本ページについて

『「あ」は「い」より大きい!?:音象徴で学ぶ音声学入門』の補足資料をまとめたページです。本書は2017年に単行本が、2024年に文庫版が出版されています。本で紹介したMRIビデオ、著作権が許される範囲での論文の公開、生データと分析ファイル、練習問題などを公開しています。本ページで言及されているページ番号は単行本に対応しています。

文庫版についての注意書き

文庫版(だいわ文庫、2024)では、ページ数(=定価)をおさえるために、単行本バージョンの第5章がカットされています。また、練習問題と参考文献は、こちらのページに移動させました。

・参考文献
・練習問題

ブラウザ上で視聴できない動画がある場合は、YouTube上にあるプレイリストもご覧下さい

・『音とことばのふしぎな世界』
・川原繁人の音声学入門(基礎編)

発刊後に出版された論文

幸いなこと2017年の単行本発行後、興味を持ってくれた学生が取り組んだプロジェクトによって、新たな音象徴パターンが明らかになってきました。ここにリストをまとめておきます。発見者の敬称は略させて頂きます。

  • 宝塚の役名に共鳴音が増えるほど、娘役の名前として使われる確率があがる。論文。(発見者:勝田 浩令)

  • AKBのニックネームにおいて、繰り返しが起こる場合(「ぱるる」など)、共鳴音が繰り返されやすい。論文(発見者:勝田 浩令)

  • 英語のディズニーの悪役には濁音が多い。(発見者:細川 雄太)論文(引用の際はご確認ください。)

  • 妖怪ウォッチのオリジナルの妖怪名(のみ)を分析すると、濁音の数と攻撃力に正の相関がある。紹介論文(発見者:能登 敦)

  • オムツにはやっぱり両唇音。論文はこちら(発見者:熊谷学而)

  • プリキュアの名前には両唇音が多く使われる。論文(発見者:川原 繁人)

  • プリキュアの名前には「ラ行」が多く使われる。論文はこちら(発見者:川原 繁人、こちらも参照。)

  • ブルボンのお菓子の名前には「ラ行」が多い。(ネット記事、こちら

  • ポケモンの技名においても、長さと強さが相関する。論文(発見者:鈴木 成典)

  • 妖精タイプのポケモンには両唇音が多く、悪役タイプのポケモンには濁音が多い。論文はこちら(発見者:細川 雄太 他)

  • その他ポケモンにおける音象徴の役割は学生を始め多くの新しい発見がありました。おすすめ論文はこちら

  • ポケモン研究の発展外観図

  • ポケモン研究の概観論文(英語です)

  • デジモンにおいて進化レベルと「名前の長さ」「濁音の数」が相関する。(発見者:Kazuaki Yoshitake)ポスター

  • FFの呪文のレベルに関しては、濁音の数の影響はありそうだが、名前の長さは関係ない。(発見者:Takuya Matsuhashi)ポスター

  • モンハンにおけるモンスターの体長は、名前の長さと相関するが、濁音の影響は認められない。(発見者:Hiromu Tanji)ポスター

音声ファイル

促音濁音のアラビア語と日本語の比較(第4章, p.107, 音声は一部変えてあります)。



アラビア語:

日本語:

メイド声のサンプル(第5章, p.141)。



萌声:

地声:

ツン声:

MRIビデオで調音点を確認!(p.46)

/b/ in “bat”


/d/ in “dirt”


/k/ in “cutter”


母音の舌の位置をキャンディで確認してみよう!(p.68-69)

「あ」と「い」を比べてみよう


「あ」、「え」、「い」を比べてみよう


「い」と「う」を比べてみよう

その他のビデオ

歯磨きで第二フォルマントを聞く(第3章, p.79)


空間の長さと共鳴する音の高さの相関(第3章, p.89)


濁音発声時の喉頭(喉仏)の下降(第4章, p.102)


濁音発声時の口腔の広がりをほっぺたで感じみよう(第4章, p.103)


/r/ in “right” (巻き舌の舌の動き, p.182)


ダウロード可能論文

川原繁人・桃生朋子 (2018) 音象徴で言語学を教える: 具体的成果の紹介を通して. Southern Review 32: 3-14.

<川原繁人・桃生朋子 (2017) 音象徴の言語学教育での有効利用に向けて: 『ウルトラマン』の怪獣名と音象徴. 音声研究 21(2): 43-49.

Kawahara, Shigeto, Atsushi Noto, and Gakuji Kumagai (2018) Sound symbolic patterns in Pokémon names. Phonetica 75(3): 219-244. (This paper is Open Access.)

熊谷学而・川原繁人 (2019) ポケモン名付けにおける母音と有声阻害音効果: 実験と理論からアプローチ. 言語研究 155.

Kawahara, Shigeto and Gakuji Kumagai (2019) Expressing Evolution in Pokemon Names: Experimental Explorations. Journal of Japanese Linguistics.

川原繁人 (2017) ドラゴンクエストの呪文における音象徴: 音声学の広がりを目指して. 音声研究 21(2): 38-42.

川原繁人 (2017) 音そのものに意味はあるのか---ポケモンから考える「音とことばのふしぎな世界」. Wired. 記事へのリンク

Kawahara, Shigeto (2016) The prosodic features of “tsun” and “moe” voices. Journal of the Phonetic Society of Japan 20(2): 102-110.

Shinohara, Kazuko and Kawahara, Shigeto (2016) A cross-linguistic study of sound symbolism: The images of size. The proceedings of BLS 36: 396-410. Berkeley Linguistic Society: Berkeley.

Shinohara, Kazuko, Naoto Yamauchi, Shigeto Kawahara, and Hideyuki Tanaka (2016) Takete and maluma in action: A cross-modal relationship between gestures and sounds. PLOS ONE. Go to the publication page.

Kawahara, Shigeto, Kazuko Shinohara and Joseph Grady (2015) Iconic inferences about personality: From sounds and shapes. In Masako K. Hiraga, William J. Herlofsky, Kazuko Shinohara and Kimi Akita (eds.) Iconicity: East meets west. John Benjamins: Amsterdam. pp. 57-69.

川原繁人 (2013)メイド文化と音声学.メイドカフェ批評.たかとら(編): 112-121. オリジナル原稿(専門的な議論あり), 編集済み原稿(新書風)

Shinohara, Kazuko and Kawahara, Shigeto (2013) The sound symbolic nature of Japanese maid names. The proceedings of JCLA 13. Japan Cognitive Linguistics Association. pp. 183-193.

Brent Berlin (2013) 動物名称にみられる共感覚的音象徴. 訳, 篠原和子・川原繁人. 篠原和子・宇野良子 (編) オノマトペ研究の射程ー近づく音と意味。pp. 17-42. ひつじ書房:東京。

篠原和子・川原繁人 (2013) 音象徴の言語普遍性:「大きさのイメージをもとに. 篠原和子・宇野良子 (編) オノマトペ研究の射程ー近づく音と意味。pp. 43-57. ひつじ書房:東京。

Kawahara, Shigeto and Kazuko Shinohara (2012) A tripartite trans-modal relationship among sounds, shapes and emotions: A case of abrupt modulation. In. N. Miyake, D. Peebles and R. P. Cooper (eds.) The Proceedings of the 34th Annual Meeting of the Cognitive Science Society. Austin: Cognitive Science Society. pp. 569-574.

Kawahara, Shigeto, Kazuko Shinohara and Yumi Uchimoto (2008) A positional effect in sound symbolism: An experimental study. Proceedings of the 8th meeting of Japan Cognitive Linguistics Association.

Kawahara, Shigeto and Kazuko Shinohara (2008) A cross-linguistic study of sound symbolism: the case of voicing. A poster presented at Language, Communication, and Cognition. Brighton University.

Kish, C., Korostoff, S. & Pangilinan, M. (2012) Obstruents and Masculinity: Shapes, names, and physiology.

Marron, M. (2012) The Effect of Sound Symbolism on Gender Cues For New Brand Names. Honor’s Thesis, Rutgers University.

参考リンク集

生データ公開

 

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