戦うために知恵をつける

セクハラ被害から生き残るために知恵をつけましょう。いろいろな方法があります

  • 情報公開を求める

    国立大学や研究機関では法人文書の公開を行っています。その大学のトップページにある
    情報公開というところから「法人文書開示請求書」を印刷し、
    『○○教授の辞職に関する一切の書類を請求します』と書いて(開示の方法は郵送で)
    送ると、どんな書類が存在するかのリストが送られてきます。1通300円で請求できます。
    (一切のという言葉をいれておくと、向こうがどんな書類があるかを調べる義務が生じるらしい)
    これは本人よりも、周囲のサポーターの人達の仕事ですね。

    裁判の傍聴に行ってみよう

    裁判のやりかたについて知る

    獲得目標を設定する


    地球規模で考える
    キャッチフレーズを考えよう (キャットフレーズではありません <-- これ駄洒落)

    楽しく相手にダメージを

    健康ほど大事なものはありません。もしあなたがセクハラ被害による PTSD で苦しみ、
    失うものはもうないと思いつめているのなら、これほど強いことはありません。あなたは
    世界で最強です。苦しくても、職は絶対に辞めないで、相手に最大限の
    ダメージを与えることを考えましょう。辞めたり自殺したり相手を殺したりするのは、
    最後にとる手段です。その他に、あなたにもできることが、きっと何かあるはず。
    自分の可能性を信じて下さい。これまでの、2000年間の女性の苦難の歴史を考えて、
    何か前進させることをやってから、最後の手段を考えましょう。

    体力をつける
    体力が落ちているあなた、加害者より体力的に劣っていると思うあなた。体力をつ
    けましょう。セクハラは男女間の社会的な階層構造とともに、体力でも女が劣るという
    背景もあるので、自分に相手をなぐっても大丈夫なほどの体力や敏捷性がつけ
    ば、相手が怖いという感情が自然になくなるようです。たとえば相手とすれ違った時
    でも、なぐってやれると思えば怖くない。私の友達は空手の有段者ですが、セクハラ
    をした相手に「あんたなんか5分以内にのしてやる自信がある」と言ったら、
    相手の方が避けるようになったそうです。ははは。私も太極拳やエアロビやジムなど
    いろいろやって体力をつけてきました。何しろ杖をついていたころは体力ゼロでした
    から。被害が強いと、何をしていても意識がそっちに戻ってしまいますが、できるだけ
    体を動かして下さい。最近は女性むけの格闘技コースも流行っています。若い女性だけで
    なくおばさんもたくさん習いに通ってますので、考えてみましょう。(格闘技は足を
    つかう運動なので、体力がすごく落ちてしまった方は、まず体力をつけてからね。)

    研究者に材料を提供する
    あなたの体験を書いておきましょう。特に加害者の行動は綿密に記述すること。
    最近はフェミニズムの研究者が加害者研究に取り組んでいます。材料を提供するのは
    意義のあることです。加害者の異常な行動や組織から浮いているさま、(加害者が
    大学の先生なら)研究者としての能力の欠如とか人間性の欠落をあらわす出来事を
    集めておきましょう。加害者が自分の主張を書いて印刷してくれれば好都合です。
    科学史としても、日本ではなぜ女性研究者がこんなに少ないかの記録的価値は
    あります。50年後、100年後に残る記録資料だと思って書いて下さい。
    できれば何か印刷物として出版して、後世に残しましょう。


    大学が対処すべき課題 (日本の学術体制として考えるべきこと)

    セクハラ防止のための講習会などやって当然のことはここでは省きます。
    (といっても、うちの大学では最近10年間やってませんね)

    加害者の更生は不可能です。セクハラ加害者のための更生施設を作り、教育をほどこせば
    更生する(更生するまで社会に出さない)なんていうのは甘いです。ではどうしたらいいのか?

    私は加害者の名前は公表すべきだと思います。そして所属学会にも周知すべきです。
    (ただし加害者の名前を出すと被害者が傷つく場合を除く)。
    加害者が匿名のままでは被害を繰り返すことを防げません。大学は被害者を守るという名目で
    加害者名を匿名にすることが多いですが、もしその加害者が別の学生に被害を及ぼしたら、どう
    責任をとるのでしょうか。加害者が仮に大学をやめても、別の大学に再就職して、そこで
    加害することもあります。また、加害者と被害者が同じ分野の研究者であった場合、
    加害者が大学を去っても、同じ被害者に学会で嫌がらせを続けることもあります。学会事務所で
    働く女性への加害も防ぐことができません。

    被害者が学生の場合には、学費を返還すべきだと考えます。被害者が留学生の
    場合には、被害者の出身国や教育機関に加害者の名前と事件を知らせるべきです。

    被害者に謝る。これは最も大切なことです。早めに謝れば被害が拡大するのを防ぐことも
    でき、被害者の心の傷が大きくなることも防げ、したがって問題が必要以上に大きくなることもないのです。


    ケンカの仕方を学ぶ


    本屋さんにいけば、「ケンカに勝つ方法」がテーマの文庫本が沢山あります。
    あなたの周辺の管理職にものの道理のわかる人がいるなら、喧嘩をしかける方法なんて
    学ぶ必要はなく、上手に説得する方法だけを考えればいいでしょうが、ことセクハラ
    となると、ものの道理がわかる管理職は大学や研究機関には皆無に近いと思います。
    これらの本には、相手の出方を学ぶとか、必要以上に悲観しない・恐がらないなど
    大切な注意のほか、卑怯なやりかたまで載っているものもあります。著者により少し
    ずつ内容が違うので、自分に適したものをみつけて応用してみるのも手です
    (ただし全部をうのみにしないように)。

    これらの本には戦うためのヒントがいろいろ出ていますが、加害者と戦う
    ためには、相手が人間的に劣っている場合の対処の仕方が特に参考になるでしょう。
    でも、相手に合わせて人間的にレベルの低い戦いかたをすると、あなたの人格が
    傷つくので、要注意。

    リンク


  • 裁判所を見学する:公開されている裁判は自由に見学できます。
    大阪地方裁判所の法廷の内部 最初の裁判は地方裁判所の小法廷で小さな部屋です。
    ここにある解説は刑事裁判の場合ですが、民事裁判の場合は原告が左、被告は右側です。
    上の「スケッチしました」の冒頭にも民事の場合の説明があります(作成中)。
    相手は"裁判するぞ!"と脅してくるかもしれませんが、裁判所の様子がわかると、恐さが減ります。
    セクハラやアカハラの被害者が訴えている裁判を応援する会に入れてもらって、いっしょに
    勉強したり応援して経験を積んでおくと、様子もわかります。

  • SH裁判の判例 判例と解説 (労務安全情報センター)・ 判例集(谷田川知恵さんによるページ)
    この他にも、「セクシュアルハラスメント 裁判」などで検索するとたくさん出て来ます。
    女性のためのサポートハウスのような居場所を確保するための施設もあります。

    最後に

    加藤は残念ながら、相談にはのれません。ひどい被害に直面すると、いまだに
    フラッシュバックするからです。そのかわりに、私の体験をここに書きました。
    あなたのご健闘を信じています!ファイト!

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