「#3139. 講座「スペリングでたどる英語の歴史」のお知らせ」 ([2017-11-30-1]) でお知らせしたように,朝日カルチャーセンター新宿教室で,5回にわたる講座「スペリングでたどる英語の歴史」が始まっています.1月13日(土)に第1回「英語のスペリングの不規則性」を終えましたが,その際に使用したスライド資料をこちらに公開しておきます.主たる参考文献として,Simon Horobin 著 Does Spelling Matter? (および私の拙訳書『スペリングの英語史』)を挙げておきます(「#3079. 拙訳『スペリングの英語史』が出版されました」 ([2017-10-01-1]) も参照).
あらためて本講座のねらいとメニューを明記しておきます.
多くの学習者にとって,英語のスペリングは,不規則で例外ばかりの暗記を強いる存在と映ります.なぜ knight や doubt というスペリングには,発音しない <k>, <gh>, <b> のような文字があるのでしょうか.なぜ color と colour,center と centre のような,不要とも思える代替スペリングがあるのでしょうか.しかし,不合理に思われるこれらのスペリングの各々にも,なぜそのようなスペリングになっているかという歴史的な理由が「誇張ではなく」100%存在するのです.本講座では,英語のたどってきた1500年以上の歴史を参照しながら,個々の単語のスペリングの「なぜ?」に納得のゆく説明を施します.講座を通じて,とりわけ次の3点に注目していきます.
1. 英語のスペリングの不規則性の理由
2. スペリングの「正しさ」とは何か
3. 「英語のスペリングは英語文化の歴史の結晶である」
5回にわたる本講座のメニューは以下の通りです.
第1回:英語のスペリングの不規則性
第2回:英語初のアルファベット表記 --- 古英語のスペリング
第3回:515通りの through --- 中英語のスペリング
第4回:doubt の <b> --- 近代英語のスペリング
第5回:color か colour か? --- アメリカのスペリング
第1回に配布した資料の目次は次の通りです.資料内からは hellog 内へのリンクも張り巡らせていますので,リンク集としても使えます.
1. 講座『スペリングでたどる英語の歴史』第1回 英語のスペリングの不規則性
2. 本講座のねらい
3. 第1回 「英語のスペリングの不規則性」の要点
4. (1) 英語のスペリングはどのくらい(不)規則的か
5. 発音とスペリングの「多対多」
6. (2) 文字の類型と歴史 (#422)
7. 言語と文字の歴史は浅い (#41)
8. 文字の系統 (#2398)
9. (3) 文字とスペリングの基本的性格
10. スペリングとは?
11. まとめ
12. 参考文献
・ Horobin, Simon. Does Spelling Matter? Oxford: OUP, 2013.
・ サイモン・ホロビン(著),堀田 隆一(訳) 『スペリングの英語史』 早川書房,2017年.
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