慶應義塾大学理工学部物理学科 ナノマグノニクス研究領域

マグノニクス



  • ナノスケール磁性細線におけるスピン波伝送の研究
  • スピン軌道トルクによるスピン波伝送の変調の研究
  • スピン波演算素子(マグノントランジスタ)の研究開発
  • マグノン密度の時間発展の可視化
  • マグノニック結晶の創生
  • スピントルクナノオシレータによる局所スピン波励起の研究


磁性体におけるスピン波を自在にコントロールし、磁気波動の非線形ダイナミクスや干渉効果などの基礎物性を明らかにし、 革新的省エネルギーデバイスの基盤技術開発を目指す研究分野を「マグノニクス」と呼びます。 スピン波を量子力学的に扱い、粒子(マグノン)が伝搬すると考えると直感的にわかりやすいため、エレクトロニクスとの類似からマグノニクスと名称がつけられています。

マグノン量子凝縮



  • マグノンのパラメトリック励起の研究
  • マグノンボースアインシュタイン凝縮の時間発展の可視化
  • 磁気ソリトンの研究
  • 熱ーマグノン変換の研究


ボースアインシュタイン凝縮は量子多体効果の中でも非常に興味深い現象です。 マグノニクスが対象とするマグノンはボソンであり、巨視的凝縮体を形成すると指摘されています。 超伝導や超流動のように極低温でなくても、室温で生じる巨視的量子効果である可能性があり、 その付随現象は未解明です。我々はマグノン数を計測するBLS分光装置によって、この興味深い物理現象を研究しています。