「#4518. OALD10 の世界英語のレーベル15種」 ([2021-09-09-1]) でも紹介したが,昨年 Oxford Advanced Learner's Dictionary of Current English (通称 OALD)の第10版が出版された.改訂とともに進化し続けるこの辞書のファンの1人としては,辞書本文以上に付録的な部分にも注目してしまうのだが,関連して Oxford 3000, Oxford 5000, OPAL と呼ばれる英語学習・教育上の有用な語彙一覧を紹介したい.OALD10 の x--xi に各々の解説がある.
・ The Oxford 3000TM
20億語からなる巨大な The Oxford English Corpus における生起頻度に基づいた,英語学習者を意識して編まれた英単語3000個の一覧.同コーパスは,イギリス英語とアメリカ英語のみならず世界英語を網羅している.最頻2000語で英語テキストの8割の語彙をカバーしているともいわれるが,この3000語の一覧は CEFR (= Common European Framework of Reference) の A1 から B2 までの水準を念頭においた頼りになるリストだ.こちらより一覧をダウンロードできる.
・ The Oxford 5000TM
The Oxford 3000 よりも水準の高い,CEFR の B2 から C1 までの語彙を含めた拡張版の単語一覧.上記と同様こちらから一覧にアクセスできる.
・ The Oxford Phrasal Academic LexiconTM
"OPAL" と略称されている,学術英語 (English for Academic Purposes) に有用な語彙.大学の講義,セミナー,レポート,卒論などの英語を念頭に編まれた単語一覧である.この一覧は,書き言葉コーパス The Oxford Corpus of Academic English (= OCAE) と話し言葉コーパス The British Academic Spoken English (= BASE) をソースとしたキーワード (keyword) 分析に基づくもので,学術英語の習得に役立つ単語一覧である.こちらからアクセスできる.
昨今の英語学習・教育は実に統計的・科学的になっているなあと感心するばかりだが,英語学・英語史のアカデミックな研究においても語彙の頻度情報というのは基本事項であるから,おおいに活用したい.
・ Oxford Advanced Learner's Dictionary of Current English. 10th ed. Ed. A. S. Hornby. Oxford: Oxford UP, 2020.
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