hellog〜英語史ブログ

#1524. 英語史の時代区分[periodisation][historiography][timeline]

2013-06-29

 標記の話題は periodisation の各記事で様々に扱ってきた.また,timeline の各記事で種々の英語史年表を掲げてきた.英語史に関するブログなので,古英語,中英語,近代英語,現代英語など,各時代の呼称や範囲に関する知識は前提としてきたが,一応の解説は施しておくほうがよいと思ったので以下に記す.
 個別言語史の時代区分は言語そのものと同様に揺れ動くものであり,これぞ決定版というものはない.実際,研究者の数だけあるといっても大げさではないほどだ.英語史や日本語史も例外ではない.だが,研究者間で緩やかな合意があることは確かであり,時代間の区切り目の年代が一致しないなど細部の相違はあるものの,互いに「翻訳」可能なので実際上の大きな問題は生じない.以下に挙げるのは,厳密さを期さない,区切り年代を分かりやすく取った英語史時代区分だが,比較的広く受け入れられているものの1つではある.参考のために古英語より前の時代も含めてある.すべての年代を表わす数字に circa (およそ)を補って理解されたい.細かいことを言い始めるときりがないので,ひとまずはこの辺りで.

始源印欧語 (Proto-Indo-European)  -- 4000 BC
始源ゲルマン語 (Proto-Germanic)  4000 BC -- 500 BC
始源古英語 (Proto-Old English)  500 BC -- 450
古英語 (Old English)前古英語 (Pre-Old English)450 -- 700450 -- 1100
初期古英語 (Early Old English)700 -- 900
後期古英語 (Late Old English)900 -- 1100
中英語 (Middle English)初期中英語 (Early Middle English)1100--13001100 -- 1500
後期中英語 (Late Middle English)1300--1500
近代英語 (Modern English)初期近代英語 (Early Modern English)1500--17001500 -- 1900
後期近代英語 (Late Modern English)1700--1900
現代英語 (Present-Day English)  1900 --

[ | 固定リンク | 印刷用ページ ]

Powered by WinChalow1.0rc4 based on chalow