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本ページについて



『フリースタイル言語学』(大和書房)の補足資料ページです。

推薦文

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楽しい本に決まっている。そう思っていた。
でもまさかこんなにワクワクするとは!

この本を読む人類は、日本語が、「ことば」が楽しく
なる魔法にかかる。あたらしい世界へようこそ。
(ゴスペラーズ 北山陽一)
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ご主人様・お嬢様大変です!
『言語学』でメイドの属性が暴かれちゃうかも!?
(あっとほぉ〜むかふぇレジェンドメイド、hitomi)
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我々が長年育んできた日本語におけるライムをここまで学術的に研究した者が今までいただろうか

(Hip hop activist, Zeebra)
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正誤表

(第1,2刷)p165. 「ピダハンの人々の頭の中には、過去も未来もないらしい」というのは言い過ぎであったようです。彼らは過去のことを考えることはできるけれど、現在のことがらに関わる過去に関してしか話題にしないということらしいです。第3刷以降では表現を修正する予定です。

メディアカバー

補足事項

【1-3】:「観測値を期待値で割った値」を用いることに関しては近年疑問視する声があがっています。より統計的に強固な方法として注目されているのが「最大エントロピー法」です。詳しくはこちらの論文をご覧ください。

【2-5】:「最大エントロピー法」の解説.

【3-2】:「バギムーチョ」は「バギクロス」より拍数の観点からは長くない、としましたが、もしかしたらドラクエでは、文字数も大事なのかもしれません。「ジバリカ」も「ジバリア」よりも長くない、としましたが、もしかしたら拍数だけでなく、子音の数も大事なのかもしれません。「ベホイマ」と「ベホイミ」の関係も、「あ」は「い」より大きいとされているので、拍数だけでなく、母音の音象徴を考えれば納得です。ただ、個別の例をもって、このような議論を始めると、こじつけになり、ひいてはそれが音象徴研究全体へ批判につながる可能性があるので、本文では論じませんでした。本当だったら統計的にモデリングするべきでしょうね。

【3-3】:「バイマ語」に我々音声学者が驚かされたのは、喉頭蓋化前鼻音化有声歯茎破擦音があるだけでなく、子音だけでも57個存在する、日本語のアクセントのように音の高さで単語の意味が変わる現象も観察される、子音が音節の核をなす、などなどマニアにはたまらない特徴が勢揃いしていたからでもあります。

【3-6】: [u]の声帯振動も消え、舌の動きも消えているからといって、すべてが完全に消えているとは言えないのでは? 唇の動きだけ残っていたら? 抽象的なタイミングだけ残ってたら? とまで突っ込んでいる読者の方はいらっしゃらないとは思いますが、そこら辺もちゃんと考えて分析しております。査読中だけど、これがその論文です。

【3-6】:「子音が長くつづく文コンテスト2022」ですが、Rachidは「コロナが落ち着いてラボに行けるようになったら音声も送るね!」とメールで書いてくださいましたが、本書出版には間に合いませんでした。しかし、他のアマジグ語の例は送ってくださったので、公開させて頂きます(Rachid改めて、ありがとう!)。本書で掲載した例も、音声ファイルが手に入り次第、こちらで公開いたします。

例1:

例2:

例3:

【4-1】: 出版して数日後に連濁の専門家(というか形態論の専門家)の先生から「ゴロッケ」は「コロッケ」が連濁した可能性もあるけど、「ゴロゴロ」と「コロッケ」を混成したものという可能性はありませんか?という指摘を頂きました。私が目撃したお店の真意は分かりませんが、確かにその可能性も十分に残りますね。「辛ビアータ」という例もみたことがありますし。

【4-2】:「あとがき」でも書いたとおり、本作を執筆するにあたり、他の方が書いた入門書はできるだけ読まないようにしました。自分の生活で出会った体験から話を組み立てたかったからです。本書出版後、(日本語における)曖昧性に関しては、川添愛先生の『ふだん使いの言語学』に非常に面白い例がたくさん載っていることを発見しました。参考文献に含められず、申し訳ないです。

【4-2】:DQ4に出現するイヌ型のモンスターが「フレイムドッ『ク』」で「フレイムドッ『グ』」ではないそうですね。これは、もう、あれですよ、ライマンの法則のせいですよ。

【5-2】:Shigeto Kawahara, UC Santa Cruz, linguistics departmentにdistinguished alumnus speakerとして招待された時のニュース記事。

【6-2】:「学会などの招待講演者を選定する際、半数以上を女性とするべき」という声は、例えばこちら。「学会において、男性と女性がどれくらいの割合で質問しているかを調査している学者」は、この方。彼女は、関連する様々な資料を公開しています。

【6-2】:シラバスに紹介する研究者の顔写真を載せるという試みに関する報告は、本書執筆後に出版されました。Zuraw, K. (2022) Four inclusive practices for the phonology classroom. Proceedings of AMP.(論文は先生本人から頂きましたが、もうすぐ一般公開されると思われます)。

 

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