hellog〜英語史ブログ

#1525. 日本語史の時代区分[periodisation][historiography][timeline][japanese]

2013-06-30

 昨日の記事「#1524. 英語史の時代区分」 ([2013-06-29-1]) を受けて,今日は日本語史の時代区分を示す.日本語についても,細かい時代区分は研究者の数だけあるといって過言ではないが,そのうち2つの時代区分の例を示したい.1つ目は『日本語概説』 (pp. 282--83) に示されている時代区分をもとにしたもの.フラットに区分と名称が与えられている.

1.古代B.C. 13000 ? A.D. 600縄文・弥生・古墳時代
2.上代600 ? 784飛鳥・奈良時代 約200年間
3.中古784 ? 1184平安・院政時代 約400年間
4.中世1184 ? 1603鎌倉・室町時代 約400年間
5.近世1603 ? 1867江戸時代 約300年間
6.近代1868 ? 1945明治・大正・昭和前半時代 約80年間
7.現代1946 ?昭和後半・平成時代 約70年間


 次に,『概説 日本語の歴史』 (p. 14) の表をもとにしたものを掲げる.

IIIIIIIVV
古代古代上代上代奈良時代とそれ以前
中古中古平安時代
中世中世前期中世前期院政・鎌倉時代
近代中世後期中世後期室町時代
近代近世近世前期江戸時代前期
近世後期江戸時代後期
現代現代明治以降


 ここでは,階層上に入り組んだ区分と名称が用いられている.最も大雑把には I のレベルの区分により古代と近代が区別されるが,一般的には III や IV のレベルの区分と名称が用いられることが多い.
 日本史の時代区分を2例ほど挙げたが,相互に時代の呼称が入り乱れていることからも推察されるように,時代区分はその研究者の言語史観を如実に表わすものとして研究上重要な意味をもつが,一方で参照ポイントとしてはあくまで便宜的なものにすぎないことに注意されたい.

 ・ 加藤 彰彦,佐治 圭三,森田 良行 編 『日本語概説』 おうふう,1989年.
 ・ 佐藤 武義 編著 『概説 日本語の歴史』 朝倉書店,1995年.

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