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#5491. 池上俊一(著)『ヨーロッパ史入門 原形から近代への胎動』(岩波書店〈岩波ジュニア新書〉,2021年)の目次[toc][history][history_of_europe][review]

2024-05-09


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 ヨーロッパ史の入門として優れた著書.岩波ジュニア新書にて2巻ものとして執筆されているが,各々を独立して読むこともできる.今回注目するのはその第1巻で,太古の印欧語族の時代からフランス革命前夜までが概説される.限られた紙幅のなかで,ヨーロッパ史の古代,中世,初期近代がここまで要領よくまとめられるものかと驚嘆する.大事なことしか書かれていない,という読後感だ.
 以下,本書の目次を挙げておく.英語史の学びのお供にどうぞ.



 まえがき --- ヨーロッパとは何だろうか

第1章 ヨーロッパの誕生 --- 古代ギリシャ・ローマの遺産(古代)
  自然と地理
  人種と民族
  印欧語族とヨーロッパ諸言語
  アルファベットの発明
  ギリシャの位相
  ローマ帝国とヨーロッパ
  バルバロイについて
  キリスト教の誕生と普及
  古代末期の司教と聖人の役割

第2章 ロマネスク世界とヨーロッパの確立 --- 中世前半
  原型としてのフランク王国
  アンビバレントな「他者」としてのイスラーム教徒
  フェーデの時代と「平和」の工夫
  「キリスト教世界」の形成
  辺境の役割
  紀元一〇〇〇年の飛躍とロマネスク世界
  ビザンツ帝国はヨーロッパか
  十字軍とは何だったのか
  封建制と領主制

第3章 統合と集中へ --- 後期中世の教会・都市・王国(中世後半)
  学問の発展と俗語使用
  騎士と騎士道
  盛期中世から後期中世の文化
  正統と異端
  ユダヤ教徒キリスト教
  都市のヨーロッパと商業発展
  教皇・皇帝,国王・諸侯

第4章 近代への胎動 --- 地理上の「発見」とルネサンス・宗教改革(15~17世紀)
  中世末期の光と影
  スペイン・ポルトガルの海外進出と価格革命
  カトリック布教の氏名
  ルネサンス文化の輝き
  プロテスタンティズムの登場
  国民国家形成の努力と宗教戦争
  印刷術の衝撃
  女性受難の時代
  宗派体制化と社会的規律化
  争い合うヨーロッパ諸国
  絶対主義と海外植民地
  科学革命と自然法
  バロックと古典主義

 文献案内
 あとがき
 ヨーロッパ史年表/事項・人名索引




 ・ 池上 俊一 『ヨーロッパ史入門 原形から近代への胎動』 岩波書店〈岩波ジュニア新書〉,2021年.

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