春節の伝統

・掃塵(大掃除)
春節の大掃除には「除陳布新(古いものを片付け、新たにする)」といった意味がある。中国語の大掃除「扫尘」の「尘(塵)」と「除陳布新」の「陳」は発音が同じなので、大掃除はすべての不祥、不運を一掃するとされている。春節の前に大掃除をすることは中国の伝統的習慣である。毎年、春節が近づくと、どこの家でも部屋の掃除をし、寝具やカーテンを洗濯したり中庭を掃いたりする。

・办年货(年越し用品を購入すること)
中国の年俗文化は歴史が長く、全国各地で多様な年越しの習わしが生まれ、南北で異なっており、それぞれ特色がある。各地の習わしが同じではなく、正月用品を準備して、年礼を送るのはほとんど全国新年の必需だと言える。正月用品を購入して、食べるもの、着るもの、かぶるもの、使うもの、貼るもの(年紅)、送るもの(年始回り)などを含めて、総称して「年货」と言い、年越し用品を購入することを「办年货」と呼ぶ。は中国人が春節を過ごす重要な行事である。

・年夜饭(大晦日の夕食)
北方では大晦日(一年最後の日)の夕食には家族そろって餃子を食べる伝統がある。また地域によって習慣も異なる。ある地域は大晦日に食べ、またある地域では元旦(一年最初の日)に食べる。そして餃子を元宝の形(清の時代から用いられた馬蹄形の銀塊の形)に作るところもある。餃子には幸運を包み、それを食べて裕福になるという意味がある。
北方と違って、南方の大晦日の夕食は鍋と魚である。ぐつぐつ煮える鍋からは熱気が溢れ、温かく豊かな生活を象徴している。また魚は繁栄の象徴であり、「魚」の中国語発音yuが「余」という字の発音と同じため“吉庆有余、年年有余”という成語を連想させ縁起が良い。 南方のある地方では餅を食べる。餅は中国語で「nian gao」と発音し、「年年高」(年々、上がる)と同じ発音なので、収穫と生活向上の願いをもって食べられている。

・守歳
守歳とは過ぎ去る年月を回想しながらこれから迎える新しい年に想いを馳せることである。大晦日に家族みんなそろって集まり、年越しをする。すべての災禍と疫病を追い払い、良い年が迎えられるよう期待している。

・春晩を見ること
毎年、大晦日には行われる中国版「紅白歌合戦」だ。日本の紅白のように歌だけではなく素晴らしい出し物や雑技、漫才、踊りもあり中国人にとって不可欠なものだ。年夜饭、守歳をしながら、春晩を見る。

・お年玉
お年玉、年俗の一つ。若い者は目上の者に新年のあいさつをし、健康を祈る。そして年長者は若い者に事前に用意しておいたお年玉をあげるということが習慣になっている。お年玉は邪悪なもの排除するとされる。中国語でお年玉「圧歳銭」の「歳」と、邪悪なもの「邪崇」の「祟」は同じの発音suiということから、お年玉をもらえば、若者は無事に一生を送ることができるということを意味している。
地域によって、お年玉の金額が違う。たとえば、広東は平均100元(2000円ぐらい)、江蘇は平均600元(12000円ぐらい)。また、関係によって、お年玉の金額も違う。関係がいい近いなら、お年玉の金額は平均より高い。でももらったお金の大部分は親が預かる。

・拝年(新年の挨拶まわり)
「拝年」とは新年の挨拶をするために親戚や友人を訪問する、春節の重要な行事である。旧暦の一月一日に早起きし正装をして、友達や親戚の家を互いに訪問し、新年の挨拶を交わす。
目上の人への「拝年」:まず家族の者へ挨拶する。元旦の朝、若い者はまず目上の者に新年の挨拶をして、健康を祈る。目上の者は若者に事前に準備したお年玉をあげる。そして家族への挨拶を済ませる。外出先では笑顔で「新年あけましておめでとうございます。」と挨拶する。隣人や友人たちも挨拶に来、みんなでゲームをしたりお酒を飲んだりと楽しく過ごす。
親戚への「拝年」:旧暦の一月一日あるいは二日に妻の実家へプレゼントを持って挨拶に行かなくてはならない。(うちはそういうことがない、空いているとき、挨拶に行けばいい)
先生や恩人への「拝年」:この一年、お世話になった方(弁護士、先生など)へプレゼントを持参し、新年の挨拶を機に感謝の気持ちを表す。

春節の由来

春節の飾り

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