hellog〜英語史ブログ

#6293. 皆さん『英語語源ハンドブック』(冊子版・アプリ版)をどのように使っていますか?[notice][hee][review][hel_education][helkatsu][link][voicy][heldio][kdee]

2026-07-20



 先日「#6278. 「居酒屋KKH」 --- 『英語語源ハンドブック』発売1周年記念のオンライン対談」 ([2026-07-05-1]) で話題にしたとおり,6月18日に『英語語源ハンドブック』(研究社)が刊行されて1年となり,6月30日には物書堂さんより『英語語源ハンドブック』アプリ版も発売されました(アプリ版利用は現時点でiOS ユーザーのみ).
 このような節目のタイミングに,冊子版・アプリ版を普段からご愛用いただいているヘビーユーザーの方々に,この1年間ハンドブック利用の感想をうかがえればという趣旨で,先日,Voicy heldio 対談回を設定しました.司会は,heldio ではお馴染みの Taku さんこと金田拓さん(帝京科学大学)にお願いしました.7月14日の heldio で「#1871. 『英語語源ハンドブック』(冊子版・アプリ版)の使用感をヘビーユーザーの皆さんに聞いてみました」として配信していますので,アーカイヴよりお聴きください.以下は対談回の要旨です.
 対談の冒頭では,何といってもアプリ版の登場によって検索の利便性が飛躍的に向上したことが大きな話題となりました.毎日 note でハンドブックを元に記事を執筆されているみーさんは,冊子版のみでは出先での執筆の際に不便を感じることがあったようですが,アプリ版の導入によっていつでもどこでも参照できるようになり,まさに「必携の書」として使い倒しているとのことです.物書堂さんのアプリらしく,『英語語源ハンドブック』で調べた後にそのままワンタップで『ジーニアス英和辞典』のような他の辞書へポンとジャンプできる参照機能や,解説文中の「グリムの法則」といった専門用語から関連箇所へ直接飛べるジャンプ機能の快適さについても熱く語っていただきました.さらに,デジタルならではの利点として,表や記述をそのままコピペして note の参照として取り出せる点も,アウトプットを継続するユーザーにとってはたいへん有益のようです.
 うろ覚えの状態で検索する際の「全文検索機能」の強力さについては,しーさんから,地の文のキーワードまで引っかかるので,なんとなくこの辺りにあったという項目からでも探しやすく,人間の記憶に優しい仕様である,との実践的な評価をいただきました.実は私自身は Android ユーザーであるため,まだアプリ版を体験できていないもどかしさを抱えつつも,もしこのような利便性が『英語語源ハンドブック』のみならず『英語語源辞典』のほうでも得られれば,情報量の多さゆえに完全に「語源の森」から抜け出せなくなって迷子になってしまうのではないかと,嬉しくもぞっとするような想像をめぐらせた次第です.
 また,英語教師としての視点からユニークなレビューを寄せてくださったのが ari さんです.ari さんは,画面を自由に拡大できる視覚的な利便性に加え,本ハンドブックに載っているかどうかを,自分が授業で話す内容が一般的な範囲か,あるいはそれ以上の趣味の領域に踏み込んでいるかを見極めるための試金石として活用しているといいます.さらに,地方の書店をめぐって冊子版が2刷か3刷かなどの状況を独自に調査していた経験から,アプリ版であればどこにいても常に最新の記述が手元に届くという,新しい角度からのメリットも指摘されました.
 一方で,アプリ版の引きやすさが際立つ一方で,冊子版がもつ特有の価値についても深い議論が交わされました.yuz さんからは,-fy などの接尾辞をもつ単語を検索して派生語を一網打尽にできるのは電子ならではの楽しさ,というニッチな使い方が紹介されましたが,しーさんや yuz さんが口を揃えるのは,パラパラとめくりながら余白に書き込みしていけるという,紙の本ならではの使い心地のよさです.ハンドブックは,一般的な語源辞典と違って基本1000語に絞り込んで読み物として作られているため,最初からアプリだけで入るよりも,紙でじっくりと通読して全体のネットワークを頭に入れてからアプリの全文検索を活用するほうが,そのありがたみをより深く実感できるのかもしれない,と感じました.
 あまねちゃんからは,本ハンドブックを読むことで初めて知った知識の数々 --- たとえば winter がかつては年(歳)を数える単位であったことや,havecatch が実は同根語であることなど --- が具体的に挙げられ,見出し語こそ基本語でありながらも,縦と横のつながりによって英語史の深みへのめり込める格好のジャンプ台になっているとの嬉しいコメントをいただきました.専門家の立場から日々『英語語源辞典』を読み込んでいる寺澤志帆さんからも,専門書特有の略記号や前提知識の壁を,専門家が苦心して噛み砕いて展開したのが本ハンドブックであり,両者を見比べることで語彙のつながりがより良く見えてくるという評価をいただきました.
 対談の締めくくりとして,orangemorishita さんからは,紙の辞典におけるレイアウトの完成度を電子化する際のノウハウや,媒体の機能性に精通したエキスパートの必要性,そして何より老眼が進む世代にとっての拡大機能のありがたみについてもユーモアを交えて語っていただきました.
 結論としては,司会の Taku さんや著者陣の思いと同じく,ぜひ冊子版とアプリ版の両方を手に入れて,それぞれの特徴を活かして使い倒していただきたい,ということに尽きます.
 さて,『英語語源ハンドブック』アプリ版は通常価格3,800円のところ,発売日より3週間,つまり明日7月21日(火)までは「初回セール期間」として,2,800円(26%オフ)とお得になっています.この機会に,ぜひアプリ版のハンドブックも入手いただき,使い倒していただければと思います.商品の詳細はこちらよりどうぞ.
 今後も冊子版・アプリ版ともにご愛読いただけますよう,よろしくお願いします.

 ・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.

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