勉強法よりたぶん大事なこと
(2017年7月21日改訂)


何のための英語の勉強か

単語やフレーズをどれだけおぼえても、どれだけ文法や発音を勉強しても、それだけでは英語を話すことで外国の人とどんどん友だちになる、なんてことはできないと思います。別に私が言わなくても、みなさんどこかで聞いたことがあるんじゃないかと思いますけど、「外国語の知識よりも話す内容の方が肝心」っていう、アレです。話す内容っていうか、私の言い方なら「その人と話しておもしろいかどうか」が肝心ってことになると思います。

だって別に海外に行っても、外国の人が「日本人だ〜!」と周りに群がって会話したがるなどということはないです。日本人だろうと現地出身の人間だろうと、話しておもしろい(楽しい)人なら交流が多くなるし、そうでなければ何年現地に住んでも日本人以外の友達はほとんどできないということです(←実は海外在住日本人によくあるパターン)。

話がおもしろいってどういうことだろうか

突っ込んで考えてみると「その人と話すとおもしろい情報が出てくる」「へえ〜と思わされる」「そんな見方もあったんだと思える」ってことでしょうか。もちろん一方通行に情報を渡されるだけじゃなくて、逆に「へえ〜と思ってくれる」「そんな見方もあるんだと受け入れてくれる」っていうのも「込み」でないとまずいんですけど。

意見であっても情報であっても、「何かを知りたい、聞いてみたいという気持ち(好奇心)」と「何かを伝えたい、わかってほしいという気持ち」が強くなければ、いくら外国語のフレーズをおぼえても「会話」は成立しませんし、そういう本質的な問題が解決してないから、生徒さんは自分の「英語力」に満足できず、そんで語学学校がずーっと儲かるシステムになってるんじゃないですかね?

話して楽しい人なら、多少英語が流暢でなくても会話の機会は増えるし、好奇心の強い人ならわからないこともどんどん質問しますから、その結果として英語も上達するっていうのが自然な「流れ」ってもんじゃないでしょうか。

そこで具体的な提案
こういうことをあんまりやってない人がいくらTOEICの点数を上げても、それはしょせんは単なる数字にすぎないっていうか、外国語が身についたとか、使えるようになったなあ〜と思える「満足感」には直接つながらないだろうなと思います。外国語を勉強するのは、試験で点数をとるためではなくて、結局は人とつながるとか、人と協力して何かやるためだと思うので。

 ビジネス英語の場合

こちらは「外国の人と友だちになる」というよりは、「外国のビジネスピープル(社内・社外の両方)にだしぬかれないようにうまく自分の利害を主張して、お互いが一応満足できる結論が出るように交渉する。しかもそれを一見フレンドリーな雰囲気でやる。」という世界ですから、「話がおもしろい」よりももうワンランク上の対人能力が必要です。自分の主張ばかり繰り返して相手を攻撃しても関係が悪くなるだけですし、「遠慮」などしてしまって相手の好きなように交渉をもって行かれるようではビジネスになりません。

結局はビジネスも人間のやることですから、海外の企業で働いている日本人やアメリカ人の話を聞いたり、(企業ではありませんが)自分がアメリカで働いていたときのことを考えても相手の人間性っていうのがカウントするんだなと思わされることが多かったです。だから「話しておもしろい人間」にならずして、国際ビジネスで英語を使ってバリバリ仕事する・・・ってのは、ちょっと無理。たとえば、欧米での食事やパーティーなどで(たとえビジネスがらみでも)仕事関係&自分の身の回りのことでしかまとまった話ができない人は、退屈な人という評価を下されます。

「ネイティブみたいに」ってあんまり意味ないかも

プライベートでもビジネスでも、ネイティブスピーカーの人々は、外国人が「ネイティブみたいに」話したり考えたりことを特に期待していません(書くときはまた別ですが)。日本人の学生さんだって、日本に来ている留学生がまるっきり日本人みたいに話したり振舞ったりすることは望んでいませんよね?発音が日本人と区別がつかないぐらい同じでないといやですか?むしろ、異文化というバックグラウンドを持つ外国人だからこその視点・情報に興味を惹かれることの方が多いのではないでしょうか。

なので、ネイティブとまったく変わらない発音や語法で英語をしゃべろうと努力するというのは私から見ると必要性の感じられない「マニアックな趣味」の世界です。やってはいけないとは言いませんが、そんなヒマがあったら自分の持つ情報量やものの見方を充実させるべく、他の人と話すなり本の一冊でも読むなりしていただきたいところです。まあそういうわけで・・・
 
まあそういうわけで「読書マラソン」

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