大学図書館における電子図書館的機能の充実・強化について

大学図書館における電子図書館的機能の充実・強化について


平成8年7月29日

学術審議会


目次

はじめに

1 大学図書館における電子図書館的機能の整備の必要性

 (1)情報二一ズの増大と多様化
 (2)電子的情報資料の増大
 (3)資料保存機能の向上
 (4)資料の有効利用
 (5)情報検索機能の向上
 (6)情報発信活動の支援

2 電子図書館的機能の整備の基本的考え方

 (1)整備のためのビジョン策定
 (2)学内関連組織と連携協力の推進
 (3)大学図書館間の連携・協力の強化及ぴ相互運用性の確保
 (4)教育活動への配慮
 (5)著作権の保護,セキュリティの確保及ぴプライバシーの保護 

3 電子図書館的機能の整備の方策

 (1)資料の電子化の推進
   ・目録情報の電子入力の促進
   ・資料電子化の段階的・継続的な取組
   ・資料電子化の効率的な実施
   ・電子化資料作成の支援
 (2)施設・設備の整備
 (3)研究開発の推進
 (4)組織体制の整備
 (5)図書館職員の研修の充実
 (6)情報リテラシー教育への支援
 (7)著作権への対応

4 電子図書館プロジェクトの推進等

附属資料
 1 学術審議会(第14期)委貝名簿(省略)
 2 学術審議会(第15期)委員名簿(省略)
 3 学術審議会学術情報資料分科会学術情報部会(第14期)委員名簿(省略)
 4 学術審議会学術情報資料分科会学術情報部会(第15期)委貝名簿(省略)
 5 学術情報資料分科会学術情報部会での審議経過(省略)

参考資料
 1 蔵書に関する推移(省略)
 2 国内における電子図書館関係研究開発等の事例
 3 諸外国における電子図書館のプロジェクトの事例(省略)
 4 G7共同プロジェクトにおける電子図書館プロジェクトの概要(省略)


はじめに

 近年における情報通信技術の進歩や学術情報システムの進展及び世界的な情報ネットワークの出現・普及という状況を背景として,研究者等が必要とする学術情報を的確・迅速に提供し,また,研究の成果を国内外に広く発信するための体制を整備・充実することは,学術研究の基盤に係わる重要な課題として,強く認識されるに至っている。平成4年7月の本審議会答申「21世紀を展望した学術研究の総合的推進方策について」においても,学術研究基盤整備の重要項目の一つとして,学術研究情報流通体制の整備を取り上げ,学術研究情報ネットワークの高度化・国際化,大学図書館の機能強化,及ぴデータベースの充実等の必要性を指摘している。

 学術研究情報流通体制の整備に関して,大学図書館の機能強化の緊要性が特に強調されるのは,大学図書館が学術研究情報の主要な生産拠点である大学の活動を支える基盤的施設であり,学術情報の集積機能と発信機能双方において,それが果たすべき役割が極めて大きいからに他ならない。上記の答申が,「大学図書館は,一次情報の収集・提供等により情報サービスを行う機関として重要な役割を果たしているが,情報化等の新しい二一ズの高まりに対応し,その広範な情報資源の有効利用を進めていくため,今後は,キャンパス情報ネットワーク(学内LAN)における情報提供の中核としての図書館及ぴ大学図書館間協力の一層の促進という考え方を基本に,その機能の強化に努める必要がある。」としている所以もここにある。

 この答申はさらに,こうした大学図書館の機能強化方策の一つとして電子図書館について触れ,これに向けての試みを積極的に推進すべきであると提言しているが,その後今日までの4年間に,事態は一層の進展を見た。大学図書館は,学内・大学間の情報流通の中核的存在としての機能を越えて,国内・国外の知的生産活動全体にとって重要な役割を果たすべきであり,また果たしうるものへと変貌をとげつつある。すなわち,学術情報ネットワークの高度化及ぴ学内LANの整備等,情報通信基盤が急速に整備される中で,大学図書館は単に大学の学術研究や教育活動に対するサービス機関にとどまらず,広く人類全体の知的営為に貢献するものとしての機能を期待され,またそれにこたえる性格のものへと歩みはじめてきたのである。

 このような現時点において緊要なことは,上述のように整備された学術情報ネットワークの結節点としての各大学図書館がもつ機能の飛躍的向上であることは言うまでもない。

 高度化されたネットワークを有効に活かし,またそのネットワークのさらなる高度化を促すものは,個々の大学図書館そのものの高度化に他ならないからである。その意味において,上記答申が試行の推進を提言した電子図書館化が,今や大学図書館全体にとっての現実の課題となっていると言わなければならない。また,G7共同プロジェクトの発足や欧米諸国における先導的プロジェクトの展開などを見れば,電子図書館化は国際的な観点からも緊要の課題となっていることは明らかである。

 このような状況にかんがみ,本審議会は,大学図書館に電子図書館的機能を整備していくことが急務の課題と考え,その整備に当たっての基本的考え方及ぴ必要な方策等について検討を重ね,ここに建議として取りまとめた。

1.大学図書館における電子図書館的機能の整備の必要性

 ここに電子図書館とは,「電子的情報資料を収集・作成・整理・保存し,ネットワークを介して提供するとともに,外部の情報資源へのアクセスを可能とする機能をもつもの」を指すが,言うまでもなく,これにより,利用者は基本的に図書館に出向くことなく,的確・迅速かつ時間に制約されずにサービスを受けることができる。

 大学図書館が,このような新たな機能を備えなければならないのは,以下のような理由による。

(1)情報ニ一ズの増大と多様化

 大学は,学術研究と教育という本来の機能の一層の充実強化が求められるとともに,生涯学習や地域に対する支援という新たな使命をも担うようになっており,これらのための情報ニ一ズに的確にこたえることが求められている。このため,学内にあって,これまで学術情報の集積機能と発信機能とを主に担ってきた大学図書館が中心となって,他の情報関連施設と連携協力しつつ,増大・多様化する情報ニ一ズに対応するべく,電子図書館的機能を果たしていく必要がある。

(2)電子的情報資料の増大

 現在,CD-ROM等のパッケージ型の情報資料や,ネットワークを介して提供されるネットワーク型の情報資料など,数多くの電子的情報資料が出現してきており,これらは今後一層普及していくものと予想される。また,画像や音声等を含むマルチメディア情報が統合的に扱えるようになったこと等から,電子的情報資料の研究・教育上の価値も高まりつつある。大学図書館は,これら電子的情報資料への要求に適切にこたえて,それらを収集・作成・整理・保存し,また,ネットワークを介して提供するとともに,外部の情報資源へのアクセスを可能とするという,新たなサーピスを展開しなければならない。

(3)資料保存機能の向上

 酸性紙等に起因する資料の劣化など,資料保存の問題は大学図書館においても大きな問題となっており,適切な対応が求められている。この点から資料の電子化は極めて有効な方策の一つと考えられる。大学図書館は,これまで収集してきた所蔵資料,とりわけ貴重資料や利用頻度の高い資料の保存機能を向上させるために従来から試みられてきた脱酸処理や保存環境の整備等に加えて,資料の電子化を促進する必要がある。

(4)資料の有効利用

 大学図書館に蓄積・保存されてきた資料の有効利用を図ることは言うまでもなく重要であり,この点においても資料を電子化し,ネットワークを介して利用者に提供することが最も効果的かつ効率的と考えられる。貴重資料や特殊コレクション等をはじめ大学図書館が所蔵する資料の共同利用を促進する観点から,また,海外への情報発信という側面からも,大学図書館は所蔵資料を電子化し有効利用を図る必要がある。

(5)情報検索機能の向上

 現在,組織あるいは個人による,インターネットを利用した様々な情報発信が行われるようになっている。このようなネットワークに発信される情報量の急速な増加に伴って,研究者等の情報収集・検索機能の向上に対する要求も増大すると予想されるが,一方,これら大量のネットワーク上の情報の中から,必要なものを効率的に検索するための方策や手法等は,いまだ十分に整備されていないのが現状である。大学図書館はこうした要求に適切にこたえるべく,図書館職員による利用者への直接支援を含めて,情報検索支援機能を強化する必要がある。ここには,情報資源に対する強力な検索システムや適切な情報源に利用者を導くためのナビゲーション・システム等の整備が含まれる。

(6)情報発信活動の支援

 学術研究情報の流通形態と流通経路の変化を受けて,今後,研究者が自らの研究成果等を電子媒体により公刊する機会は増えるものと予想される。電子化により,迅速な公開と国際的な発信・流通が容易になることが,この状況を牽引しつつある。また,大学での全般的な情報化が進行するにつれて,学内の諸組織において,教育研究情報等を経常的に電子化することが進むものと予想され,例えば,教育方法等の見直しの中で,教材その他の教育支援資料の多くも電子化されていくと見られる。これら多様な動きが存在する中で,大学における情報資料の電子化が円滑かつ整合的に進められるよう,大学図書館には,学内関連施設との協力の下に,電子化資料の作成・編集等を支援して,大学の情報発信活動全般を助長することが求められている。

2.電子図書館的機能の整備の基本的考え方

 電子図書館的機能を整備することは,その具体的内容,程度に差こそあれ,すべての大学図書館において重要である。

 その整備に当たっては,以下のような基本的考え方をとるべきであるが,その際,大学図書館において従来から収集・蓄積してきた図書や雑誌等の紙媒体資料の収集・保存及ぴ提供は,大学図書館の基本的な機能として,今後とも継統・向上していくことが必要であり,この現有機能との調和を図りつつ大学図書館の総体的な機能強化を目指して推進されるべきものであることに留意しなければならない。

(1)整備のだめのビジョン策

 各大学の理念,目的,学部構成などを考慮しつつ,各大学の特色やニ一ズに応じて,適切なビジョンを策定することが重要である。また,各大学図書館の実情等に応じて,段階的・継続的に整備することが適当である。

(2)学内関連組織との連携協力の推進

 全学的な見地に立って,大学の情報集積・発信機能全体を充実・高度化させるよう,学内の情報処理関連施設,教育関連組織等との連携の上に,国際化への対応も意識して,大学図書館を中核とする柔軟な枠組みを形成することが重要である。

(3)大学図書館間の連携・協力の強化及び相互運用性の確

 各大学図書館の保有する電子化された資料をネットワークを介して相互に検索し,個々の利用者に提供できるようにすることが重要である。また,所蔵資料の電子化に当たっては,電子化の方式,作業の分担等に関して,相互に調整することが不可欠である。このため,大学図書館間の連携・協力を強化し,各システム間のネットワーク化を推進することが,従来にも増して必要となる。その際,システムの相互運用性の確保について十分に留意しなければならない。

(4)教育活動への配慮

 カリキュラムや教育上のニ一ズを反映した情報資料の収集,電子化など,大学の教育活動に即した電子図書館的機能の整備が必要である。このためには,十分な利用者支援機能を備えたシステムを構築する必要があり,また,これは教材・シラバス・講義録等,学内の教育資源を管理するシステムと有機的な結合を図れるものであることが望ましい。

(5)著作権の保護,セキユリティの確保及ぴプライバシーの保

 電子図書館的サービスにおいては,著作物の利用が前提となるので,当該著作物の利用に当たっては,適切な著作権処理を行うなど,著作の保護について十分配慮する必要がある。また,電子図書館的サーピスにおいては,ネットワークを介したアクセスが常態となるため,システムのセキュリティの確保及ぴ利用者のプライバシーの保護に十分留意する必要がある。なお,資料の電子化に当たっては,学内のみならず,学外への提供も視野に入れる必要があり,このために資料に付随するプライバシーの保護にも十分留意しなければならない。

3.電子図書館的機能の整備の方策

(1)資料の電子化の推進

・目録情報の遡及入力の促進

 現在,全国の大学図書館には約2億冊の図書が所蔵されているが,このうち目録所在情報が学術情報センターのデータベースに集積されているのは約1割程度である。目録所在情報は,所蔵資料の電子化のための基礎となるものであり,したがって,目録所在情報の遡及入力はさらに促進されるべきである。

・資料電子化の段階的・継続的な取組

 電子的情報資料の収集及ぴ所蔵資料の電子化は,それぞれの大学の実情に応じて,段階的・継続的に進めることが適当である。特に資料の電子化については,利用頻度の高いもの,あるいは貴重資料や特殊なコレクション等から順次着手するなど,段階的かつ継続的な取組が求められる。

・資料電子化の効率的な実施

 資料の電子化に当たっては,その対象資料や電子化の方式等について,大学図書館間で十分な連絡・調整を行い,電子化作業の重複を避けることが肝要である。そのためには,例えぱ資料を電子化したことがわかる総合目録データベースなどを構築することが重要である。

 また,従来の外国雑誌センターの整備方式と同様に,各分野ごとに重点的に資料の電子化を行う大学図書館を指定し,そこで中心的に実施していく方式など,資料電子化の効率的な実施方式について,全国的な見地から検討を進める必要がある。

・電子化資料作成の支援

 学内研究者による研究成果等の電子出版化を支援・促進する機能も重要であり,そのためには,電子化が情報作成者のメリットともなるような仕組みを検討する必要がある。例えば,SGML等の標準的データ記述方式を援用して,論文等の電子的執筆,公刊,データベース化などの過程を支援することにより,効率的な文書作成と良好なサーキュレーションが同時に確保されるような体を整備することが考えられる。

(2)施設・段備の整備

 電子図書館的機能の充実には,高性能なコンピュークシステム等をはじめ,資料を電子化・入力するシステム,大容量の蓄積システム,高機能な検索システム等の設備の整備は不可欠である。また,多数の利用者による同時アクセスとマルチメディア情報など,大量データの良好な流通を可能とするために高速ネットワーク関連の設備の充実も不可欠である。さらに,今後,動画やマルチメディア関係の情報が増大するため,その関連機器の充実も重要である。

 来館利用者向けの閲覧関連施設についても,学生等が電子的情報資料と印刷資料を同時に使いながら,レポートを電子的に作成するというような新たな利用形態にこたえるため,ネットワーク接続されたパソコン等の情報機器を閲覧室に相当台数配置するなど,施設・設備の充実が必要である。

(3)研究開発の推進

 資料の効率的な電子化や良好な利用者インタフェースなどを念頭に,将来的にも基本的な相互運用性が確保されるよう配慮しつつ,各大学において最適なシステムの構成を検討し,必要に応じて,このための研究開発を推進するべきである。

 電子図書館システムについては,ネットワーク上に分散する各種情報資源を容易に検索できるシステムや,複数サーバが協調を図りつつ情報を提供するシステム,知的インタフェース等,多くの技術的課題があり,学術情報センターにおける電子図書館システムの研究開発を推進することにより,各大学の電子図書館システムとの連携や分散処理環境の整備を目指すほか,科学研究費補助金等による重点的な研究助成により,これら研究開発を促進することも有効であろう。

(4)組織体制の整備

 各大学において,電子図書館的機能整備のビジョンを策定し,その実現を図るには,大学図書館と学内の情報関連施設等との間で,緊密かつ柔軟な関係を構築する必要がある。 大学図書館は,現行業務を可能な限り自動化するなど,業務の効率化を一層進めつつ,電子図書館的機能に適応する新たな組織の確立等,体制的な整備を進めていくことが必要である。また,電子図書館的機能の全国的な連携を技術面・システム面で支援するため,学術情報センターの体制の整備を図ることも重要である。

 あわせて,各大学図書館に適した電子図書館システムの構築に向けて,研究者や図書館職員,情報処理関連施設の職員等による学内的研究開発体制を形成することも重要である。

(5)図書館職員の研修の充実

 図書館職員は,従来の図書館業務にとどまらず,新たな電子図書館的機能に即した業務にも対応することが求められる。すなわち,情報処理技術や新しいメディア及ぴ著作権に関する知識を習得し,電子図書館的機能に係わる研究開発にも積極的に参画していかなければならない。このために,学術情報センター等で行っている図書館職員に対する各種研修事業は一層充実されるべきである。

(6)情報リテラシー教育への支援

 近年,各大学においてカリキュラムの見直しが進められ,それに併せて,授業方法の改善についても多様な試みがなされている。マルチメディアを含む電子化された教材の作成・利用等は,その有効な方策の一つとして,今後とも進展するものとみられる。また,電子的情報資料の有効利用を含めた,情報リテラシー(情報利活用能力)教育の重要性も認識されてきており,こうした情報リテラシーを前提とした,学生の自主的な学習活動も推奨されている。大学図書館は,これら電子的教材作成,情報リテラシー教育及び学生の自主学習等に対する支援において,その一翼を担うことが求められている。 特に,学生向けの利用者教育は,情報リテラシー教育の一環として,大学図書館の協力の下に,全学的に取り組むことができるよう,教育体制の整備が必要である。

(7)著作権への対応

 情報資料の電子化やネットワークを介した送信など電子図書館的機能の整備における著作物の利用については,使用条件,使用料,支払い方法などについて著作権者との間であらかじめ協議を進めることが必要である。

 電子図書館的機能に係る著作権の処理については,学術情報センターや奈良先端科学技術大学院大学で進行中の電子図書館プロジェクトにおける対応事例を参考としつつ,各大学図書館が著作権者との間で個別に適切な処理を行っていくことが必要であるが,将来は著作権の集中的処理を行うことについて検討することが望ましいと考えられる。


4.電子図書館プロジェクトの推進等

 現在,学術情報センターにおける電子図書館システムの研究開発と事業化計画や,奈良先端科学技術大学院大学でのモデル的電子図書館の構築が進められている。今後,文部省は,これらの取組を継続して推進するとともに,大学図書館における電子図書館的機能の整備・充実の参考となるような,各大学の特色を活かした先導的なプロジェクトを積極的に奨励・支援し,大学の図書館に電子図書館的機能の整備・充実を進めることが重要である。

 国内では,大学図書館以外においても,国立国会図書館関西館(仮称)構想をはじめとする,さまざまな電子図書館への取組が進められており,また,国際的には,G7共同プロジェクトの一つとして,電子図書館の構築がとりあげられている。文部省は,これらと密接な連携を図りながら,大学図書館における電子図書館的機能の整備・充実に努めることが重要である。

(参考資料2)

国内における電子図書館関係研究開発等の事例

1.学術情報センターNACSIS-ELS

 情報処理学会など26学会の学術雑誌を対象とした一次文献の画像データベースを使い,従来のドキュメントデリバリー・システムと文献検索システムを統合したものをインターネットのSINET上で提供。現在,利用モニターによる試行サービス実施中。
 ATMネットワークも実験的に利用。平成9年8月からサービス開始予定。

2.奈良先端科学技術大学院大学 電子図書館

 大学院大学としての特性,研究科構成を考慮。「資料の種別を問わないメディアセンター」,「居ながら図書館」,「24時間図書館」の機能。資料は媒体を問わず全てデジタル化。学内ネットワークに接続された個人用ワークステーションにより利用可能。外部ネットワークの活用,研究開発事業も行う。平成8年度から運用を開始した。

3.国立大学附属図書館の例

北海道大学
(ア)北海道大学が所蔵する一部の学術資料の全文(環日本海・ユーラシア大陸北東部・北太平洋沿岸地域などの北方資料を中心とする)及び同大学が創出した研究論文(紀要,学位論文など)の全文をマルチメディア・データベース化し,広く学内外に提供する,学内オンライン・ドキュメント・デリバリサービスを提供する。
(イ)要望の強い学術文献データベースを充実・強化する,などを柱とする新たな電子図書館化計画を推進中。その他,「附属図書館総合情報サービス」として,WWWを利用し学術文献データベースを学内に,OPACや図書館利用案内などを学内外に24時間提供中。

東北大学
 CD-ROM二次資料データベース,OPACの検索をWWWなどにより提供中。図書館利用案内などをWWWによりインターネットヘ提供中。
 貴重図書を電子化(イメージ化,テキスト化)し,WWWによりインターネットヘの提供を検討。学生が研究,学習に必要な情報を得るための支援環境としてパソコン・ラボラトリを設置し,WWWブラウザ,ワードプロセッサソフト,表計算ソフトを整備。

図書館情報大学
 シラバス,講義録,図書館資料などを電子化し,大学、の共有マルチメディア・データベース化により、教育システムと図書館システムとの連携を図り,学内情報資源の有機的な統合化を実現する「開放型マルチメディア電子キャンパス・プロジェクト」を開始。
 著作権などの問題のない情報については,WWWなどの活用により,学外への提供も考慮。
 図書館のホームページでは,図書館利用案内やOPAC,図書館報,研究報告目次などを学内外に提供。

筑波大学
 Elsevier社やISI社の学術雑誌目次速報,ADNIS学術雑誌原文情報などCD-ROM学術文献情報を学内LANで提供。
 古典資料の電子展示,筑波大学紀要目次速報,新着図書リスト,予約雑誌目録,図書館利用案内などをWWWにより学内外に提供。
 筑波大学所蔵の貴重図書の画像データベース化,及ぴ旧教育大学図書目録の遡及入力によるデータベース化を推進中。今後は,貴重図書に加え筑波大学で生産された学術的価値の高いオリジナル情報(筑波大学紀要,学位論文,TARA研究成果,特別プロジェクト研究成果,科学研究成果など)の全文データベース化を図るとともOPACなどと相互参照のリンクを張り,国内はも全世界に向け情報発信する予定。

千葉大学
 「千葉大学附属図書館情報システム(CULIS)」として,図書館利用案内,図書館報,OPAC,図書館冊子類の電子版,コレクションの解題目録などをWWWにより提供中今後は,学内発行紀要類の目次情報の提供,新着図書などを行う予定。また,マルチメディア・オン・デマンド.システムによる原情報,教材などの配信システムを計画中。

東京大学
 WWWホームページ「附属図書館マルチメディア広報」により,図書館ニュース,マルチメディア展示会,OPAC,CD-ROMデータベース,利用案内などを提供中。
 東京大所蔵の日本関係の貴重図書を電子化し,インターネットを介して全世界に提供する「附属図書館の電子化」を推進中。
 ジュネーブのWHO(世界保健機関)のミラーサーバによる全世界へのサーピスの実施について,計画中。

4.国立国会図書館 関西館(仮称)構想

 平成6年12月に国立国会図書館建築委員会から勧告。平成14年度に開館予定。高度の情報技術を応用して文献の情報処理を行い,高速かつ簡便にその伝送を行うなどの施設として,本館(東京)と一体システム化し,文献情報の提供,総合目録データベースの作成,外部ネットワークとの接続,電子出版物の収集・利用提供体制の整備,従来型から電子媒体への変換などを促進。紙媒体資料の遠隔配置問題,資料保存,電子納本も考慮。

5.電子図書館研究会 Ar i a d n e

 関西文化学術研究都ody市推進機構学術委員会の援助によるもので,平成4年から富士通と共同開発。サーバは京都大学で,けいはんなプラザ,国立京都国際会館などをATM,B-ISDNにより接続。WWWを使川。各方式での図書・論文検索,読書支援が可能。