wermser を参照した Görlach (167) を参照した Gelderen の表に基づいて作成したものである.

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 ここでカバーされている時代は,Görlach いわく,"exhibits the fastest growth of the vocabulary in the history of the English language" (136) であり,借用と造語を合わせて,語彙の成長速度がきわめて著しかった時代である.借用元言語としては,予想通りラテン語とフランス語が合計で8割以上となるが,注目したいのはこの時代を通じて着実に成長していたギリシャ語である.
 ルネッサンス ( Renaissance ) のもたらした新しい思想や科学,そして古典の復活により,ギリシャ語やラテン語に由来する無数の専門用語が英語に流入したためである.まさに時代の勢いに比例するかのように,英語の語彙が増大していたのである.

 ・Wermser, Richard. Statistische Studien zur Entwicklung des englischen Wortschatzes. Bern: Francke Verlag, 1976.
 ・Görlach, Manfred. Introduction to Early Modern English. Cambridge: CUP, 1991.
 ・Gelderen, Elly van. A History of the English Language. Amsterdam, John Benjamins, 2006. 178.

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2009-08-15 Sat

#110. 現代英語の借用語の起源と割合 [loan_word][lexicology][statistics][pde]

 現代英語の語彙が,世界の諸言語からの借用の上に成り立っていることは,英語史を学んだ者にはよく知られている.英語は歴史上,実に350以上の言語から語を借用してきており,その数は本来語の数よりも多い.
 語彙に関する統計は[2009-06-12-1]でも触れたように,決定版といえるようなものが見つけにくいが,借用語の起源と割合については,OED の第2版で調査した Hughes が参考になる.Hughes を参照して橋本功先生が作成した円グラフと同じものを,本ブログのためにリメイクしてみた.現代英語における借用語彙の全体を100%としたときの,各借用元言語の貢献の割合を示したものである.

Origins of PDE Loanwords


 フランス語とラテン語からの借用語については,言語的に類似している(親子関係にある)ため,どちらから入ったか区別のつかない例も多く,フランス・ラテン借用語としてまとめて扱われることが多い.足し算すると,英語の借用語のうち,実に52%がフランス・ラテン借用ということになる.英語の語彙に与えた両言語の影響の大きさは,この数値から容易に理解されよう.

 ・橋本 功 『英語史入門』 慶應義塾大学出版会,2005年. 90頁.
 ・Hughes, G. A History of English Words. Oxford: Blackwell, 2000.

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2009-06-12 Fri

#45. 英語語彙にまつわる数値 [lexicology][statistics]

 語彙の歴史を論じるとき,ある時代における本来語と借用語の分布であるとか,どの時代にいくつの新語が造られたかなど,数字の話になることが多い.英語の語彙にまつわる統計的調査はいろいろとなされているが,概説書間で異なる数値が引用されていたりして,全体として語彙に関する統計情報はまとまりを欠いているように思われる.そこで,中期的な計画として,様々な文献から数値を集めてはこのブログ上にメモとして蓄積してゆき,ときどき整理してゆくということを試みたい.
 以下に何点かを箇条書きで挙げるが,まとめていないのであしからず.

 ・古英語の語彙は約30000語 (Gelderen 73)
 ・古英語の語彙における借用語の比率は約3% (Culpeper 36)
 ・古英語の借用語の過半数はラテン語で,約450語を数える (Culpeper 36)

 ・北欧語からの借用語は約1000語 (Gelderen 97)
 ・北欧語からの借用語で,現代英語にまで残っているものは約1800語 (Culpeper 36)

 ・中英語期に借用されたフランス語単語は約10000語を越える (Culpeper 37)
 ・1066--1250年のフランス語借用は,1000語に満たない (Gelderen 99)

 ・16世紀だけで13000語ほどが借用されたが,そのうち7000語ほどがラテン語からである (Culpeper 37)
 ・ラテン語からの借用は,大陸時代に約170語,410年までのローマン・ブリテン時代に100語強,キリスト教伝来以降に150語,そしてルネサンス期に数千語が入った (Gelderen 93)

 ・現代英語の語彙における借用語の比率は約70% (Culpeper 36)
 ・過去50年で,英語への借用語の約8%が日本語からであり,約6%がアフリカ諸語である (Culpeper 38)
 ・現代において英語に加わる新語のうち,借用語は約4%にすぎず,他は既存の要素による造語である (Culpeper 38)

 今回の整理項目の典拠は以下の二冊:

 ・Culpeper, Jonathan. History of English. 2nd ed. London: Routledge, 2005.
 ・Gelderen, Elly van. A History of the English Language. Amsterdam, John Benjamins, 2006.

(後記 2010/05/09(Sun):古英語以来,本来語の80%が失われた可能性がある (Gelderen 73))

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