研究概要
わが国の公共図書館では、従来の貸出を基盤に据えたサービスモデルに代えて、市民の課題解決支援をめざすサービスのような新しいサービスを盛り込むことが可能となるような開かれたモデルの構築が求められている。利用者のニーズに応えるために図書館がサービスとして創出する価値が、利用者と図書館員、および図書館員相互によって共有されることを通じて、課題解決支援のような新規サービスは初めて人々に受け入れられ成長する。これまでの研究から得られた以上の理論的前提の下に、本研究では、公共図書館の利用者および図書館員に対するインタビュー調査によって、新規サービスが創出した価値が人々に共有されるための条件を明確にし、モデル化する。さらに、サービスを実施している公共図書館に対する質問紙調査により、モデルの有効性と適用可能性を検証する。対象とするのは公共図書館のビジネス支援サービスである。