「#1578. 言語は何に喩えられてきたか」 ([2013-08-22-1]) で簡単に触れた程度だが,オーストリア生まれの哲学者 Wittgenstein (1889--1951) は,1953年に出版された後期の著作において,言語を Sprachspiel "language-game" ととらえた.言語ゲームは様々な活動からなる遊びで,次のような活動が含まれる(安藤・澤田,p. 18 より).
・ 命令する,命令に従う
・ ある事物の外見を記述する,あるいはその測定をする
・ ある出来事を報告する
・ 出来事について推測する
・ 仮説を立て,検証する
・ 物語を作る,それを読む
・ 演劇
・ 輪唱歌曲を歌う
・ 謎を解く
・ 冗談を言う
・ 実際的な数学の問題を解く
・ 他の言語に翻訳する
・ 質問する,感謝する,ののしる,あいさつする,祈るなど
これは,ある意味で言語の諸機能を並べたリストといえる.言語の機能については多くの議論があるが,「#1071. Jakobson による言語の6つの機能」 ([2012-04-02-1]) をはじめとして function_of_language の各記事を参照されたい.
・ 安藤 貞雄・澤田 治美 『英語学入門』 開拓社,2001年.
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