1549年,Thomas Crammer の編纂した The Book of Common Prayer (祈祷書)が世に出た.1552年には,その改訂版が出されている.この祈祷書の引用元となっているのは1539年の the Great Bible である.一方,およそ1世紀後,王政復古期の1662年に,別版の祈祷書が出版された.現在も一般に用いられているこちらの新版は,1611年の the King James Bible に基づいており,言語的にはむしろ保守的である.つまり,1552年版と1662年版の祈祷書を比べてみると,後者のほうが年代としては100年余り遅いにもかかわらず,言語的には前者よりも古い特徴を示すことがあるということだ.ただし,全部が全部そうなのではなく,後者が予想通り,より新しい特徴を示している例もあり複雑だ.
Gramley (144) は,Nevalainen (1998) の研究を参照しながら,5点の文法項目を比較している.
feature | 1552 | 1662 |
---|---|---|
3rd person singular ending | mixed {-th} and {-s} | reversion to {-th} |
2nd person singular personal | thou/thee but some ye/you | largely a return to thou/thee |
nominative ye/you | both ye and you | largely a return to ye |
nominative which/who | 56 who vs. 129 which | 172 who vs. 13 which |
present tense plural be/are | 52 are vs. 105 be | 125 are vs. 32 be |
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