第2回の授業内容と学習目標

講義＋実習：ウェブブラウザとインターネットの利用

基本機能
セキュリティの確保
ドメイン名の意味

講義＋実習：効率的な検索方法

検索エンジンの利用
検索オプション（検索演算子）の利用
データベース（DB）の利用

講義＋実習：Windowsの基本

検索と置換機能を使用できるようになる
ファイルとフォルダの作成・管理ができるようになる。

ウェブ・ブラウザとインターネットの利用

ウェブ・ブラウザの基本機能

ウェブ・ブラウザ(Browser) …ウェブ上に置かれたファイルを読み込むソフトのことをいう。代表的なものにマイクロソフト社のMicrosoft EdgeやGoogleによるGoogle Chromeなどがある。

ブックマーク …頻繁にアクセスするウェブページのURLを登録する機能のこと。Internet Explorerの用語である「お気に入り」という表現が一般的になっている。

タブ …複数のウェブページを一つのウィンドウで切り替えて見るための機能のこと。ウェブページをたくさん見る際にウィンドウだらけにならず便利。

リンク …マウスのポインタの形が矢印からフィンガーカーソルに変わる場所は、他のページへのリンクが貼られている。多くの場合、文字色が青く下線がある文字列にリンクが貼られていることが多い。

「戻る」ボタン …ツールバー左の「戻る」ボタンをクリックすると、直前に表示していたページに戻ることができる。keio.jpなどのウェブ上のサービスを利用中の場合は、戻るボタンの操作によってそれまでの入力内容が無効になる場合があるので注意すること。

再読み込み …アドレスバーの右にある上下矢印マークのボタンをクリックすると、ウェブページを再度読み込むことができる。最初の読み込みから再読込の間に行われたウェブページの更新を反映できる（最初に読み込んだ時間と2回目に読み込んだ時間の間にウェブページが更新されていれば、画面が変わる）。再読込をしても見られない場合は、そのウェブページや画像・動画はウェブ上に存在しないか、PCがネットに接続していないかのどちらかである。ショートカットは【Ctrl+R】。

ドメイン名の意味

IPアドレス

インターネットに接続されているコンピュータに割り振られた数字のこと。
インターネット上での通信の際には、相手のコンピュータのIPアドレスを指定する必要がある。
ただし、数字の羅列であるため人間には覚えにくい。

ドメイン名

IPアドレスを人間にも覚えやすいように文字に置き換えたもののこと。
URLの右端から、「トップレベルドメイン」（「.jp」や「.com」など）・「セカンドレベルドメイン」（「.ac.kr」や「.ne.jp」など）というように狭まっていく。
各階層によって、管理を担当する組織が違う。
IPアドレスの意味と階層構造を理解していると、、、
- ウェブページの安全性や性質がある程度判断できる。
- 自分や相手のメールアドレスから、その所属が分かる。

通信技術によるセキュリティの確保：ウェブ上に個人情報などを送る場合

買い物などの場合ネットを通して個人情報を相手に通信している。
安全な暗号化通信を提供しているサイトを選ぶ必要がある。
OSやブラウザ修正ソフトが提供されていればなるべくそれらを採用すること。以前のウィルスなどへの対策を施してある場合がある。
安全な暗号化通信が提供されているかどうかの見分け方
- URL欄の右側に、「鍵マーク」が表示されているかどうか（表示されていればよい）
- 入力ページのURLが「https」で始まるかどうか（始まっていればよい）
- ブラウザによっては、URL欄が緑色になる。
- 上記の条件に当てはまらないサイトが全て悪質なわけではないが、住所・カード番号などの個人情報を送る際には通信上のリスクがある旨を考慮する必要がある。

練習5：ウェブページのセキュリティの確認

keio.jpにアクセスし、上の画像で紹介しているような証明書が出てくるかどうかを確かめなさい。
余裕があれば、自分が普段使っている個人情報を入力するサイト（ネットバンキング・ショッピングなど）にアクセスし、上の画像で紹介しているような証明書が出てくるかどうかを確かめなさい。

効率的な検索方法

データベース（DB）の検索

検索オプションの考え方は、各種のDB検索の際にも応用が可能。
DB
- 様々なデータをルールに基づいて整理して、検索できるようにしたもの。
- 「ルール」は、DBの性質によって異なる場合がある。
- 無料のもの（例：図書館の検索システム）と有料のもの（例：新聞社の過去の記事検索システム）がある。
- 根拠に基づく主張ができるため、レポート・卒論作成・就活などにおいて有効。
- 大学は学生に多くのDBへのアクセスを保証している。

大学が契約している有料DB

メディアセンターのウェブページかkeio.jp（「電子ジャーナル/DBアクセス」というメニュー）からアクセスできる。
一部は慶應のネットワーク外（自宅など）からのリモート・アクセスができる。

一般公開されている無料DB

どこからでもアクセスができる。
汎用性が高いものの例として、以下のものがある。
1. 国立国会図書館…書籍・雑誌・博士論文や、学術雑誌や一部の一般雑誌に載った個々の論文・記事が検索できる。近代初期の一部の文献はPDF化されており、ダウンロードしたり印刷したりできる。
2. CiNii（サイニー）…国立情報学研究所が開設している。学術雑誌などに載った個々の論文が検索できる。一部の論文はPDF化されておりダウンロードしたり印刷したりできる。
他にもいくつもあるので、自分が興味のある分野のDBを見つけておくとよい。
検索は、どのようなデータが欲しいのかを分かっていないと効率的に検索できない。

練習1：効率的な検索①ciniiを使う

ciniiの詳細検索機能を用いて、「社会学評論」という学術雑誌のうち、「差別」について論じている論文は何件か？
ciniiの詳細検索機能を用いて、「社会学評論」という学術雑誌のうち、「差別」について論じている論文のうち、2000年以降に刊行されたものは何件か？
ciniiの詳細検索機能を用いて、「社会学評論」という学術雑誌のうち、「差別」という語が題名に入っている論文のうち、2000年以降に刊行されたものは何件か？

検索エンジン

キーワードの入力によってインターネットの情報（ウェブページや画像）を探し出すサービスのこと（YAHOO! JAPANやGoogleなど）
プログラムがネットワーク上のリンクを自動巡回して情報を収集・分類している。
細かい指定をして検索ができる。
無料だが、検索結果と紛らわしい形で広告が挿入されることがある。

検索オプション

不要なウェブページが検索結果に含まれることを防ぐことや、必要なウェブページが検索結果に含まれないことを防ぐためのテクニック。
「and」や「-」や「site:.（ドメイン名）」は半角英数で入力すること。

and検索

2つ以上の語句を全て含むウェブページを探す場合に用いる。
検索ウィンドウに「語句1 AND 語句2」と入力する。
いったん検索をしてみてから、検索オプションメニューで「すべてのキーワードを含む」（Googleの場合）や「すべて含む」（YAHOOの場合）にすべての語句を入力することもできる。

or検索

2つ以上の語句のどれかを含むウェブページを探す場合に用いる。
検索ウィンドウに「語句1 OR 語句2」と入力する。
いったん検索をしてみてから、検索オプションメニューで「いずれかのキーワードを含む」（Googleの場合）や「少なくとも一つを含む」（YAHOOの場合）にすべての語句を入力することもできる。

not検索

ある語句を含まないウェブページを探す場合に用いる。
検索ウィンドウに「語句1 -語句2」と入力する。
いったん検索をしてみてから、検索オプションメニューで「キーワードを含めない」（Googleの場合）や「含めない」（YAHOOの場合）に含みたくない語を入力することもできる。

練習2：効率的な検索①検索結果の切り分け

検索エンジンで「はやぶさ」と検索し、「小惑星探査機のはやぶさ」と「それ以外のはやぶさ」の両方が出てくることを確認しなさい（3ページ目までいかないと小惑星探査機以外のはやぶさは出ない）。
検索ウィンドウに「はやぶさ新幹線」と入力し、「新幹線のはやぶさ」が出て来ることを確認しなさい。
検索ウィンドウに「はやぶさ -探査機」と入力し、「小惑星探査機のはやぶさ」が出て来なくなることを確認しなさい。
自分が興味のある他の語（「はやぶさ」のように2つ以上のまともな検索対象がありうる語）でも試しなさい。

フレーズ検索

あるフレーズを含むウェブページを探す場合に用いる。
長い日本語は、分割された上でOR検索されてしまう場合があるので、そうした場合や英語のように単語の間にスペースが入る言語のウェブページを検索する際に便利。人名を探す場合など。
検索ウィンドウに「"あるフレーズ"」と入力する。
「"」（ダブルコーテーション）は、半角で【shift】＋【2】。
検索オプションメニューで「フレーズを含む」（Googleの場合）や「順番も含め完全に一致」（YAHOOの場合）にフレーズを入力する。

ドメイン指定検索

あるドメイン内にあるウェブページのみを探す場合に用いる。
重層的なドメインの構造のうち、どこにある（と推定される）ウェブページを探したいのか、を意識しながら行う。
検索ウィンドウに「語句 site:.（ドメイン名）」と入力する。
検索オプションメニューでドメイン指定をすることもできる。
例
1. 「柳田國男 site:.ac.jp」…「柳田國男」について書いてある「日本の学術機関」のウェブページを検索したい場合。
2. 「福澤諭吉 site:.keio.ac.jp」…「福澤諭吉」について書いてある「慶應義塾」のウェブページを検索したい場合。
3. 「健康日本21 site:.go.jp」…「健康日本21」について書いてある「日本の政府機関」のウェブページを検索したい場合。

練習3：効率的な検索②検索範囲の限定

以下の3通りの検索をした場合、それぞれ検索結果が違うことを確認しなさい。
1. 「基礎情報処理」
2. 「"基礎情報処理"」
3. 「"基礎情報処理"　site:.keio.ac.jp」
以下の3通りの検索をしなさい。また、それぞれ、ドメイン指定を行わずに検索した場合と、結果の違いを比較しなさい。
1. 「文化人類学」について書いてある「日本の学術機関」のウェブページ
2. 「早慶戦」について書いてある「慶應義塾」のウェブページ
3. 「サイバーテロ」について書いてある「日本の政府機関」のウェブページ
ドメイン指定をした場合でも、指定の仕方や使用する検索エンジンによって検索結果が違うことを確認しなさい。タブを使って2つの検索エンジンを使い分けるとよい。

ワイルドカード検索

語の一部が不明・不定な語を含むウェブページを探す場合に用いる。
検索ウィンドウに「*語の一部」と入力する。
「"*急"　鉄道」と入力して検索するとどうなるか？
英語などの、語尾が変化する表音文字利用の際に特に必要性が高い方法（libraryとlibrariesを同時に検索したい場合には「librar*」）。

Windowsの基本

検索と置換

検索
- 特定の文字列を検索する。
- レポートの中で特定の語を使った個所を見つけたい場合や、ウェブページ中のどこに特定の語があるのかを見つけたい場合などに用いる。
- 【ホーム】→【編集】→【検索】とたどり、空白のボックスに文字列を入れる。
- IEの場合：【編集】→【このページの検索】とたどり、空白のボックスに文字列を入れる。
- ショートカットでは、【ctrl】→【f】。
置換
- 検索したある特定の文字列を別の文字列に置き換える。
- レポートの中で特定の著者名などを間違っていたことに気付いた場合などに用いる。
- 【ホーム】→【編集】→【置換】とたどり、空白のボックスに文字列を入れる。

ショートカット

メモ帳を開き、意味のない文字列（「あああ」でも「ぃぃぃぃ」でも「ヴヴヴヴヴ」でもよい）でよいので数十文字を入力すること。その文字列を使って、以下のいくつかの機能を実際に体験する。

【Ctrl】＋【z】元に戻す
- 誤って必要な部分を削除してしまったなどの操作ミスをした場合に便利。
- ワードなどであれば【元に戻す】キーでもよい（下の画像の赤線部をクリック）。
- この操作はアンドゥーとも呼ばれる。
【Ctrl】＋【x】切り取り
- 移動させたい文字列をドラッグして指定してから行う。
- ファイルに対してもこの操作は可能である。
- もとの場所からは文字列・ファイルは消えるので注意が必要。
【Ctrl】＋【c】コピー
- コピーしたい文字列をドラッグして指定してから行う。
- ファイルに対してもこの操作は可能である。
- もとの場所に文字列・ファイルは残り続ける。
【Ctrl】＋【v】貼り付け
- 切り取りまたはコピーした文字列を張り付ける場合に行う。
- ファイルに対してもこの操作は可能である。
【Ctrl】＋【a】すべて選択
- そのファイル内のすべての文字列や、そのフォルダ内のすべてのファイルが選択される。
- コピーや切り取りが可能となる。
【Ctrl】＋【s】上書き保存
- ファイルの作成途中で、その段階までの作業を保存する場合に用いる。
- ワードなどであれば【上書き保存】キーでもよい（上の画像の青線部をクリック）。
- 不測の事態で電源が切れたりコンピュータの動きが止まったりする場合に備えて、数分おきに行う癖をつけるとよい。
【Ctrl】＋【r】再読み込み（リロード）
- ウェブページやフォルダなどを最新の状態に更新する場合に用いる。
- ウェブページ作成課題の際に頻繁に利用することになる。

練習6：置換の練習

このファイルをダウンロードする。
1. 「このファイル」の部分を右クリックする。
2. 【名前を付けてリンク先を保存】をクリック。
3. 保存場所が【ドキュメント】になっていることを確認。
4. 【保存】をクリック。
ドキュメントを開き、「kqtq.txt」を開く
【ctrl】+【f】を操作し、【検索する文字列】に「京浜急行」と入力し、【次を検索】。いったんやったら【キャンセル】。
【編集】→【置換】とたどり、【検索する文字列】に「京浜急行」、【置換後の文字列】に「東急」と入力し、【すべて置換】をクリック。
「京浜急行」が「東急」に置換されたことを確認する。
【ctrl】+【z】を操作し、「東急」が「京浜急行」に戻ることを確認する。
他にも、自分で思いつく置換を試してみること。
レポート・卒論などで表記を統一したいときなどに便利。

練習7：「階層性」を意識したフォルダ・ファイルの整理

以下の指示に従ってファイル、フォルダを作成しなさい。

「ドキュメント」フォルダ内に、「基礎情報処理」という名前のフォルダを作りなさい。
「基礎情報処理」フォルダ内に、「4月25日」という名前のフォルダを作りなさい。
「4月25日」フォルダ内に、「a」、「b」という名前のフォルダを作りなさい。
「b」フォルダ内に「c」という名前のフォルダを作りなさい。
さきほどの日本語入力の練習で使ったメモ帳ファイルを、「4月25日」フォルダ内に「テスト1」というファイル名で保存しなさい。
「4月25日」フォルダ内の「テスト1.txt」ファイルを同じフォルダ内でコピーして貼り付けなさい。ファイル名は自動的に「コピー～テスト1.txt」となるはず。
「4月25日」フォルダ内の「コピー～テスト1.txt」ファイルのファイル名を「テスト2.txt」に変更しなさい。
「4月25日」フォルダ内の「テスト1.txt」ファイルを「c」フォルダ内に移動しなさい。
「4月25日」フォルダ内の「テスト2.txt」ファイルを「a」フォルダと「b」フォルダ内にコピーしなさい。
「c」フォルダの「テスト1.txt」ファイルを「a」フォルダ内にコピーしなさい。
「a」フォルダの「テスト2.txt」ファイルを「c」フォルダ内に移動しなさい。

終了したら、次のような構成になることを確認する（【ctrl】+【r】をしてから）。

→解答

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