
新年度が始まりました.今年度も「英語史をお茶の間に」広げていく活動「hel活」 (helkatsu) を精力的に展開してまいります.hellog 読者の皆様も,ぜひそれぞれの現場でhel活を推進していただければ幸いです.
昨年に引き続き,今年度の私のhel活の柱の1つとなるのが,恒例の朝日カルチャーセンター新宿教室でのオンライン講座です.シリーズ全体のタイトルは昨年のものを継承し「歴史上もっとも不思議な英単語」のままですが,少なくともこの春期クールについては「語源を探って古英語・中英語原文の世界へ!」という副題を添えて,少々装いを新たにスタートします.
昨年度は,1つの単語を掘り下げることで英語史のパノラマを展望するというスタイルでした.今期もその精神は受け継ぎつつ,そこに「原文の味読」という付加価値を加えたいと考えています.具体的には,去る2月25日に研究社より刊行された伝説的入門書,市河三喜・松浪有(著)『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』(研究社,2026年)を参考テキストとして活用します.
春期クールの公式の案内文は以下の通りです.
「なぜこの英単語は,こんな意味や使い方をするのか」.その答えは,現代英語の外にあります.春期は,古英語・中英語の短い原文を入口として,英単語の不思議な歴史を探ります.名名文を丁寧に読み解いたうえで,そこから英語史の話題へと縦横に広げていきます.原文に構えず,英語史の物語として楽しめる講座です.(注:市河三喜・松浪有『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』(研究社,2026年)を参考テキストとし,そこから原文を選んで味読します.)
本講座の最大の特徴は,単なる語源解説にとどまらず,その語が実際に過去の文献でどのように息づいていたのかを,実際のテキストを通じて体験していただく点にあります.もちろん,これまで通り『英語語源辞典』や『英語語源ハンドブック』も頻繁に参照しながら,語源の深淵に迫っていきます.
春期クールは毎月1回,土曜日の 15:30--17:00 に開講されます.オンライン限定の講義ですので,全国どこからでもご参加いただけますし,2週間の見逃し配信もございます.予定されているラインナップは以下の通りです.
1. 4月25日(土):knight を探って中英語原文の世界へ
2. 5月23日(土):again を探って中英語原文の世界へ
3. 6月27日(土):ghost を探って古英語原文の世界へ
1週間後に開講される第1回は,中世騎士道でおなじみの knight を取り上げます.元々は「少年」や「従者」を意味していたこの語が,いかにして高貴な身分を指すようになったのか,中英語の原文に触れながらその意味変化を辿ります.
第2回は,日常語の again です.何の変哲もないように見えるこの語には,副詞や前置詞としての用法にとどまらず,多くの話題が隠されています.中英語期のテキストではどのように綴られ,用いられていたのでしょうか.
第3回は,現代では「幽霊」を指す ghost です.古英語期には「精神」や「魂」を意味していたこの語の変遷を,当時の格調高い原文とともに味わいましょう.
古英語や中英語の原文と聞くと,難しそうに聞こえるかもしれませんが,心配は無用です.「英語史の物語」を楽しむための材料として,私がナビゲートします.講座の詳細とお申込みは,朝カルのこちらの公式ページをご覧ください.
本シリーズの開講に向けて,Voicy heldio でも案内を放送しています.ぜひ「#1778. 4月25日(土)『古中初歩』による新年度の朝カルシリーズが始まります」をお聴きください.新年度,皆様と一緒に,原文とともに英語史の森を散策していくことを楽しみにしています.
・ 市河 三喜,松浪 有 『古英語・中英語初歩〈新装復刊〉』 研究社,2026年.
・ 寺澤 芳雄(編集主幹) 『英語語源辞典』新装版 研究社,2024年.
・ 唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.
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