授業評価:「英語学演習5」(青山学院大学第二文学部) 2010年度



【講義題目】乳幼児の母語の発達(第一言語獲得)

【授業の到達目標及びテーマ】この授業の目的は、乳幼児が母語を使えるようになる過程についての、様々な研究の成果を概観する英語文献を読みながら、ヒトという種のみが持つ「言語」の本質について考察することである。言語獲得研究は、言語学と発達心理学が重なり合う「心理言語学」の一分野を成していることから、授業で扱う内容もそれに応じて「言語を中心としたこころの発達」に関するものとなる。

【講義概要】具体的なトピックには、乳児の言語音の認識と産出・語とその意味の獲得・文法知識の獲得・コミュニケーション能力の発達・言語コミュニケーション能力の発達・社会性の発達・脳と言語・バイリンガリズム・言語の生得的知識の理論(生成文法)・障害児の言語獲得などが含まれる。可能な限り日常生活での観察や「子どもとことば」について社会で注目される事例などと結びつけることに留意して授業運営を行う。 
授業は、事前に決められたセクションの内容を担当者が簡単にまとめて発表し、発表者および他の履修者が感じる、興味深い点や疑問点に関する情報を教員が補足する形で展開される。事前に文献をしっかり予習し、わからない部分を質問できるようにしてくること。扱うトピックが幅広いことから、授業には毎回出席することが求められる。英語文献を読むスキル以外に、特に予備知識等は必要ではないが「言語」や「子どもの知的発達」に対する興味があることが望ましい。

【教科書】Clark, Eve. 2009. First Language Acquisition (second edition). Cambridge Univ



評点の分布

AA:1名(9%) A:4名(36%) B:5名(46%) C:1名(9%) D:0名(0%)

回答者数: 11 有効回答数:11

  • 50%以上(6名以上)が選んだ選択肢は赤色で表示されています。
  • 平均値は「わからない・無回答」を除いて計算されています。
英語学演習(青山学院) 1(全然そう思わない) 2 3 4 5(とてもそう思う) 9(わからない・無回答) 平均
教員は熱意を持って教科の内容を提示した 0 0 1 4 6 0 4.45
教員の説明はわかりやすかった 0 1 4 5 1 0 3.55
教室内外で質問しやすかった 0 1 5 2 2 1 3.50
教員は授業に関わる悩みなど、学生の気持ちを理解しようとしていた 0 0 6 3 1 1 3.50
平均値(教員の教授態度) 3.80
授業は全体的にうまく構成されていた 0 1 2 6 2 0 3.82
教員の使った例や体験談は内容の理解に役立った 0 1 1 3 6 0 4.27
授業で扱おうとした内容の量は適切だった 0 4 3 2 2 0 3.18
教員の授業のペースは適切だった 0 4 5 1 1 0 2.91
課題など学生のやるべきことは明確だった 0 0 4 3 4 0 4.00
教員は毎回のクラスの準備を充分行っていた 0 0 2 1 7 1 4.50
教員は学生の授業への参加を奨励した 0 1 1 5 3 1 4.00
全般的に見て、教員はこの教科を効率よく教える能力を持っていると思えた 0 0 4 2 3 2 3.89
平均値(授業の構成・教授能力) 3.79
課題の量は授業の内容を考えると適切だった 2 2 3 2 2 0 3.00
予習文献のレベルは適切だった 2 2 0 3 3 1 3.30
あなたが書いたものに教員は有用なコメントや提案を返してくれた 1 0 1 5 4 0 4.00
ライティング課題(レポート、練習問題など)は内容の理解や新しい知識を応用する力の養成に役立った 0 1 2 4 4 0 4.00
試験・小テストは内容の理解や新しい知識を応用する力の養成に役立った 0 1 4 1 5 0 3.91
平均値(課題・評価) 3.64
60%以下 約60% 約70% 約80% 90%以上 無回答
授業で扱われた内容の何パーセントぐらいを実際に「学んだ」と感じましたか? 2 3 3 0 2 1
良いと思った点:テキスト以外での「勉強」というものを教えてくれた点。先生の話し方も威圧感がなく、とても親しみのあるものだった。ホームページもよいと思いました。とても知識が豊富な先生で、授業は楽しかったです。意見の多様性を尊重する。

改善してほしい点:最後が少し駆け足になった気がします。たまに先生のペースが速すぎると感じたことがありましたので、状況に応じてもう少し説明してくれるんなどがあればと思います。教授法を学ぶ。

その他コメント:この授業は自分にとって「当たり」なものでした。先生がある時「勉強」というものについて語って下さり、自分の中で糧になっています。短い間でしたが、一年間ありがとうございました。


教員からのコメント

他大学の第二部(夜間部)の演習科目(ゼミ)を担当するような仕事は初めてで、学生の皆さんのバックグラウンドについてほとんど予備知識がありませんでした。学期が始まってから(ネイティブ向けに書かれた)洋書は必ずしも適切なチョイスではなかったとわかりましたが、高価な本を購入していただいたという事情があり、何とかその条件でできるだけの工夫をしながら一年やってみました。その難しい状況の中で、履修者の皆さんはよく授業についてきてくれました。特にミニットペーパーの導入はうまく機能していたように思いました。この授業をきっかけに、言語獲得についてさらに勉強していただければ嬉しく思います。