第3回の授業内容と学習目標
講義+実習:メールの仕組みとマナー
送受信の仕組み
宛先の種類と使い分け
「キュー・レス・メディア」としての特徴と留意点
世代によるメール文化の相違と基本姿勢
講義+実習:Googleドライブの利用
Googleドライブのドキュメント機能の利用方法
Googleドライブ上での共有機能の利用方法
メールの仕組みとマナー
送受信の仕組み
プロバイダ(ISP)の
メールサーバ相互間で、インターネットを介して
送受信される。
送信者のPC→送信者が加入するプロバイダ(ISP)のメールサーバ→受信者が加入するプロバイダ(ISP)のメールサーバ→受信者のPC
受信は、受信者によるサーバ上の「私書箱」の中身の確認
に当たる。
相手が受信作業をして初めて届く(携帯・スマホはこの作業を自動的に行ってくれている)。
「送る」作業と「受信する」作業のどこかで(あるいは両方で)トラブルがあると届かない(送れない)。
今回の授業では、ある程度一般性があると思われるマナーを説明する。しかし、世代や業界・分野・ネットへの接続方法によって異なる部分がある。
今後も流動的である。
メール利用上の留意点@:「キュー・レス・メディア」としての特徴
特徴
文字情報だけによるコミュニケーションである。手掛かり(キュー)がない・少ない(レス)。
対面的コミュニケーションにおいては表情・抑揚・それまでのやりとり=コンテクストが重要な役割を果たしている(無意識的に)。
ネット上の場合は文字=テクストだけのやりとりであり、相手についての手がかりが不足(キュー・レス)→想像で補ってしまいやすい。
LINEなどの文字メッセージサービスにおいても同様の特徴がある。そこで、「キュー」として絵文字・スタンプがある。
これは日本に限ったことではない。
対策としてのネチケット
NetworkとEtiquetteを合わせた造語。
インターネット上でのコミュニケーションのマナー。
1995年に、ネットの技術仕様を策定する団体(IETF)が発した文書で用いられた。
メール利用上の留意点A:複数のメール文化の併存
PCメールと携帯メール
(ここの記述は
あるブログ
を参考にしています。)
項目
PCメール
携帯メール・LINEなどの文字アプリ
系譜
手紙(非同期通信)
電話(同期通信)
用途
公的要件
私的要件
返信の目安
半日〜2・3日?
数分・数時間
名乗り
する(文頭or書名orその両方)
しない
件名
絶対につける
どちらでもよい・つける機能がない
長さ
長くてもよい
短いほうがよい?
両者の共存のためには?
異文化間コミュニケーションであるという前提で(ここで文化人類学が役に立つ!)、相手に合わせる。「ウェブ上の文字を使ったコミュニケーションである」という点しか共通していない。他は全部違う。
確かな根拠を用いて相手のメールのスタイルを想像する。
他にも、メールを使い始めた時期による違い(ジェネレーション・ギャップ)やビジネス利用かどうかによる違いなどがある。
宛先の種類と使い分け
宛先(TO)
:返事をもらいたい相手。複数の場合は「,」(半角コロン)で区切る。送信相手全員にアドレスが分かっても良い人。
CC
:参考までに目を通してほしい人。送信相手全員にアドレスが分かっても良い人。
BCC
:お互いのアドレスが分かると困る人(他の送信相手にはアドレスが分からない)。面識がない複数の人に送る場合に使う。
例1:サークルの会計係から顧問への年度末の会計報告
TO:顧問
CC:サークルの代表・副代表
BCC:不要or自分のアドレス
例2:メールアドレス変更のお知らせ
TO:自分のアドレス
CC:不要
BCC:お知らせを送りたい人全員
例3:お互いにメールアドレスを知らない人同士がいる飲み会のお知らせ(語学クラスやゼミの飲み会)
TO:自分のアドレス
CC:不要
BCC:お知らせを送りたい人全員
例4:取引先X社のAさんに一担当者として連絡する
TO:取引先のAさん
CC:上司Bさん、X社との取引を担当している同僚Cさん
BCC:不要
練習4:メールマナークイズ
メールマナークイズ…ポータルサイト上の指示に従うこと
「公的メール」送付時の留意点
公的メールとは?
教員に問い合わせ(成績・面談の要望・参考文献など)をする場合。
(ほとんど)会ったことがない人に何かを頼む・尋ねる場合(レポートへの協力依頼など)。
書き方
用件がはっきりと分かる件名
をつける(相手は忙しくて何百通ものメールを読まないとイケナイ状況にある、という前提で)。
文頭で相手の所属・名前(敬称付)を書く。
自分の名前を名乗る
(場合によっては所属も)。
「〜について**だからメールを差し上げました」のように、
冒頭で用件を簡潔に述べる
(疑問なのか意見を言いたいだけか好意を伝えたいのかなどがわかるように)。
数行ごとに空白行を1行入れて見やすくする。
必要に応じて箇条書きにする。
末尾に署名
(自分の名前・所属・メールアドレス)を入れる。
失礼な書き方や誤解しやすい書き方になっていないか読み直す
(抗議や叱責などの場合は、可能な限り一晩寝かして再確認する)。
Googleドライブの利用
Googleドライブの機能
Googleドライブとは、ウェブ上のファイル置き場。
Wordファイルやpdfファイルを保存することもできるし、Googleドライブ独自の文書作成用アプリケーション等もある。
Googleドライブ独自の文書作成用アプリケーションは、
【keio.jp】→【ドライブ】→【新規】→【Googleドキュメント】
の順で起動する。
ファイルの共有機能
Googleドライブ上に保存したファイルを、Googleアカウントを持つ他のユーザーを共有の相手として指定することで、その相手もそのファイルを見たり編集したりすることができるようになる。
教員への提出や、学生同士での共同編集などに用いられる。
手順
keio.jpにログインし、
【Google Apps】→【ドライブ】→上向き矢印→【ファイル】
で、アップロードするファイルを選択する。
ファイル名の左のチェックボックスにチェックを入れる。
上の方の、人のマークをクリックする。
詳細な設定を行う。
@の欄に、共有相手のメールアドレス(Googleアカウント)を入れる。
Aの欄で、共有相手にどれだけの権限を付与するかを決める。今回は、「コメント可」。
Bの欄で、共有相手を指定したことを相手にメールで通知するかどうかを決める。今回は、「しない」。
Cの欄で、間違いが無ければ送信する。
練習5:メールとGoogleドライブ実習
ここ
を右クリックして保存し、テキストファイル内の指示に従って、不適切なメールの文案の修正案を考えなさい。
Googleドライブ独自の文書作成用アプリケーション(Googleドキュメント)を用いて、不適切なメールの文案の修正案(件名と本文)を書きなさい。
PCと人間の分業
PC
…人間の指示で作業をする不完全な機械。
人間
…PCに的確な「指示」を与える。
「指示」が不適切だと効果は半減してしまう。
人(自分)は「何がしたいか=目的意識」を明確にし、PCという道具には「何ができるのか/できないのか=能力」を意識しながら使うことが肝要。
参考文献
久野靖〔ほか監修〕・日経BPソフトプレス〔編〕 2006『これだけでわかる最新情報リテラシー』日経BPソフトプレス
きたみりゅうじ 2009『図解でよくわかる ネットワークの重要用語解説』第3版、技術評論社
トップページへ