留学前にはこれをやれ!


私は大学院留学でアメリカに行ったんですが、外国に行くとなると「勉強がんばろう」だけではすまない部分もあります。私は最初の年は国際交流団体の奨学金をもらっていたわけですが、そうでなくても滞在中はやたらいろんなところで「文化紹介」をやらされます。

しかしまたその中から学んだ知識も「一生もん」かなあと今は思います。せっかく異文化環境に身を置くわけですから、文化交流の機会には積極的に参加するべきかと思います。

そういう観点から、ここでは留学前にこういうことがわかっていたらよかったと個人的に思うことを紹介します。

(欧米に行く人の場合特に)現地の文化・宗教についての基礎知識を得る

やはり知っているにこしたことがありませんので。初心者向けおすすめ本はこちら:阿刀田 高 『旧約聖書を知っていますか』『新約聖書を知っていますか』新潮文庫
日本の文化・歴史・政治・宗教についての基礎知識を得る

留学するともう誰でも「日本人代表」ですから「日本ではどうなの?」「なぜ日本人はそうするの?」「一般の日本人はそれについてどう思っているの?」と聞かれる毎日が待っています。たとえば信仰やそれにもとづく日常的慣習についてなどは、さまざまな宗教や哲学の影響が入り混じっているため、われわれ日本人でも由来をほとんど意識していないものも多く、ちゃんと整理しておかないと説明は難しいと思います。さしあたって初心者の方は「神社とお寺の違い」あたりから入ればよいのではないでしょうか。
 キリスト教圏に行く人の場合は、上に紹介した本などで聖書の内容の予備知識を得ておくと、日本人の信仰を対比させて説明できることも可能になり、何かと便利かと思います。
ゆかたの購入・着付けと手入れの練習

男女かかわらず。結構いろいろな場所で「日本のファッションを見せてほしい」と希望されます。「いや、日本人は普段も洋服で・・・」と力説しても、「でもたまには着てるよね。テレビで見たけどなあ」とがっかりされるのがありがちなパターンです。ゆかたではなく着物だとなおポイント高し(しかし手入れが大変かも。)
簡単な料理本(2〜3冊)の購入

これも同じで、男女かかわらず。食べものの国際交流はみんな大好きで、特に「日本食はうまい」ということは広く知れ渡っていますから、「料理は全然・・・」と言ってもたぶん許してもらえないと思います。

留学先によっては日本の食材が手に入りにくいところもあります。そういうところでは「コロッケ」「肉じゃが」「すきやき」などがメインになるかと思います(しょうゆはいろいろな国でかなり普及している様子です)。とんかつソースがない場合は、ウースターソースとケチャップを混ぜればなんとかなります。持ち寄りパーティーに向いているのはちらしずし(ベジタリアンが多い集まりではおすすめ)や巻き寿司、ミニコロッケなどでしょうか。お好み焼きも人気があります(大阪人からのおすすめ:「山いもの粉」、「だしの素」、乾燥桜エビをタネに混ぜるとうまいです)
ちょっとだけ「いい目」の服も持って行く

学生さんがそんなに着飾る必要もないわけですが、いつでもジーンズとTシャツというわけにもいきません。ちょっとあらたまった場所だと、たとえティーンエージャーであってもそれなりの「よそいき」を着てきます。男性なら背広とは言いませんから少なくともジャケットとパンツ(ネクタイをすればそれなりにフォーマルになる)、女性ならワンピースや、コサージュやスカーフを使えばそれなりにドレッシーに見えるスーツみたいなものを一着は用意しておきましょう(変にフォーマルなものでない方がいいです)。向こうで買おうと思っていても、土地カンがないとすぐにはいい店が見つからないし、あってもサイズが合わなかったりします。
華道・茶道・書道などの速成コースを受けておく

外国に行ってから「ああ、ちょっとでも習っておけばなあ〜」と何度も思いましたが、たまの帰省中では時間がなくてどうしようもありませんでした。そんなに本格的にできなくてもかまいません。ご家族や知り合いでできる人にちょっと手ほどきしてもらうだけでもだいぶ違うと思います。いろいろな動きの意味や道具についても説明できるとなおよいです。
ちょっとしたプレゼント用小物の用意

別に「おみやげ」っていうのはいらないと思いますが、誰かの誕生日とか何かのイベントにちょっとあげられる日本の小物があるといいですね(500円前後)。「飾りもの」は相手のセンスも関係するし、使い道に困るようなものも多いし、和風小物などはなんかワンパターンな気もしないでもないです。穴場は100円均一の店とか文房具店ではと思います。特に日本の文具はデザインのセンスがいいので、どこでもたいてい喜ばれます。

あと、東京ディズニーリゾートでロゴ入りの実用品を買うのも、そういうのが好きそうな人にはウケるかと思います。ディズニーの施設は決してどこの国でも同じではありません(日本のおみやげ類はアメリカの方とはかなり違います)。また、ディズニーシーは日本にしかないので話題にもしやすいかと思います。
家族の写真・日本紹介用の写真や本を用意する
ホームステイをしていなくても「本国の家族」はなかなかの人気トピックです。特に事情がない限り、家族の写真は必携でしょう。自分の実家や下宿や学校のあたりの写真を撮っておくというのも悪くないアイディアです。また、現代の日本について写真がいっぱい入った英語の本は説明に便利ですし、プレゼントにしてもよいかもしれません。ちょっと大きい書店の洋書セクションにいいのがたくさんあります。
その他持っていった方がよいもの

  • 耳かき(予備も)
  • 胃薬(行ってすぐ食べものが合わなかったり、胃が疲れているのにパーティーや食事というパターンも多い)
  • カロリーメイトみたいなもの(非常食として)
  • 日本語の本や雑誌やマンガなど
  • ゲーム好きの人はゲーム機とソフト
  • リラックスできる小物
  • ノートPC(なるべく使いなれたもの。日本語OS用ソフトの購入や、現地でのサポートはよほどの大都会でなければ期待できないので注意)