第10回授業内容


Excelの利用(2)

数式の使用

数式の作成

 数式を作成すると、数値データや日付データを計算できる。数式は、先頭に「=(イコール)」を入力し「=A1+B1」や「=A1*0.05}のように、セル参照や演算子、数値を使用して作成する。数式にセル番地を指定することを「セル参照」という。基本的に数式は全て半角で入力する。

 計算に使用できる記号を「演算子」という。Excelで使用する基本的な演算子は、+(加算)、-(減算)、*(乗算)、/(除算)、%(パーセント)、^(べき乗)などである。

数式の修正

 数式を修正するには、数式の入力されているセルをダブルクリックする。セルから抜け出るにはEscキーを押す。

数式の優先順位

 1つの数式の中に複数の演算子がある場合、演算子ごとに指定された順序にしたがって計算される。乗算や除算は加算と減算より先に計算される。同じレベルの演算子の場合、左側から順番に計算される。計算順序を変更するには、最初に計算する数式をかっこで囲む。

セル参照の種類とコピー

 セルの参照を使用した数式には、(1)セルの数値が変更された場合、数式の結果も自動的に修正される、(2)数式をコピーすると、コピー先に応じて参照セルが自動的に調整される、というメリットがある。セル参照には「相対参照」と「絶対参照」、「複合参照」があり目的に応じて使い分ける。

相対参照

 相対参照では、数式が入力されたセルをコピーすると、コピー先のセル参照は自動的に調整される。たとえば、セルD2に数式「=B2*C2」と入力してオートフィルを実行すると、数式は以下のようにコピー先に応じて数式のセル参照が移動する。


絶対参照

 絶対参照では、数式が入力されたセルをコピーしても、コピー先のセル参照は変更されずに固定される。セルを絶対参照にするには、行番号と列番号の前に「$」をつける。たとえば、セルC4に数式「=B4*$C$1」と入力してオートフィルを実行すると、「$」をつけたセルはコピーしても参照先が固定されて移動しない。「$」は直接入力するか、参照先セルを選択した直後にF4キーを押す。


複合参照

 複合参照は、行または列だけを固定したセル参照。「$A1」や「A$1]のように行番号または列番号の前に「$」をつける。F4キーを1回押すと絶対参照、2回押すと行だけ固定、3回押すと列だけ固定、4回押すと相対参照になり、回数によって切り替えることができる。

形式を選択して貼り付け

 コピーしたデータを貼り付けるときに、コピー元の書式を保持したまま貼り付けたり、行と列を入れ替えて貼り付けたりなど、貼り付ける形式を指定することができる。

 あらかじめコピーをしておき、コピー先のセルを選択して、「ホーム」 → 「クリップボード」 → 「貼り付け」のプルダウン → 「形式を選択して貼り付け」

相対参照と絶対参照

次のブック(エクセルファイル)をダウンロードして、保存し(名前を変える必要はない)、開き、以下の操作を行いなさい。    参照



関数の使用

 関数を使用すると、計算に必要な情報を指定するだけで、計算結果を求めることができる。関数とは、Excelであらかじめ定義されている数式で、「=関数名(引数)」の体裁をとる(引数とは、計算に必要な情報。使用する関数によって引数の数や種類は異なる)。 引数にはセル参照を使用することが多く、単独のセルだけではなく複数のセルを参照できる。複数セルの選択は、キーボードから入力したり、マウスでドラッグしたりする方法がある。「数式」 → 「関数ライブラリ」 → 「関数の挿入」から全ての関数を選択可能。

Σ(オートSUM)ボタンによる関数の使用

 一般的によく利用するいくつかの関数はオートSUMボタンとしてまとめられている。「数式」タブ → 「関数ライブラリ」 → 「オートSUM」



セル範囲を指定した入力

 セル範囲をキーボードで選択することができる。連続する範囲は「A1:A10」のように「:(コロン)」で区切って先頭セルと最終セルを指定する。離れた範囲は「A1, A10」のように「,(カンマ)」で区切って選択する。

マウスを使用したセル範囲の指定

 セルはマウスをドラッグして選択することもできる。

練習1

次のブック(エクセルファイル)をダウンロードして保存し(名前を変える必要はない)、開き、以下の操作を行いなさい。    数式、関数および参照



グラフの作成

グラフの作成

 ワークシートに入力されたデータをもとに、グラフを作成できる。グラフのもとになるデータが入力されたセル範囲を選択し、グラフを作成する。

 データ範囲を選択し、「挿入」タブ → 「グラフ」グループ → 「縦棒」「折れ線」など。コンテキストタブから図の書式、レイアウトを変更可能。

練習2

次のブック(エクセルファイル)をダウンロード、「学籍番号_名前」に名前を変更して保存し、開き、以下の操作を行いなさい。    ファーストフード成分表(エクセル)

  • 置換を利用して"Kentucky Fried Chicken"を"KFC"に、また文字色を黒にしなさい

  • フッターにページ番号を挿入しなさい。

  • A列に列挿入、1行目に行挿入し"商品名"がB2から始まるように移動しなさい。

  • 空白になったA列に商品の通し番号を振りなさい。

  • 各列の幅を最適化しなさい。エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物の列は等しく揃えること。


練習3

次の順に解答しなさい。
  • Sheet1の成分表に格子の罫線を設定しなさい。

  • 1行目のセルは結合して、1行目に表の題名「表1 ファストフード店の成分比較」を書きなさい。セルのスタイルは「タイトル」を適用しなさい。

  • Sheet1全体を中央揃えにしなさい。

  • 2行目のセルの色を「アクア、アクセント5、黒+基本色50%」に、文字の色を白に設定しなさい。

  • 印刷の向きを「横」に変更しなさい。各店の商品の境で改ページを挿入しなさい。

  • 1行目と2行目をタイトル行に設定し、印刷プレビュー2ページ目以降にもタイトル行が設定されていることを確認しなさい。各店の商品がそれぞれ1枚の用紙に収まるようにする。もし行が印刷の際に途中で切れてしまうならば、余白を調整して収まるようにする。




練習4

次の順に解答しなさい。
  • Sheet1「店名」のセルの右隣からH列に「タンパク質×4」、I列に「脂質×9」、J列に「炭水化物×4」、K列に「カロリー推定」、L列に「カロリー差分」と記入しなさい。 各列の計算をすべての商品について行いなさい(H、I、J列はそれぞれ積を求める。「カロリー推定」列は、セルH + I + J、「カロリー差分」はC - Kの絶対値(ABS関数を利用する))。

  • C,D,E,F列、及び、H,I,J列を非表示にしなさい。

  • Sheet2のA3~A8に各社の名前を記入しなさい。B2に「平均値」、C2に「標準偏差」、D2に「データの個数」、E2に「標準誤差」と記入し、B3からE8までのセルに各社のカロリー差分の平均値と標準偏差、データの個数、標準誤差を求めなさい。平均値の関数は「AVERAGE」、標準偏差は「STDEV.S」、データの個数は「COUNT」、標準誤差は「標準偏差/(データ個数の平方根)」(平方根はSQRT関数)を使用すること。それぞれ少数第3位まで求めること。

  • Sheet2の1行目に表タイトル「表2 各社のカロリー公表値と推定値の差」と記入し、セルを結合し、Sheet2全体を中央揃えにしなさい。

  • Sheet2の表から図1を作成しなさい。書式はなるべく合わせること。棒グラフは求めた平均値、誤差範囲には求めた標準誤差を利用しなさい。