hellog〜英語史ブログ

#4252. COCA と BNCweb でみる color vs colour[coca][bnc][corpus][ame_bre][spelling]

2020-12-17

 アメリカ式綴字 color とイギリス式綴字 colour をめぐる問題について,本ブログでは何度も取り上げてきた.綴字の米英差の代表例としてよく知られており,分かりやすい問題であるということもあるが,英語史的には意外と深掘りできる魅力的な問題だからでもある.
 しかし,最も基本的な事実確認 --- 現代のアメリカ英語とイギリス英語で colorcolour の各々の分布はどうなっているのかの調査 --- を行なわずいたことに気づいた.ということで,今回は現代アメリカ英語の代表的コーパス COCA と,イギリス英語の BNCweb で調べてみることにした.colo(u)r の屈折形,派生語,複合語を含めて網羅的に行なうのが理想だが,今回はレンマ検索を利用して,colo(u)r, colo(u)rs, colo(u)red (以上は屈折形として), colo(u)rful, colo(u)rless, discolo(u)r の6種類の語形の取り出しにとどめた.

COCA による <color> と <colour> の頻度
語形<or><our><or> 比率
COLOR124,7784,7920.9630
COLORS33,2251,8860.9463
COLORED5,5531790.9688
COLORFUL10,8714120.9635
COLORLESS1,000570.9461
DISCOLOR11001.0000

BNCweb による <color> と <colour> の頻度
語形<or><our><our> 比率
COLOR11511,3320.9900
COLORS244,3960.9946
COLORED142,4320.9943
COLORFUL61,0930.9945
COLORLESS41660.9765
DISCOLOR1190.9500


 COCA を用いたアメリカ英語の調査によれば,アメリカ式の <or> が,予想通りに圧倒的な95%前後の比率で用いられている.しかし,逆にいえば,5%ほどはイギリス式とされる <our> が用いられているというのも,とりわけ次のイギリス英語の状況と比較すると興味深い.
 BNCweb を用いたイギリス英語の調査結果をみてみると,99%ほどというほぼ完全な比率でイギリス式の <our> が用いられている.アメリカ綴字を用いている少数の例を確認してみると,引用符に囲まれた短いタイトルらしきもの(アメリカ系由来の可能性があるもの)のなかで用いられているのが散見され,それを差し引いて考えることが許されるのであれば,さらに <our> は100%に近づく.この点では,イギリス英語のほうが綴字慣習についてより一貫しており,アメリカ英語は若干の寛容さを示すといえるかもしれない.
 以上,標題の米英差の問題について事実確認した.

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