相談者の助けになれる人々には、相談組織の相談員のほか、精神神経科(診療内科)の医師、
フェミニストカウンセラー、各種の支える会や女性団体、セルフヘルプグループなどが
あります。
治療と役割分担について、私の理解の範囲でまとめます。
<相談員> 話をきいて、相手とも面接し、必要な措置を考えて提案する 適切で迅速な対応が不可欠ですよー。 <精神神経科(心療内科)に行く> 話をじっくり聞く、というよりは、投薬治療を中心にする医師が多いようです。 大きな病院などでは特にその傾向がつよいようです。不眠はとってもよくある 症状ですが、医師に睡眠薬を処方してもらい睡眠時間を確保すると、体力回復 にかなり役立ちます。体力がないと気力もすごく落ちるので、これは大切。 また、こういった場合に出る身体症状(心身症やPTSDなど)には、抗うつ剤がよ く効く場合があります。症状が慢性にならないうちに服用するととても良く効 く場合もあるようです。 ちなみに大学内の診療所(学生教職員むけ)には、内科の医師のほかに、週1回 くらいのペースで精神神経科の医師がきて、診療しているところも多いようで す。学内の診療所が便利な点は、近いこと、安いこと、普通の病院では薬は2 週間分しか出さないけど、学内の診療所なら、出張などにあわせてくれるなど です。欠点は、学内の組織であること、そのため、裁判などの場合には別の診 療所から診断書をもらう必要があること(客観性をたもつため)です。 <カウンセラー> 大学内にしろ一般のにしろ、普通のカウンセラーは、親子関係や労働関係など いろいろな問題からくる悩みをかかえた人がいきますので、カウンセラー自身に セクハラやフェミニズムの知識があるとはかぎりません。女性がおかれた社会 状況などについて理解しており、女性の立場になって相談をうけるのがフェミ ニストカウンセラーです。女性のうける暴力被害のほか、摂食障害、や児童虐待、 PTSDなどを専門に扱うところがあります。 カウンセラーは話をきいて、本人が解決方向を考える手助けをします。つまり ちょっと見には『ただ話を聞くだけで、解決方向を示してくれるわけではない』 のです。『相手に対してこうしなさい』などとも言いません。カウンセラーが 『こうすべきだ』といってしまうと、相談者が頼るようになってしまう場合も あり、本当の解決にならないからです。 また、『組織としてこう解決すべきだ』とも言ってはくれません(これは相談組織の 委員が考えるべきことです) 相談する人は、自分で自由に話をし、自分のしたい話をして、したくない話しは 避けてもよいのです。自由に話をすることによって、自分をみつめ、今まで気づ かなかった問題点に気づくようになったり、解決方向をあれこれ模索できます。 見守ってくれる人がいるというのは心づよいものです。その中で心の傷から回復 していくようです。 つまり医師は投薬治療を中心にして身体症状の回復をめざし、カウンセラーは心の 傷の回復の手助けをします。 カウンセリング診療所にいくと、まずはじめに、面接員が話を聞いて、適した カウンセラーを選ぶようです。そしてその人のところへ、定期的に話をしにいく (カウンセリングをうけに行く)ようです。 カウンセラーにも相性がありますので、相談してみて、相性がうまくないと思ったら 替えることもできます。 詳しくは文献紹介のところで紹介している、カウンセリング関係の本をごらん下さい。
クリニック、相談組織(1)カウンセリングをする診療所は最近ふえているので、自分で探して下さい。 ここの情報はかなり古いので、探す時のキーワードだと思って下さい。 (2)かながわ・女のスペース "みずら" 月~金 14時から17時、 19時から21時 土13時から18時 (3)SARA・性暴力サポートライン 第1・3木曜18時から21時 土13時~18時 (4)女のホットライン 隔週金 19時から22時 (5)東京・強姦救援センター 水 18時~21時 土15時から18時 (6)東京医科歯科大学の犯罪被害者相談室 東京医科歯科大学の犯罪被害者相談室 (東京と大阪にあります) 受け付け 月ー金 10時から16時 面接日 要予約 相談組織は全国にあります。 (その他) PTSDや心身症などの症状を軽減するには、心身症の文献にある自律訓練法のほか、 ヨガや足マッサージ&リフレなども試してみる価値があるかもしれません。ヨガは 力を入れた後で、力を抜く訓練をするので自律神経によいようです。 その他、言いたいことをすべて誰かに言う、ノートに思いのたけを書き留める、自費 出版する、裁判する過程ですべて言いたいことを言う、なども症状を軽くする方法です。